42人の大正快女伝 断髪のモダンガール (文春文庫 も 15-4)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167421052

作品紹介・あらすじ

大正時代、黒々と伸ばした髪を切ることは、女をやめるに等しい大胆な行為だった。男性社会を力強く生きると高らかに宣言したモダンガールたちは、次々と洋行したり、恋の炎に身を焦がしたり…。望月百合子、ささきふさ、武林文子、野溝七生子ら42人の強欲な「快女」たちの生きかた、愛しかた。

感想・レビュー・書評

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  • あたりまえだけど、何かを為した人も、為さなかった人も、平等に自分の人生があったんだよな……と。

  • 大正時代を生き抜いたそれぞれの逞しさを持った女性たち42人をえがいた列伝。一篇が短いので読み応えがないかと思っていたが読みやすく面白かった!昨今の不倫報道なんて問題にならないくらい彼女たちの恋愛遍歴は波瀾万丈で人間関係が重複していて複雑だ。私が印象に残っているのは武林文子。昔の女性でここまで自堕落ででたらめで快楽主義な生き方とは絶句する。感動したのは川上貞奴最後の恋人、福沢桃介の台詞。「ねえ、僕が川上の世話を焼きすぎるといって心配したり、かれこれいうものがあるけれど、男は女に惚れているに限ると思うのです」

  • かなり前に買って積ん読になっていたけれど、朝ドラ「花子とアン」で大正時代の女性文学者や記者、活動家など最先端の女性たちのことをあらためて知りたくて読み始める。
    ここには村岡花子(断髪しなかったし生涯着物で通したタイプの人なのでしかたないか)や柳原白蓮はあいにくでてこない。でも、「花子とアン」にはでてこないが原案「アンのゆりかご」に登場する人物で、宇野千代、吉屋信子、婦人矯風会のメンバーなど幾人か扱われている。興味深いひとが次から次へとでてきておもしろく、ひとりひとりの紙幅は限られているので、関連本をいろいろ調べたくなる。とりあえずとりかかりとしてはなかなか重宝しそうな一冊。

  • 大正の世の女性たち42人。作者の抱いている感情も含めての紹介なので、エピソードも取捨選択を受けているし、公平とは言い難いのだろうけれど、女性史や地域史などへのとっかかりとして、とても面白かった。ここからさらに、関連するものを読んでいきたいと興味をかきたててもらった。
    これを昭和で編んだとき、誰が選ばれるのだろう。

  • 芥川文がかっこいい。
    夫が一緒に死んでくれないかと頼んだとき、文は「私には三人の子がいます」と断っている。

    伊藤野枝が可愛い。
    写真が。

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著者プロフィール

1954年生まれ。中学生の時に大杉栄や伊藤野枝、林芙美子を知り、アナキズムに関心を持つ。大学卒業後、PR会社、出版社を経て、84年、地域雑誌『谷中・根津・千駄木』を創刊。聞き書きから、記憶を記録に替えてきた。
その中から『谷中スケッチブック』『不思議の町 根津』(ちくま文庫)が生まれ、その後『鷗外の坂』(芸術選奨文部大臣新人賞)、『彰義隊遺聞』(集英社文庫)、『「青鞜」の冒険』(集英社文庫、紫式部文学賞受賞)、『暗い時代の人々』『谷根千のイロハ』『聖子』(亜紀書房)、『子規の音』(新潮文庫)などを送り出している。
近著に『路上のポルトレ』(羽鳥書店)、『しごと放浪記』(集英社インターナショナル)、『京都府案内』(世界思想社)がある。数々の震災復興建築の保存にもかかわってきた。

「2023年 『聞き書き・関東大震災』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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