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Amazon.co.jp ・本 (480ページ) / ISBN・EAN: 9784167447083
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
裏社会の抗争と芸術界の権力争いを描いたこの作品は、リアリティあふれるストーリー展開が魅力です。大阪を舞台に、主人公とその相方の関西弁での絶妙な会話が物語を引き立て、読者を惹きつけます。美術界の内幕、特...
感想・レビュー・書評
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冒頭───
大阪難波、淀屋デパートに着いたのは十時五分前だった。タクシーを降りて新館に向かう。玄関前には七、八人の女性客が並んでいた。待っているはずの美術部長の姿が見あたらない。
「どうしたんや、伊谷は。おらんやないか」
腕の時計に眼をやって、いらだたしげに室生がいう。
「おかしいですね。十分前には新館の前にいるというたんですけど」
大村は室生のそばを離れた。小走りで『虹の街』のほうへ行く。カフェテリアの向かいにもう一カ所、淀屋の入り口があったが、そこにも伊谷はいなかった。
黒川博行の作品は特徴がいくつかある。
一、 常に関西が舞台である
二、 主人公と連れ添う相方が存在し、二人を中心に話が展開する
三、 相方との関西弁での会話が絶妙、或いは相方への秘めた心理描写が面白い
四、 可愛い女性が良いキャラを演じている
私がこれまで読んだ作品は全てこれに当てはまった。
この四つが絡まり合って、とにかく読んでいて楽しい。
この作品は美術界の内幕、芸術院会員になるための派閥争いや贈収賄などの裏抗争を描いている。
といっても、これがそのまま現実のことではないだろうが。
でも、清廉潔白に見える芸術分野が、権威や権力を勝ち取るために、裏では金や生臭い争いにまみれているという、いかにもありそうな話になっている。
ここまで過激ではないかもしれないが、これに近い状況がないとは言えないのだろう。
私の知りあい(というにはおこがましいが、年齢がかなり上の方なので)が、天下の東京G大の学長に就任したとき、派閥の戦いがあったという噂を耳にした。
この話のように実弾までは飛び交ってないだろうが。
それでも、この作品内での魑魅魍魎が跋扈するどろどろした抗争は、政治家なども絡まって妙に現実感がある。
最後の落ちも、ある程度予想されたこととはいえ、見事だ。
黒川博行の筆の達者さと言うべきか。
ラストの大村の呟き、
「おれは絵描きやな」
「おれは絵描きやろ」
「絵描きは絵を描かんとあかん」
という台詞は、絵描きは名誉や権力を得るための政治屋ではなく、純粋に絵を描くことにのみ研鑽すべきだという警鐘なのだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ワンテーマでよくこんな長い話を書けると思う。ノンフィクションかと思うほどのリアリティ。
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芸術院会員選挙をめぐる日本画壇の話。
芸術院会員になることは、最高の権力と名誉を手にすることであり、次は文化功労者、文化勲章に繋がっていく。
芸術院会員は、欠員が生じると現会員の選挙によって決ま。そこでは莫大な金が動くという。
芸術院会員を座を切望する日本画家の室生は、選挙参謀に老舗の画商をつけて、億の金を使い、あらゆる手段を講じて選挙戦に挑む。
画商、百貨店の美術部長、政治家などが絡み合い、選挙はヒートアップしていく。
面白かった!!
なりふり構わぬ室生の姿がいじましく、勝ってほしいと思いながら読んだ。 -
人やら何とか会やら言葉がいっぱい出てきて全然覚えられなかったので何となくで読み進めたけど、それでも面白かった。
派手な展開はないけど絵描きたちの駆け引きがリアルに書かれてて、気がついたら読み終わってたって感じで、別にスッキリする終わり方じゃなかったけど、なんか好きだったな。 -
☆3.5
登場人物と絵画のグループが複雑でメモしないと整理がつかない
絵を描いて売るって大変
絵を描く者にとって、裏工作に金と時間を費やすのは本来のしたいことではないのだろうけど、売るためには必要ってすごい世界
金額もすごい
バイオレンスじゃないけどダーティだった -
最初の50ページほどで読むのを諦めた。
時間を経て、再度チャレンジするかも、いやしないかも。 -
古本屋で手に取る。
京都を舞台に日本芸術院の会員選挙を巡る話。
室生晃人は鹿児島から身一つで京都に出て、必死に絵を書き成り上がってきた。
今回二度目の挑戦となる芸術院会員選挙。画廊の会長を参謀につけ、金まみれの選挙戦が始まる。
弟子の大村、大村の愛人、対抗馬などキャラが濃い人がたくさん出てきてページが進む。 -
登場人物多すぎ!
・・・って読み始めてまず思ったこの作品の感想だが、
読み進めていくと複雑に絡み合うこの登場人物たちが面白い。
出世欲に駆られた主人公、その腰巾着の画家、実弾(現金)を受け取って一票を投じる芸術家etc・・・
どいつもこいつもクズばっか。
画家なら絵描いてろよ!って言いたくなる。
バイオレンスばかりだけでなく、自分が知らないような美術界の裏事情も作品にできる黒川氏に改めて敬服。 -
日本最大の総合美術展「邦展」(もちろん、モデルは日展)と日本芸術院会員選挙をめぐる収賄、不正審査などを描いて、日展の暗部を世に知らしめた小説。連載は 2003年、単行本は 2004年、そして日展に出品する人ならば誰もが知るこの慣行を、鬼の首でも取ったように朝日新聞が「スクープ」するのが 2013年。小説には、暗部を描く力はあっても、世の中を変えるにはジャーナリズムの力が必要ということか。もっとも、疫病神シリーズなどと比べると筆の勢いも今一で、小説としてだけ読むと、たいして面白い作品でもない。
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内容(「BOOK」データベースより)
芸術院会員の座を狙う日本画家の室生は、選挙の投票権を持つ現会員らに対し、露骨な接待攻勢に出る。一方ライバルの稲山は、周囲の期待に応えるために不本意ながら選挙戦に身を投じる。会員の座を射止めるのは果たしてどちらか。金と名誉にまみれ、派閥抗争の巣と化した“伏魔殿”、日本画壇の暗部を描く。 -
面白かった。登場人物のほとんどが高齢で欲深い。
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内容紹介
芸術院の会員の座を狙う日本画家の室生は、選挙の投票権を持つ現会員らに対し、露骨な接待攻勢に出る。いっぽう、ライバルの稲山は、周囲の期待に応えるために不本意ながら選挙戦に身を投じる。会員の座を射止めるのは果たしてどちらなのか。金と名誉にまみれ、派閥抗争の巣と化した“伏魔殿”日本画壇の清と濁を描き、その現実の姿に迫った問題作。
内容(「BOOK」データベースより)
次期補充選挙で芸術院会員の座を狙う日本画家の室生晃人は、対抗馬の稲山健児とともに、現会員らへの接待攻勢に打って出る。師のために奔走する中堅画家や、振り回される家族たち…。絵に魅入られ、美の世界に足を踏み入れながら、名誉のためには手段を選ばない派閥抗争の巣と化した伏魔殿―。美術界の清と濁、画壇の現実に迫った問題作。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
黒川博行
1949年、愛媛県生まれ。京都市立芸術大学卒業後、高校で美術を教え、86年、『キャッツアイころがった』で第四回サントリーミステリー大賞を受賞し、作家活動に入る。96年、『カウント・プラン』で第四十九回日本推理作家協会賞受賞。大阪を主舞台にした軽妙な語り口の中に、産廃問題や北朝鮮関連などの社会的テーマを取り込んだ独自の小説世界を持つ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) -
面白かった。先が読みたくて一気に読んだ。
日本芸術院。日本画家。
芸術の世界はこんな感じなのか。
…にしても、黒川博行氏の作品はどれもおもしろい。今一番好きな作家だ!2017.01.15 -
金持ちでない奴が金を持つと次は名誉が欲しくなる。
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日本画の勉強にもなるかと思い読み始めた。
が、どろどろとした汚い世界の連続。
伏魔殿をあえて書くにはなんらかの理由があるのだろが、なんだか事実のように思えてきてやるせなくなる。 -
黒川さんの本はどれも最高で甲乙つけがたいが、
中でもこれがベストワン候補の一つ。
画家の先生達が個性的で面白い。
文化勲章などがニュースなどで流れるたびに
この本のことを思い出してニヤけてしまう。 -
面白かった。出張の帰り道と家に帰ってきてから読む。飛行機で寝られなかった。ラストは予想できたがいつもながらひどい奴しか出てこない。芸術院会員から訴えられるようなひどい話。しかしボーっと口をあけて待っているだけでは地位も名誉も転がり込んでこないのはその通り。
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芸術院会員の座を狙うふたりの日本画家。
選挙の投票権を持つ現会員への猛烈な接待攻勢。
はたして勝つのはどちらか・・・
魑魅魍魎が闊歩する芸術界の深部を暴く問題作。
展覧会で入賞するのもコネと金
ひとつ段階をあがるたびにコネと金
芸術院会員になるためには1億からの資金・・・
これ、すごいリアルなんだけど、現実もこんなのかなあ -
日本美術界を舞台に、人によって選れ、お金の動きの流れを大きく変える力を持っている『賞』というものの、価値を問う意欲作。
さすが、丹念な取材に基づき書かれているので、説得力がある。 又、芸術院会員の座を狙う、二人の主人公についての設定もリアリティーが感じられる。
私は、美術には疎いが、近年の文学賞受賞履歴を見ていると、規模や、
方法の違いはあるものの、文学賞でも、『作品の価値』以外の事象により、受賞を決められているのでは、との疑問が浮かんだ。
本来なら、とっくに『賞』取っていても不思議でない作家の名が、候補にすら、挙がらない日本の主要文学賞には、かなり前から疑問を感じていたが、本書を読んで、『賞』というものの本質を理解出来たように感じた。
フランスのゴンクール賞も、あまり納得できない作品が受賞する事もあるが、第1候補で選出された10冊以上の作品を、再三選考を繰り返し、少づつ候補作を絞って行き、最後に残った数冊から受賞作を選ぶという方式なので、まだ、直木賞、芥川賞に比べるとマシという気もする。
ゴンクール賞の最終選考はおろか、第2選考にも残らなかった作品が選ばれる事のある、高校生が選ぶゴンクール賞のほうが、ゴンクールより面白い事が多いのも、興味深い。
著者プロフィール
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