十津川警部の抵抗 (文春文庫 に 3-33)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167454333

感想・レビュー・書評

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  • 2022/09/04 114読了

  • 複雑で上手い構成ながら、すっきりとまとめた1冊だったと思います。

    「真犯人を見つけだし、有罪判決を受けた男の無罪を証明出来たら報酬1千万」という、なんとも胡散臭い依頼場面から始まる事件。

    捜査を進めるほどに被害者が増えていき、事件の全体像がはっきり見えないのが憎い演出。
    一体何を追っているのか混乱しそうになりますが、途中で何度も十津川警部が事件をまとめてくれるのが丁寧で分かりやすい。

    最初の事件から遠ざかっていくようでどこに終着するのかと不安になりましたが、1周廻って最初の事件と繋がるような構成の上手さが見事です。

    刑事くずれの探偵・橋本が動き回る前半もハードボイルドな感じで楽しい。

    それにしてもタイトルが良くないと思いました。
    「抵抗」とは上司の圧力に対してだと思いますが、十津川警部は抵抗というよりはさらっと受け流しているだけのように思います。
    もっとひどい捜査妨害に対して決死に挑んでいくのかと思いました。

  • 十津川警部の元部下で、探偵をしている橋本が逮捕された。
    東京で起きた殺人事件とも関係があるかもしれないと、調査をする。

    探偵は、ある人間の無実の証明をしてほしいとの依頼だった。
    依頼主が殺された、犯人にされてしまった。

    十津川警部の人格は、世間の警察官への見方とは異なり、人間性があるとともに、透明感のある性格だ。

    事件は複雑で、最初には分からないところが、順番に解きほぐされて行く。

    無実であると分かった後について描写していないのも推理小説風なのかもしれない。

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著者プロフィール

一九三〇(昭和五)年、東京生れ。鉄道ミステリ、トラベルミステリの立役者で、二〇二二年に亡くなるまで六〇〇冊以上の書籍が刊行されている。オール讀物推理小説新人賞、江戸川乱歩賞、日本推理作家協会賞など、数多くの賞を受賞。

「2022年 『十津川警部と七枚の切符』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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