落語と私 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167413019

作品紹介・あらすじ

落語の歴史、寄席の歴史、東京と上方のちがい、講談、漫談とのちがい、落語は文学か、女の落語家は何故いないか等々、当代一流の落語家にして文化人が、落語に関するすべてをやさしく、しかも奥行き深い蘊蓄をかたむけて語る。

感想・レビュー・書評

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  • 偉大な方だったとしみじみ感じました。
    最近、外交問題で「米朝」という文字が新聞に載ることも多く、これを目にする度にこの人を思い出しています。
    自分で落語を極めようとしたとき、落語とは何か、という問いが生まれて、ひたすら研究し落語を定義したうえで、自分の落語を極めたのだろうなあ、と思いました。
    最後に中高生向けの本と知り、確かに、中高生にもわかる内容、と思いながら、その内容の深さ、濃さに驚嘆したところです。
    なるほどなるほど、と頷きながら、落語への視点、視線が大きく変わる本です。
    落語好きののみならず、多くの人に読んでほしいと思います。落語のみならず、極める、とはこういうことだ、と感じると思います。

  • これはなんとなく衝動買いした本ですが、素晴らしい。談志のほんより正直すごいと思う。少年少女向きに平明に書かれているが、その分本質が抑えてあって、「評論家」よりもずっとしっかりした落語の解説本になっている。地の会話と着物、扇子などミニマムな道具だけで演じる落語は映画や舞台の対極をなし、僕には親近感を覚えさせる。

    落語の世界には、めったに本当の悪人はでてきません。(中略)偉大な人物はいないかもしれませんが、しかし、平凡な人物ではあるが、こんな人が町内にいたらみんなが助かるとか、こんな人が大勢いたら世の中はもっと良くなるだろう、、、と思われる人はたくさん落語国にいます。落語は現世肯定の芸であります。214ページ

    これは談志の「業の肯定」をさらに米朝らしい優しさで表現したものだと思う。なるほど、共感するわけだ。

  • 元々が子供向けに書かれたもののようで、落語というものについてわかりやすく書かれている。落語の入門にはいい本。

  • 人間国宝桂米朝による落語の解説本。
    分かりやすく、落語の全体像を詳しく説明している。

  • 落語について興味があり読んだ。
    正解だった。
    自分のような初心者にも分かりやすいように丁寧に説明してくれた。
    落語の見方も良い方に変わる気がする。

  • 落語のや寄席の歴史、東京と上方の違いなど、落語に関する全てをやさしく語ってくれる。
    落語を聞く楽しみが倍増する名著。

  • 前書きによると中学生・高校生を対象に書き下ろされたものとのことだけれど、落語初心者よりは、ある程度落語に親しみ、さらにもっと落語の世界の深奥を覗いてみたいというひとにこそ最高の水先案内となりうる一冊だと思う。米朝版「落語概論」のような体裁をとってはいるが、演者としての豊富な経験に裏打ちされているだけに内容は、濃い。松本尚久『落語の聴き方、楽しみ方』とともに、時々手にとっては読み返したい。

  • 米朝師匠のお人柄、落語にかける想い、生き様がにじみ出たような本だった。落語の入門書なのだが、内容はとても高度なので素人玄人関わらず誰でも楽しめる。そして勇気までいただく。

    キザな気取りの芸を「末路哀れは覚悟の前」で極める一生。ただひたすら精進。本当の現実なんてシビアで格好悪く美しくないことなんて百も承知している。それでも、なんてかっこいいのだろう。人間国宝だからすごいのではなくて、米朝師匠がすごいのだ。

    (20130611)

  • ひょんなことから上方落語に魅せられて程ない私が、この度たいそうな時間をかけて少しずつ読みました。
    落語は何も知らずに観に行ってもすごく楽しいけど、これを知っていればもっともっと楽しい。そんな落語の成り立ちと基礎を中学生にも分かるように丁寧に紐解いた名著。40年近く昔に書かれた本だという感じがまったくしない。それが落語の見事さだし、米朝師匠がその後40年かけて立派なお仕事をされてきた証左であるのだなあ。
    落語は聴くものでなく、観るもの。そこだけ理解できれば、客としてはあとは実践あるのみ。たくさんの寄席に足を運び、そして何年も経ってから、もう一度この本を読み返したいと思います。

  • 昭和50年刊(昭和61年文庫化)。
    米朝さんが若い人向けに書いた、知的な落語論。

    【引用メモ】
    落語もさきにならべた諸芸(講談や漫談)とおなじく、その演者がお客に話しかけているには違いないのですが、とちゅうで演者が消えてしまうのです。(p.29)

    サゲというものは一種のぶちこわし作業なのです。さまざまのテクニックをつかって本当らしくしゃべり、サゲでどんでん返しをくらわせて「これは嘘ですよ、おどけ話ですよ」という形をとるのが落語なのです。(p.71)

    落語は聞こえたらいいというものではないので、全身がこれ演技です。(p.151)

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著者プロフィール

桂 米朝(かつら・べいちょう)落語家。本名・中川清。1925(大正14)年11月6日、満州大連生まれ、兵庫県姫路市育ち。1943(昭和18)年、作家・寄席文化研究家の正岡容に師事。1947(昭和22)年、四代目桂米団治に入門、三代目桂米朝を名乗る。戦後、衰退の一途にあった上方落語の復興に尽力。途絶えていた数多くの噺を再構成して復活させ、多数の弟子を育て、サンケイホールをはじめ全国各地での独演会を成功・定着させた。上方落語四天王の一人にして中興の祖。文化勲章、重要無形文化財保持者(人間国宝)、文化功労者、紫綬褒章など受章・顕彰多数。著書『米朝上方落語選(正・続)』(立風書房)、『上方落語ノート(1~4集)』(青蛙房)、『桂米朝集成(1~4巻)』(岩波書店)など。

「2013年 『米朝落語全集 増補改訂版 第一巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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