続 日本国の研究 (文春文庫 い-17-10)

  • 文藝春秋 (2002年5月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784167431105

みんなの感想まとめ

日本の政治や社会の現状を鋭く分析した一冊で、特に地方自治や既得権益についての考察が光ります。読者は、著者が描く政治の舞台裏や、過去から現在にかけての状況がいかに変わらないかに気づくことで、深い感慨を抱...

感想・レビュー・書評

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  • 時間があれば

  • まあまあ、まあ最初のほうが、ちょっとはいいかな

  • 県立大学が多すぎる。
    天下国家を憂うのも良いが、とりあえずは新聞のチラシに混ざっている区政便りから始めてみる。読めば必ず腹が立つ。
    田中角栄は自民党の金を派閥の金のようにして渡すのがうまかった。

  • 今の東京都副知事の猪瀬さんの著書。ちょっと古いので、事情が今とは違っていて、やっぱりエッセイというのはその時が旬だなということなんだろうけども、それでいて一方で霞が関や虎ノ門の論理というのは今でも生きているんだろうなと思いました。が、単なる「既得権益」だけでない、それなりの理由があるから生き残っているわけで、論理的に崩して行ってほしい次第。
    東京都では外格団体はすべてなくなったのかと問いたい。調べてないからもしかしたらなくなったのかもしれないけれど。。。

  • 「日本国の研究」の続編。
    この国の問題点が明らかになっている。
    ここで指摘している問題点も、
    今なお山積されているものが
    多いと感じてしまうところに、
    この国の行く末を憂いてしまう。


    第一章 <税>の行方
    第二章 迷走する<霞ヶ関>
    第三章 <虎ノ門>の闇 
    第四章 主なき迷宮<永田町>
    第五章 <金融>危機の構造

  • 感想は、まあまあでした。
    誰一人として、本当のことを全部言える人って居ないのですね

  • 「財投資金」百二十六兆円を減税の財源に
     日本道路公団の理事への接待疑惑は、いずれ大きな問題になるだろうと155ページ
    に以下のように説明しておいたはずである。
    「道路公団はほとんどが財投資金で運営されてきた。だがわずかではあるが財投機関債
    (政府保証)を投資家に売り出している。海外で調達する道路債券が一千億円、その引
    き受け主幹事の座を野村謹券と都銀の現地法人が争った。主幹事となれば数億円の利鞘
    が転がり込む。担当の公団理事(大蔵省の天下り)に接待攻勢をかけた」
     道路公団など特殊法人と社団・財団法人など公益法人の問題を解決しなければ、行財
    政改革は成果を上げたことにはならない、というのが『日本国の研究』で得た結論であ
    った。その延長でさらに調査をつづけていると、いま起きていることがほんとうに手に
         み
    取るように視えてしまう。
     橋本首相はあわてて二兆円減税を持ち出したが市場の反応は冷淡だった。赤字国債を
    これ以上増やさないとの姿勢はよいとしても、結果的に九兆円の増税が国民に押しっけ
    られたままになった。行財政改革の配当(税金の無駄遣いの是正など)で、じつは九兆
    円ぐらいすぐに手当てができるはずだった。いまの不況は政策不況と呼ばれているが、
    それは行財政改革を実施したからではなく、実施しなかったからだ。正確に表現すれば、
    非政策不況である。
             *
     国会が始まると野党はいっせいに恒久減税要求を打ち出した。だが財源をどうするか、
    もう少し研究してほしい。単純に赤字国債をあてにするのなら、橋本首相以下になって
    しま,つ。
     特殊法人や公益法人に注ぎ込む税金を絞る、ガソリン税など使途が道路に限定されて
    いる財源の見直し、不必要で曖昧な自動車重量税の廃止ないしは道路特定財源から一般
    財源への移行、取りすぎた自賠青保険(強制保険)の値下げ、空港の売却・民営化など、
    手をつけるところは幾らでもあるのに、橋本行革は族議員の反対で頓挫した。
     それならば奥の手を、と僕は大蔵省の「隠し財産」について示した。大蔵省が管理し
    ている国有地のうちすぐにでも売却可能な土地は帳簿上で八兆円ある。「大蔵省は旧国
    鉄同様に戦前からの遊休地をたくさん持っているのだ。相続税を払えずに物納された土
    地もここに入る。八兆円は簿価なので、含みが同じぐらいとすれば十六兆円」と107
    ページに書いた。
     年末の「朝まで生テレビ」で、日銀出身で金融の専門家でもある塩崎恭久大蔵政務次
    官にこの点について質すと、「たしかに二、三兆円は売却ができるのではないかと個人
    的に検討しているところだ」と答えた。ただし、国会議員のほとんどはそこまで考えた
    ことがない、とも呟いた。新聞も同様である。
     まだある0厚生省所管の年金福祉事業団は、公的年金(厚生年金と国民年金)の積立
    金百二十六兆円のうち、二十四兆円の自主運用を任されてきた。自主運用といっても信
    託銀行などへ丸投げしているにすぎない。その結果、一兆四千億円の赤字を出した。こ
    れは超優良企業トヨタ、NTT、東京電力三社が支払う税金の合計額の約三倍にあたる。
    そんな大金がドブに捨てられたというのにいまだに誰も責任を取っていない。年金福祉
    事業団理事長は厚生省事務次官経験者の天下りポストであり、高額の退職金をもらって
    いる。
     年金福祉事業団は、昨年七月、これまで隠していた運用機関一覧と運用資産残高を初
    めて公表した。一位は住友信託の一兆七千億円、二位は東洋信託の一兆五千五百億円、
    三位は三菱信託の一兆五千億円、以下にその他の信託銀行や生命保険が並ぶ。ちなみに
    日産生命の運用資産残高は二百億円だった。
     接待は道路公団の理事だけではない。運用の多寡をめぐる年金福祉事業団に対する接
    待攻勢については一度も報じられていない。検察庁にやる気があるなら、総会屋問題で
    のガサ入れの際に押収した段ボール箱のなかから水面下の受注競争で使われた接待費の
         し ト .岬胡q郁〕切いたい.
     そもそもこんな余分に浮いた資金があること自体がおかしい、と政治家も学者も新聞
    も、なぜ指摘しないのだろうか。
             *
     だいたい百二十六兆円もの年金をプールする必要性はまったくない。速やかに返却し
    たらよい。
     二百三十六兆円の郵貯は自主的に預金したものだが、年金は任意でなく強制的に徴収
    されたのだから実質的な税金である。強制的に年金を徴収する国と、民間に任せて任意
    加入にしている国がある。前者の場合は通常、ソーシャルクックスと表記されている。
    外国では税金として分類されているのに、日本人はこれを税金と思っていないのだから
    詐術にはめられているのだ。お人好しもいいところである。
     百二十六兆円のうち百兆円余は大蔵省経由で財投資金とされて特殊法人などへ貸付け
    られているからすぐには回収できないが、投機資金として使われている年金福祉事業団
    の自主運用分二十四兆円から毎年五兆円ぐらいずつ戻すことは技術的に可能である。そ
    うすると五兆円減税を五年間つづけられる。
     どうしてこんな単純なことが議論されないのだろうか。不思議な国である。
                                    (98・1・29)


     美術館、コンサートホールの次は「県立大学」
    いったいどういうつもりなのだろう、つくづく日本は大きな政府の社会主義国家なの
    だ、思う。
    いまあちらこちらで県立大学がつくられている。全部がいけないとは言わないが、ほ
    とんどは意味がない。費用は誰が負担するのか。
    大学の許認可は文部省の管轄のはずであった0都道府県は財政面で自治省の縄張りで
    ある0この二つが合流すると公立大挙が生まれる0放っておけば四十七都道府県に、さ
    らには政令指定都市に、国立ならぬ県立、市立の公立大挙がつぎつぎとつくられる。
     こうした自治省主導の公立大学が増えるとどうなるか0自治省、県庁、市役所などの
    天下り先が増える0維持費で地方財政はさらに赤字になる。
     僕の結論を先に示すと以上の通りである。
     しかし新聞報道では、いいことずくめになってしまう。私立大学は学費が高い、地元
    に公立大挙ができれば教育の機会均等が確保できる、というようないかにも戦後民主主
    義の正丁等観丸出しの論理である。大学は義務教育ではないのだから、そこまで配慮する
    必要はない。いまどき大学で熱心に勉強する学生がいたらおめにかかりたい。
     すでにどの県にも国立大学があるし、奨学金をもらって東京の私立大学へ行く方法も
    ある。ほんとうに勉強をしたければ苦学すればよいのである。新聞傑連をしながら大学
    へ通った友人を、僕は幾人も知っている。公立大学だらけになれば\地方の私立大学の
    経営はどうなるのだ。官業が民業を圧迫してよいのか。これから少子化時代を迎えると
    いう矢先、学生の奪い合いになる。
     公立大学は、東京近辺ならば、東京都立大とか横浜市立大とか高崎経済大とか都留文
    科大などが以前からあった。それなりの伝統、歴史的経緯があって存在している。
     ところがこの十年ほどの間に新設された公立大学は、北から順に釧路公立大(87年)、
    青森公立大(92年)、宮城大(96年)、会津大(92年)、前橋工科大(96年)、富山県立大
    (89年)、福井県立大(91年)、滋賀県立大(94年)、奈良県立商科大(89年)、岡山県立大
    (92年)、広島県立大(88年)、広島+叩立大(93年)、福岡県立大(91年)、宮崎公立大(92
                     
    年)などである。知らぬ間に雨後のたけのこのごとく、つぎつぎと誕生した。
     もともと県立の女子大があって男女共学に切り替わった静岡県立大、山口県立大、熊
    本県立大、あるいは短期大学が昇格した長崎県立大、また医療短大や看護短大が昇格し
    て看護大学になったものなどについては特に閏魅にしょうとは思わない。コンピュータ
    専門で圃井利泰芸が外国人教授を大勢集めた鸞県立の会津大、前多摩大学長の野田
    妄が学長に驚、併設の研究所で企業の受託研究をして収益確保を試みる宮城県立の
    宮城大など、それなりのコンセプトがあるものは、まあ許されるぎりぎりのところだろ
    ,つ。
    だが一般的には公立大の新設は、安易なばらまき行政の最たるもの、と考えてよい。
    静岡市に静岡県立大があるのに浜常にはない、だからもうひとつ県西部に別の県立
    大学をつくりたい、と本気になっている0広島では県芙をつくったのに、政令指定都
    市にも必要だ、と霊大ができた0ひとつの県につづけて二つも公芙が彗したので
    ある0宮賛美のほかに仙台霊大設立の動きもあった0秋宗芙、掌県芙、
    新?川?州絹調?報報醐報?媚?媚…?れば:::。
              *
    中央政府には国債という借金がある0地方自治体には地方債がある0これが監にな
    東京都で六兆三千億円、イ、ド       レレ
    旨  敷が束五千億円0オリンピックの長野県は束四千億円∵っぅ
    政令孝定都市の大阪市
    の県ではどうか0青葉、秋田県、山形県、鸞県、栃木県でおよそ八千億円このあ
    らない。
    ン、や韓国の国家予算と蔓同額0大阪府で三兆円、別に
    たりはペルー一国の国家予算とほぼ同じである。宮城県は一兆円、静岡県ぐらいになる
    と一兆四千億円、埼玉県で一兆八千億円=・‥・。
     これらの借金は、年度予算分とおよそ同額にあたる。一般家計でいえば借金額が年収
    分に達したことになる。
     自治省は二月に「地方行革の具体的な取組事例」を発表した。例えば神奈川県では、
    県債発行を十年以内に自主財源の一〇パーセント以内に抑制する、知事部局の職員数を
    十年以内に一〇パーセント、約一千四盲人程度削減、当面五年間は五パーセント削減、
    本庁の部、局、室、課数を当面二年間に一〇パーセント削減、などと決めている。その
    他の県も似たりよったりの目標を設定している。
     だがこんなきれいごとが示されても、新たに県立大学をつくる計画を立てたりし下い
    るのだから、とても信用できない。
     自前できちんと経営できるならよい。だが実術館やコンサートホールと同質の新たな
    ハコものの維持費を、国立大並みの授業料でまかなえるはずがないことはわかり切って
    いる。いずれは不良債権となった雑草だらけの無人のゴルフ場と似た、公立大学という
    名の廃墟が生まれるのだ。そうなっても例のごとく誰も費任を取らない。
     自己章任と小さな政府、という思想がこの国には永久に根づかないのかと思うと情け
    ない。税金の使途についてこれほど無関心な国民はめずらしいのではないか。
                                     (98・4・9)


  • この一冊を読めばニッポンっていうのがどういう国であるかってほとんどワカル。そのニ。 原稿そのものは10年前に書かれている。その内容は、今朝見たニュースまんまである。ということで問題は。虎ノ門に繁殖しているバクテリアのこと。イカン。とりあえずイカン。健全であれ。そう願います。

  • 「日本国の研究」の続編とエッセイ集。

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著者プロフィール

猪瀬直樹
一九四六年長野県生まれ。作家。八七年『ミカドの肖像』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。九六年『日本国の研究』で文藝春秋読者賞受賞。東京大学客員教授、東京工業大学特任教授を歴任。二〇〇二年、小泉首相より道路公団民営化委員に任命される。〇七年、東京都副知事に任命される。一二年、東京都知事に就任。一三年、辞任。一五年、大阪府・市特別顧問就任。主な著書に『天皇の影法師』『昭和16年夏の敗戦』『黒船の世紀』『ペルソナ 三島由紀夫伝』『ピカレスク 太宰治伝』のほか、『日本の近代 猪瀬直樹著作集』(全一二巻、電子版全一六巻)がある。近著に『日本国・不安の研究』『昭和23年冬の暗号』など。二〇二二年から参議院議員。

「2023年 『太陽の男 石原慎太郎伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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