円朝ざんまい (文春文庫 も 15-5)

著者 :
  • 文藝春秋
3.00
  • (0)
  • (2)
  • (3)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 54
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167421069

作品紹介・あらすじ

江戸末期から明治にかけて三遊亭円朝の高座や速記本は大人気で、坪内逍遙や二葉亭四迷ら多くの文人に影響を与えた。噺家で、かつ取材のために大旅行家であった「落語の神様」の足跡を、作家・森まゆみが辿る。江戸下町、上州、甲斐、北海道と創作の舞台を、ふんだんに織り込まれた円朝の言葉と共にゆく。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 三遊亭円朝の創作した落語を紹介しつつ、その創作の舞台になった土地を訪ねて温泉や食事を楽しむエッセイ。こういう聖地巡礼もあってよい。

  • 就寝前に布団に寝転がりながら読み進めている。
    縁の地を巡りながら、伝わる話を人づてに聞き資料を引用しつつ、時には噺の中へと読者を誘いながら、サラサラっと軽い筆致で円朝の人となりを紹介。細かい章立てで、一つ一つの文章は短くまとめられている。噺家にまつわる本なだけに、寝入りばな、枕にするには丁度良い本。

  • これまで落語って、面白おかしい落ちのある話とばかり思っていた。ところが、この本を読んで、落語って、怪談あり、人情ものあり、歴史物ありで、歌舞伎とも文楽とも共通している話がたくさんあるんだとわかった。

  • 江戸から明治時代の噺言葉に酔いしれました。非常に巧みな言い回しが奥深い。日本語の難しさと趣を味わいつつ、落語のあらすじに舞台となった地理、さらに歴史民俗も学べる名著です

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

1954年生まれ。中学生の時に大杉栄や伊藤野枝、林芙美子を知り、アナキズムに関心を持つ。大学卒業後、PR会社、出版社を経て、84年、地域雑誌『谷中・根津・千駄木』を創刊。聞き書きから、記憶を記録に替えてきた。
その中から『谷中スケッチブック』『不思議の町 根津』(ちくま文庫)が生まれ、その後『鷗外の坂』(芸術選奨文部大臣新人賞)、『彰義隊遺聞』(集英社文庫)、『「青鞜」の冒険』(集英社文庫、紫式部文学賞受賞)、『暗い時代の人々』『谷根千のイロハ』『聖子』(亜紀書房)、『子規の音』(新潮文庫)などを送り出している。
近著に『路上のポルトレ』(羽鳥書店)、『しごと放浪記』(集英社インターナショナル)、『京都府案内』(世界思想社)がある。数々の震災復興建築の保存にもかかわってきた。

「2023年 『聞き書き・関東大震災』 で使われていた紹介文から引用しています。」

森まゆみの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×