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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784167434212
感想・レビュー・書評
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色々な人のエッセイを読めて楽しい。面白いもの、ためになるのもあるし、つまらないもの、おかしなことが書いてあるものもある。面白いものの例は、田辺聖子の文章は読んだことがなかったのだけど、このエッセイを読んで絶対に読もうと思った。他に面白かったのは、山藤章二、パラダイス山本、長野智子、藤原正彦といった人たち。要するに、面白いもの、心温まるものは多かった。ためになったものは、たなぞうとも関係することで、鹿島茂というフランス文学者による読書日記の話。「読書日記をつけたいから読書をするという倒錯」は誰でも起こすものなんですね。伏木亨という京大教授の書いた「おいしさ」についての文章には知的好奇心をかなりそそられます。自分の研究していることを、こういう読みやすい文章で書けることは大切だと思います。つまらないものの例を挙げる必要はないでしょう。おかしなことというのは、サンプラザ中野がラマダーンを断食のことだと思い込んでいることとか。でもこれは単なる知識の不確かさだから良いのだけど(文藝春秋の人も気づけよとは思うけど)、例えば平岩弓枝という作家らしき人のもの。この人は、一昔前の日本語を冷凍保存したいらしい。この人は言語というものを全く分かっていないのではないか。生きている言語は人に使われ、人に使われる言語は絶えず変化する。「ゲットする」という、多分ポケモンの影響の大きい外来語がお気に召さぬようだが、斯様にも便利な漢字だって外から来たものなのにね。同じく日本語について書かれていても、杉山平一という詩人によるものはなるほど、と思うことがいくつかあった。ただこの人も、外国語は動詞が先、日本語はあと、みたいな対比をするのはちょっと安易じゃないの、と。確かに日本において、外国語と言われて思い浮かぶものの筆頭に来る英語は、所謂SVO型ですけど、別に外国語というのはSVOばかりではなく、日本語のようなSOVも多いし、Sが最初じゃないのだってあるし、膠着語で、特にラテン語なんかはもはや語順を気にしないし。それにしても、様々な人の文章が、様々なところから集められている。「医家芸術」なんていうのがあるのは初めて知ったし、「水晶デバイス」なんていうのからは、誰がひっぱって来たんだろう。◆◇関連リンク◇◆97年版 http://review.webdoku.jp/note/4390/15225/1?id=187748
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