下流の宴 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2013年1月4日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (512ページ) / ISBN・EAN: 9784167476403

作品紹介・あらすじ

うちは「下流」の家庭になるの!? ベストセラー文庫化

中流家庭の主婦・由美子の悩みは、高校中退した息子が連れてきた「下品な」娘。現代の格差と人間模様を赤裸々に描ききった傑作長編。

みんなの感想まとめ

現代の格差社会を背景に、主婦・由美子とその息子・翔の葛藤を描いた物語は、親子の関係や時代の変化に対する鋭い考察を提供します。由美子は、息子の結婚相手が自分の価値観と合わないことから反対し、家庭の「下流...

感想・レビュー・書評

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  • 小説だからある程度デフォルメされてるのはあるとしても
    この小説に出てくるいい意味での成り上がりの
    高卒の女性のサクセスストーリーは憧れてしまう。

    以下本筋とは違う個人的な感想です。
    良く言うのが、有言実行してみると
    周囲に助けてもらえるという話。
    確かに、気になることがあったら
    小さく始めてみると、
    少し道が開ける感じはあるかも。
    ほんとに些細なことでも。

    大人になってしまうと
    実際にはなかなかこれやりたい!って
    正直に言えないシーンも多いと思います。
    憧れるなぁって思いながら
    読んでました。

  • この小説では、2つの世界が交互に描かれる。

    1つが「福原家」。自称、中流家庭。教育ママの由美子を中心にして、ちょっとズレたところがある人たち。貧困層に対して「あの人たちは私たちとは違う」などと発言したり、とんでもない言説がまかり通っている。

    そしてもう1つが「宮城家」。沖縄の離島にルーツを持つ一族。いわゆる「温かい人たち」的な描かれ方。

    福原家の長男である「翔」は高校を中退してフリーターをしていた。親との喧嘩で家を飛び出した彼は、宮城家の長女である「珠緒」と交際をスタートして同棲を始める。

    珠緒はまぁ善人で努力家なのだけど、由美子からの評価は散々なもの。由美子は自分たちの祖先は医者であり、特別なのだと力説。珠緒のような女性が翔と同棲し、あまつさえ結婚しようなどとは笑止千万。そんな態度。

    それに対して、珠緒は「自分も医者になる」と啖呵を切る。

    そんなストーリー。当然、福原家が悪、宮城家が善のような描き方がされる。やや露骨すぎる描写が多いものの、そのデフォルメ化は勧善懲悪としてはまぁアリかな。

    夢中になって500ページを一気に読んでしまった。

    (ネタバレを含む書評全文に関しては、書評ブログの方を宜しくお願いします)
    https://www.everyday-book-reviews.com/entry/%E5%A6%84%E4%BF%A1%E3%81%93%E3%81%9D%E8%B2%A7%E5%9B%B0_%E4%B8%8B%E6%B5%81%E3%81%AE%E5%AE%B4_%E6%9E%97%E7%9C%9F%E7%90%86%E5%AD%90

  • 2009年に毎日新聞で連載されていた小説。
    2011年にNHK でテレビドラマ化。


    思いがけず育児本だった。
    由美子(47)を反面教師としたいところだが、わたしの母が由美子に通ずるところがあるのを思うと、なかなか複雑な気分。

    由美子が息子・翔(20)の結婚に反対するところから始まるのだが、相手の家庭が格下(由美子比)なことが反対の理由なのがいただけない。
    自分の息子が中卒でフリーターで自立してないことのほうが大問題でしょうに。

    しかし自分の子どもがフリーターになりたいなどと言い出したら、わたしならどうするだろう。
    全力で干渉するか、引きこもらないだけマシだと思って放っておくか。
    ブレるのがよくないきがする。
    そういえば、林真理子さんは8050問題も小説にされていたな。
    後学のために読んでおこうかな。

    ラストで、息子が自分のことを「ダメ人間」と明朗に分析しだしたのには驚いた。
    感心するほど自分の気持ちを的確に言語化できているのに、内容が「ダメ人間でありたい」なのだから、もうどうしようもない。
    いくら顔がよくても、これはダメ。

  • 20歳。高校中退の息子がフリーター娘と結婚すると言い出した。
    「うちが下流に落ちてしまう」
    恐怖に支配されるは、東京の中流家庭で主婦をしている母親。

    一方、馬鹿にされたフリーター娘、
    馬鹿にされるに耐え切れずこう宣言。
    医者の娘っていうことでそんなにえらいんなら・・・
    「私が医者になります」

    人物描写が絶妙。最高のエンターテイメントでした。
    私はきっと、母由美子と、息子翔の間の世代。
    まるで違うこの二つの世代の感覚が、どちらもわかるような気がします。

    本当に上流の人は、下なんて見ない。
    中流が当たり前だった時代がおわり、上にいくか、下にいくか、格差が広がる今だからこそ、この小説は生々しい。そして、痛いところをついてくる。

    親はきっと、そんなすごいことを望むわけじゃない、普通の幸せを手に入れてくれたら、そう思うでしょう。
    ところが今、就職するのも、車を買うのも、結婚式をあげるのも、「普通」のことではなくなっている。それに気付かない親世代は、案外多い。
    そして、子育ての失敗で悩む親も少なくないと聞く。
    でもそんな親世代に言ってあげたい。これは「時代」なんだと。

    努力すればそれだけ選択肢が広がる。
    いつの時代も定理でしょう。ただし、努力するにはモチベーションが必要だ。
    ~したい、~になりたい、~が欲しい。
    あるいは、それがポジティブなものではなく、「見返したい」なんていうものでも、自分のためではなく、「親に楽をさせたい」なんていうものでもいい。
    人は、動機なしには頑張り続けられない生きものなんだと思います。

    のびしろの少ない時代は生きにくい。それでも、希望がないわけではない。
    希望は、人との関わりから生まれるものなんだと思います。
    全力でその人を応援してくれる人がどれだけいるか、でその人の可能性は変わってくるようにも思います。
    ただし、最後に変えるのは自分。努力をするのも自分。

    痛々しいけれど、すかっとする。時代を描いだ良本でした。

  • 今話題の日大理事長の作品を初めて読んだ。面白かった!
    医者を目指す珠緒を応援したくなる。金持ちの男を探す姉の可奈の話しも面白かった。

  • 星3.5かなぁ。
    前にドラマで見ていて あんまり好きじゃなかったから なんとなく読む気になれなくてずっと放って置いたけど やっと読みました。
    ドラマ見たときも思ったけど 話はきっと面白いと思うんだけど 誰にも感情移入できなくて あんまり引き込まれなかったかなぁ。
    ドラマでも小説でも 唯一好きと思えるのは珠緒のお母さん。ところどころに出てくるこのお母さんの言ってることは ほんと的確 笑。

  • 努力する事で新たな扉を開けられることを教えてくれる本。
    最終的に同じ道に進んでいても、自分が選んでるか、選んでないかで大きな違いがある。
    道は切り開くものではないかと思わせてくれる。
    今は私は与えられた場所にいるけれど、自分で努力して切り開きたい。誰にも依存せず、頼らず、自分の価値観で生きたい。
    すらすらと読めて、疲れているときにおすすめの本。

  • なんか身につまされる小説だったな。とにかく老後の人生、限りある日々を楽しく生き抜くぞ!

  • 面白かった。由美子がそのまんまウチの母とそっくりだった。珠緒の母や由美子の夫の発言がしっくりきた。福原家の続きが気になる。

  • 人間観察力に優れた林真理子さんの持ち味が活かされた本です。
    ルンルンを買って‥からそこは本当に変わらないなと感じました。
    一昔前の皆が中流だと思っていた時代も様変わりして多様性の時代となりました。昭和どっぷりの私には違和感多く感じるこの頃ですが、
    今の林真理子さんはどんな本を書くのかなぁ〜
    立場上、本心なんて書けないだろうなぁなど全く関係ない想像までして読み終えました。

  • 林真理子さんらしく、心の裏側をリアルに描いたお話で、学歴信仰、エリート志向という親の志向とは逆に転げ落ちていく子どもたちのお話でした。誰の心にも眠っていそうな気持ちを言葉にすると、こんなにダークな黒い欲望になるんだな、と思わされました。そんな気持ちに向き合う機会にもなりましたが、救いのない話に閉塞感も感じ、、。
    自分は子どもとどう向き合うのか?理想を言って夢を見ていられるのは子どもが小さいうち?
    いやいや、やっぱり理想は持ち続けたい。ただそれは親の理想の人生を押し付けることではなく、子どもの生きる力を信じて、可能性も信じて、子どもの選ぶ人生を支えらる親でいたいと思いました。
    リアリティは日々、試行錯誤ですけれどね!

  • 面白かった!!

  • Audibleで読了。賛否両論いろいろありますが、私は面白かったです。さすが、林真理子という感じで、軽快な文章で最後まで一気に聞くことができました。

    私も子育てしてるので、反面教師にも感じます。

  • うーん微妙!!

  • 自分の幸せの基準を外に求めて、自分自身の「好き」と全く向き合わない、母親と娘。苦しそうですね。

  • 自分が思春期の親になってみてわかる、子供と自分は別人格ということ。
    自分の思うようには子はならない。
    我が家の場合、勉強しなくても、歯を磨かなくても、部活を辞めてしまっても。
    自分の価値観を振り返ることをせず、見栄っ張りな自分を自覚出来ず、子供を変えようとすると、親子関係は恐ろしいことになるのですね。
    諦めと自分の人生を生きること、が大切。

    あと、サラリとでてきた、夫婦仲が良ければ、子供は間違って育たない、はグサリときました。

  •  自分が上流であると思う主人公の母。決して努力をしないその息子。収入の高い相手との結婚のみを目指す娘。
     
     主人公である母親は息子の彼女を叱責してしまう。「あんたのような下流の家の出の娘はうちの息子にはふさわしくない。ウチは代々医者の家系」

     息子の彼女は努力の末医大への合格を果たす。しかし、息子は、「がんばった君に僕はふさわしくない」と別れを告げる。

     外資系金融機関勤務の男と結婚を果たすが、その男はうつ病を患い、実家に帰ってしまう。乳児を連れて娘は母親のもとに戻る。そして医大合格した交際相手と別れた息子は、マンガ喫茶の店員の給与では自活できず、彼も母親の元に戻る。

     下流から出ない若者。上昇志向のある若者。上流とは?下流とは?

     「私は何を間違えたのでしょうか」と母親が祖母に書く手紙で終わる。

  • 多分、発行直後に読み、再読。

    東京の中流家庭としての誇りを持つ由美子。
    高校中退の息子、翔がフリーターの珠緒と結婚すると言ったことで、自分が下流に落ちてしまう、と恐怖を覚える。
    そこで、断固阻止を決意する。
    ずっと由美子に馬鹿にされ続けた珠緒は、私が医者になれば、結婚を認めるか?と啖呵を切り受験勉強を始める。

    中流は、決して上流になれない。
    下流を蔑むことで、プライドを満足させる。
    なんて話だ!と思って読んだのは、発行直後の2010年。
    その時と、12年経過した今では、同じ本を読んでいるのか、と思うほど自分の感じ方が違う。

    幼い時から、母親の価値観が全という世界で育ち、中学受験をして高校に進学した頃から、反抗することで自分を見つめ直す翔。
    今時の、と言っても2010年の若者の、ずっとフリーターで何が悪い?
    この考え方は2022年の今も、ますます増長して受け継がれていると思う。コロナで成人式が無くなった、2000年産まれ、あんなにミレニアムベビーと騒がれた子どもの20年後。
    子どもは産まれたときから不況で、私自身は決して裕福だった生活とは思えないが、子どもは、私を恵まれた生活を送ってた、という…

    気の毒なことに、高校中退した翔には見本となるモデルがいなかった。中流家庭の自分たち家族はいかに立派か、由美子の父親は、医者だった(からエライ)その感覚は今の子には伝わらない。
    翔の父親は、なんか頼りにならない。早稲田理工学部出身でも。
    翔の姉の可奈は、対照的で、最後の大学でブランド女子大を選び、卒業後も正社員で決まっていたところがダサいという理由で断り、ハケンで華やかな商社に勤める。
    そこで、自分で稼ぐではなく、稼ぐ夫を探す。
    大変な努力により、きちんとそんな夫を確保する、しかもデキ婚で。
    周りを正しい高収入の暮らしで固めたら、幸せになると疑いもしなかった。それがあっという間に崩れ去る。
    いやらしいけど、読者としては、ざまあみろと思う。

    翔の好きだった珠緒は、受験勉強の二年間で、離れた存在になってしまう。ここに格差が生まれるが、努力に努力を積み重ねた珠緒は、これからの人生に目的が見えてきた。
    翔は変わらないから、その場に立ち止まってしまう。

    世の中や男性をナメてきた可奈の将来も気になる。
    シングルマザーとして再起するか、夫を回復させ尻を叩いて、もう一度セレブとして返り咲くのか。

    林真理子の小説で面白いのは、とにかく学歴フィルター、家系フィルター、ものすごくはっきり分かりやすく描かれているところ。
    そしてバブルっぽい描写も素晴らしい。
    話し方も…ッ、というのは、ほぼどの本でも健在。

    多分、また10年経って読んだら、また違う感想を抱きそう。また読みたい本です。自分への戒めとしても。

  • やっぱり、めっちゃ面白い。中学生くらいの時から、何故か唯一何回も読み返している本。
    やっぱり林真理子さんの描く、"どこにでもいそうな嫌な女"像が大好物だし、何度読んでもおもしろい。
    最終的なストーリーの展開も、ああこうなるのか…と有無を言わせないラストにむずむずするような、スッキリするような。教訓として考えさせられるところもあり、人間の醜い感情に考えさせられるところもあり、という感じ

  • 途中でやめたので評価しません。

    好みではありません。
    前半部分のみですが、人を上流と下流で分けて見る母親と娘の愚痴を永遠読まされてる感じでつまらなかったので。


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著者プロフィール

1954年山梨県生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、コピーライターとして活躍する。1982年、エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』を刊行し、ベストセラーとなる。86年『最終便に間に合えば』『京都まで』で「直木賞」を受賞。95年『白蓮れんれん』で「柴田錬三郎賞」、98年『みんなの秘密』で「吉川英治文学賞」、13年『アスクレピオスの愛人』で「島清恋愛文学賞」を受賞する。18年『西郷どん!』がNHK大河ドラマ原作となり、同年「紫綬褒章」を受章する。その他著書に、『葡萄が目にしみる』『不機嫌な果実』『美女入門』『下流の宴』『野心のすすめ』『愉楽にて』『小説8050』『李王家の縁談』『奇跡』等がある。

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