暗色コメディ (文春文庫 れ-1-14)

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  • 文藝春秋 (2003年6月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784167420147

みんなの感想まとめ

複数の視点から描かれる4人のキャラクターが、病んだ心の中で繰り広げる不思議なエピソードが魅力の作品です。主婦、画家、葬儀屋、外科医という異なる背景を持つ彼らの物語は、幻覚や妄想が絡み合い、ミステリーの...

感想・レビュー・書評

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  • 初めましての作家さん。
    主婦に画家に葬儀屋に外科医。
    4人のエピソードが同時に進行する。
    しかも病んでるから、物の見方とか状況説明とかが普通じゃない。
    中盤くらいまでは、この4人の妄想というか幻覚で
    これってミステリじゃなかったっけ?と思い始めたころに
    精神科を舞台にした4人の患者の妄想と行動が
    整理されてミステリっぽくなった。
    後半に入って、いきなり駆け足状態で
    最後には、そういうことだったのかぁ~って思うんだけど
    イマイチ爽快感に欠ける。

  • 続きは気になったが最後はこうまとまるかーという感じ…。残念ではなかったけど。うぉう!というほどではなく。

  • 不思議なことから始まって不思議に終わる、これはなんと言えばいいだろうか。
    説明に悩むが読んでみると面白いかも。
    是非。

  • 人間てこうやって狂っていくんだなって思いながら読めた。登場人物がみんな狂っていってどうにもならない!って思って読み進めたけど優良なミステリとして終結した。

  • ある作家がめっちゃお勧めしていたので読んだのだけど、眠くなりました。微妙に、私とは合わない文体みたいだ。

    トリックも、なんとなく分かったような分からないようなで、どうもすっきりせず。
    まあでも、こんなんもありなのかなー。

    人間は見たいものしか見ないとか、興味のないものは目に入らないとか、思い込んで見てると都合のいいように現実を捩曲げて見てしまうとか、そんな心理はなんとなく分かります。
    しかし、ここまで他人を操れるもんかね。

  •  序章に綴られる4人の精神を病んだ人々のそれぞれ独立した心象風景。それがすべて同じ精神科病院の患者たちであり、お互いに直接関係はないながら、副院長波島、その元妻で婦長の弘子、波島の助手森河を巡る物語全体の主題に次第に深く関わってゆく。交互に語られる4人の奇異な体験は、理由不明な病的なもののように見えて、その中には推理で説明可能な現実の出来事が散りばめられており、物語の後半でそれが少しずつ明らかになって、ある犯罪の隠蔽のための周到な工作であることが明かされる。精神病者の不安定な独白が読み手にわけのない不安を募らせていくところはうまいが、残念ながら最後にすべてが白日のもと理性的に解明されるとまでは至らない。構成的には限界があるのはしかたないか。犯罪自体が地味なこともあってミステリとしての意外性は今一つだが、曲がりなりにもミステリの体を為すように仕上げた手腕はさすがだ。よくも悪くもこの著者らしい作品。

  • 中学の頃まではキチガイって呼んでた。
    この本に出てくる人たちを。

    今は活字にするにも抵抗があるけど、
    自分の感覚ではそうだから仕方ない。

    今、他の本でこの語彙を思い浮かべるものには出会っていない。
    ていうかなんでその語彙の喪失とともに
    そのような人と関わり合う機会がなくなったのか…
    フシギでしょうがない…
    だから、逆に新鮮でコワカッタ。

    ミステリーなんだと思うんだけど
    これをコメディと呼ぶには
    僕にはちょっと重かったです。

  • タイトルがピタリとくる暗色コメディ。
    一回だと頭がこんがらがってしまって旨みを吸収しきれてない感がある。この先きっと何度か読み返してしまうだろう予感。一筋縄で行かない連城三紀彦に恍惚とした敗北感と共にどっぷりハマる。

  • 2014年9月12日読了。連城三紀彦の長編ミステリデビュー作という。現実と妄想の境がつかなくなる狂気におびえる4人、同じ病院に通う彼らの周囲で奇怪な犯罪が起こり始めるが、真相は・・・。読みながらも足元がぐらつかされるような、「ひょっとして自分も妄想にとらわれているのでは?」と不安になるような文章力が圧倒的、逆に後半でミステリ的に犯人・動機・トリックなどが語られだすと興ざめしてしまう・・・。妻に「あなたは死んだ」と言われ困惑する惣治、妻の言葉が信じられなくなり行き詰る高橋らの姿がゾッとするほど滑稽で哀しい、この物語のタイトルに「暗色コメディ」とつけるセンスもさすがだと思う。より、ミステリとして巧緻なこの人の作品をもっと読んでみたいものだ。

  • 「もう一人の自分と夫が浮気しているところを目撃した主婦」、「飛び込み自殺するも、トラックが自分の体を通り抜けて消えてしまった体験をした画家」、「七日前に交通事故死したと女房に告げられた葬儀屋」、「妻が別人にすり替わったという妄想に取り憑かれた外科医」、奇妙なエピソードが並走し最後は一つに収束します。
    現実ではありえない事象ばかりでまともな解決は期待出来ない雰囲気でしたが、最後はきっちりと合理的に解決されていたので思わず舌を巻きました。
    ただ、ご都合主義的な展開や見え見えの犯人など、突っ込みどころが沢山あるので評価が別れる気がしました。

  • まさにコメディの様な点(事件)と結末へ向かって線へなってゆく驚きと期待。
    題名の良さも相まって期待しすぎたからか少しバタバタした結末に思えた。

  • タイトルが秀逸。あくまで「コメディ」なんです。
    消化不良に思えるラストも、幻想的な雰囲気を壊していないという点で素晴らしいと思います。

  •  楽しみな2作目。夫と逢引しているもう一人の自分・飛び込んだトラックが消えた自殺願望者・すでに死んでいるといわれた葬儀屋・妻が別人になっている外科医という四つのストーリーが進む。これだけで 「どうなるの」 と面白いよね。

     結論から書くと、駄作・傑作ぎりぎりのライン上かな。きわめて細い線でつなげた4つのストーリーは、非常に危うさを感じる。無理ぎりぎりラインかな。それでも、意外な真犯人は健在。一気にどんでん返しするあたりは作者の真骨頂だなぁ。

     もう少し緻密さがあればと思うのは少し贅沢なんだろうか。次の作品も楽しみだ。

  • それは現実にないだろ、と言いたいところを、巧みな伏線で黙らせられてしまう。

  • 初、連城三紀彦。幻想的、不気味な謎と事件が、最終的にロジカルに解決されて行く。その手並みは鮮やか。導入にやや長さを感じるが。他の作品も読まねば。

  • 帰国中に読んだ本。
    読んでいるとちょっと不安になるような不穏さ、不安定さがあるストーリー。関係のなさそうな事態(精神病患者たち)が絡み合って終結する。感情移入はできないけれど、ストーリーはなかなか面白い。

  • もうひとりの自分の存在におびえる人妻
    自分の廻りで世界が消滅していくとうったえる画家
    妻に、あなたは死んでいると断言される葬儀屋
    妻が別人にすり替わってると思いこむ外科医

    一見なんの関係もなさそうな4人の心を病んだ人間たちが
    やがてひとつに。
    浮かび上がる過去の殺人事件

    これは、いったいどうやってひとつにまとめていくんだろうと
    期待しながら読んでたのですが
    肝心のところは、ちょっと肩すかし。
    う~ん、残念

  • もう一人の自分が暗躍し、その影を追い続ける主婦。自分を弾いたはずのトラックを消滅させてしまった画家。妻に、あなたは1週間前に死んだはずだ、と告げられた葬儀屋。気がついたら妻が別人になっていた外科医。4つの奇妙な狂気から浮かびあがる、うつしよの幻想。幻想が、ある焦点へ収束し、一つの形が創られるとき、真犯人の狡知が明らかになる。
     4つの出来事はまさに狂気が生み出したとでも言うべき代物。この小説は序章・第1部・第2部・終章の4部構成ですが、第1部の終わりまでが延々と幻想的な内容で綴られます。その間に、物語の視点は4つの話を転々とし、眩暈がするよう。ここまで奇妙なことが論理的に説明することが出来るのか、と不安になるほど。それが2部と終章で明かされる構図になっています。まったく、不気味悪い小説でした。

  • とにかくもう、好き。

  • 2004年6月17日読了

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著者プロフィール

連城三紀彦
一九四八年愛知県生まれ。早稲田大学卒業。七八年に『変調二人羽織』で「幻影城」新人賞に入選しデビュー。八一年『戻り川心中』で日本推理作家協会賞、八四年『宵待草夜情』で吉川英治文学新人賞、同年『恋文』で直木賞を受賞。九六年には『隠れ菊』で柴田錬三郎賞を受賞。二〇一三年十月死去。一四年、日本ミステリー文学大賞特別賞を受賞。

「2022年 『黒真珠 恋愛推理レアコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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