遠野伝説殺人事件 (文春文庫 に 3-36)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167454364

作品紹介・あらすじ

早池峰山、カッパ淵、曲り家…。岩手県遠野市の里山を散策する悠々自適の退職者に見えた被害者の足どりは、一体何を意味するのか。奥軽井沢にあるM研究所のHPの掲示板に残された批判のメッセージとは。次々と起きる殺人を被害者の娘は食い止めることができるのか。現代医学の闇を衝いた十津川警部シリーズの傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 母親が漢方薬の副作用で無くなったのは可哀想だけど、どんな薬でも副作用はあるのは当たり前の事だし、それを理由に人を殺そうとするのは少し違うんでは?と思って、犯人には同情出来なかった。

  • 遠野の民話自体はそんなに関係なかったが、
    民話から漢方薬を考える発想は面白かった。

  • 製薬会社で新薬の開発に執心していた一社員が、作った薬の副作用で死者を出してしまったことに責任を感じて退社。
    その後彼は、各地を放浪するという悠々自適な生活を送っていた。
    遠野は彼が最も足繁く通った地であり、重要文化財に登録されている花やカッパが棲息すると言い伝えられている川がある。
    彼はその花を胴乱に入れて持ち帰ったり、川の泥を掬ったりと奇怪な行動を取っていた。
    そんな彼だったが、ある日何者かによって殺害されてしまう。
    彼が殺害された理由とは?
    そして彼の行動に隠された真実とは?

  • 岩手県の深遠なる物語の世界、遠野が舞台にもなる殺人。
    殺されたのは東京の隠居した元製薬会社員で、殺されたのも東京。
    しかし遠野に固執していたと聞くや否や、十津川は遠野と勤め先の製薬会社の関係を探る。

    もっと遠野の良さが見えてもよかった。きっかけくらいにしかなっていなかったので、その点は残念。最後の殺された元会社員の娘の犯人への同情が光る。

  • 製薬会社の元・研究室長が新宿のマンションで殺される。
    十津川警部が遠野での出来事が事件に関係すると動き出す。
    登場人物の心の動きを上手く描いている作品だと感じた。
    また思っていた結末との違いにも少々驚いた。
    ストーリー的にも納得のできる作品であった。

  • 西村の作品では、地方の文化の記述が薄いことがある。

    本書は、「遠野伝説」というだけあって、遠野地方の具体的な描写が多い。

    花巻からタクシーで遠野に向かう。
    早池峰山に登って高山植物を摘み取って胴乱に納める。
    早池峰神社の山門、参道のそばを登山道が伸びている。
    福泉寺
    遠野地方では、馬を飼っていた名残が曲がり家。
    人間が住む家と馬を飼う部分が90度曲げて作られる。
    馬と長者の娘の話。
    馬の皮を抱きしめていると、みるみる天に登っていった。
    豆腐とコンニャク。
    道の駅。
    カッパ淵。銅像、祠。

    これだけ記述があるのはめずらしい。

    話は、漢方薬を作るのに投じたお金がどこへ行ったか不明で、納得がいかないが、西村京太郎の興味の範囲外なのだろう。残念。

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著者プロフィール

一九三〇(昭和五)年、東京生れ。鉄道ミステリ、トラベルミステリの立役者で、二〇二二年に亡くなるまで六〇〇冊以上の書籍が刊行されている。オール讀物推理小説新人賞、江戸川乱歩賞、日本推理作家協会賞など、数多くの賞を受賞。

「2022年 『十津川警部と七枚の切符』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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