昭和天皇とその時代 (文春文庫 か 9-5)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (493ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167416058

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  • 昭和は激動の時代だったんだと言う認識を改めて感じた。皇室とは皇族とは、どういうものなのかもうっすらと知れた。一冊では、追えない生涯の濃厚さ。

    今も昔も天皇を神格化したい人たちがいるのだということ。特に医療に関してのことは行き過ぎるように感じる。
    それとは反対にもっと大衆に近づきたいと思う皇室の方々。

    宮内庁の人たちも一般から見るとベールに包まれた不可侵の領域に思う。
    皇室という閉ざされた世界で窮屈な生活を垣間見て、これはこれで辛いことだなと思う。

    戦後天皇の戦争責任を求める声と天皇制反対の声がこんなにも大きかったこと。それにも関わらず民衆が皇室を必要と感じていた事。
    それに対する昭和天皇の思いは本当のところどうだったんだろう。
    アジア各国と沖縄のへの思いも含めて。

    皇室のこと天皇制のことを少し理解できた。

    個人的には天皇制があったればこその今の日本があるのだという認識を改めて強く感じた。

  • 僕も歴史好きのせいか、けっこう天皇崇拝論者です(論者ではないか…)。
    今上天皇と皇后の現在の活動など見ているとほんと素晴らしいと思います。
    昭和天皇は子供ながらの記憶しかありませんが、大戦中の在位ということで苦労のレベルが半端なかったと思います。
    そんな時代の話を少しでもわかればと思い読んでみました。

  • 昭和が去って27年。第二次世界対戦を挟んだ激動の時代を国家元首、象徴天皇として生き抜いた昭和天皇の姿が生々しく描かれていて興味深い。
    戦前、戦中の統帥部とのやりとりなどを見ると、意外と気性の激しい方だったようだ。

  • 【分類番号】14-16
    【保管場所】本社工場

  • 昭和天皇の出生から生い立ち、そして崩御されるまでの一生を、過去の様々な資料と取材を元に書かれた1冊。
    現代に至るまでの近代の歴史には色々と関心があるので、昭和天皇の一生は、まさにその時代の象徴とも言えて興味深い。
    だけど、本当に波乱万丈のご一生だよね。
    戦争の時代に関しては、天皇の存在を軍部によって神格化されて、本人の意思とは違う方へと進んでいく事に対する、天皇の焦燥などは、同情に値した。
    立憲君主制の元では、天皇の力って大してない。それでも天皇はよく奮闘したが、結局、やっちゃった者勝ち的な感じで、最前線で軍が勝手なことばかりするので、自体はどんどん悪い方へと進んでいく。
    最終的に、そう決定せざるをえないように仕向けていく連中の老獪さに腹立たしさを覚えた。
    とは言え、最終決定権は結局は天皇にあるので、天皇には罪が無いとは言えない。
    戦後の、GHQによる占領時代の天皇の行動は評価できると思うのだが、占領軍が引き上げた後の、まるで骨を抜かれてしまったような天皇の行動は、一体どうしちゃったの?と思う程であった。
    若い時からの思考や行動の延長線上に当然としてあるだろうと思われる姿勢からなんかズレている感じで、ヨーロッパの王室が国民に親しみやすい近い存在へと変化していくのを、皇室もこうであらねば、と思われていた天皇が、それとは逆行していくように変容してしまったのが、とても疑問に思えた。
    あと、驚くのは宮内庁の実態と、皇室の暮らしぶりである。
    戦後は開かれた皇室を目指すべきだったし、昭和天皇自身もそういう意識を強く持っていたのに、それを阻んできたのは宮内庁や側近達である。
    特に、宮内庁病院のひどさには驚いた。
    天皇にしても皇太后にしても、世間の批判を受けないよう、事実とは違う報道をし、それが外部に漏れないようにと、外科の治療が必要なのに内部の内科で済まさせて、結局、病状が悪化するなど、病人であるご本人達の辛さを思うと、利権に走る連中の酷さには、憤りを覚えた。
    明治末期から昭和の時代が、天皇側の視点でよくわかる一冊だと思う。

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