上高地の切り裂きジャック (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2006年11月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784167480059

みんなの感想まとめ

多様な短編から成るこの作品は、特に「山手の幽霊」が印象的で、読者の心に深く残ります。物語は、現実離れした冒険と推理が織り交ぜられた内容で、テンポ良く読み進められるのが魅力です。登場人物たちの個性は際立...

感想・レビュー・書評

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  • 本作は「上高地の切り裂きジャック」と「山手の幽霊」の2つの中編で構成された作品集。

    まず本作は「上高地の切り裂きジャック」と「山手の幽霊」の2つの中編で構成された作品集。
    まず「上高地の切り裂きジャック」は2000年の頃に石岡が解き明かした事件の話。

    次の「山手の幽霊」はまだ御手洗が日本にいた1990年の頃の話。

    この二つの怪奇譚に御手洗の推理が冴える。

    「上高地の~」はスピンオフ作品「ハリウッド~」の創作中に生まれた副産物のような感じだ(あれほどグロテスクではないが)。
    題名の「切り裂きジャック」から連想される残酷なイメージとは違って事件は単発、しかもどちらかといえば死亡推定時刻に関する話が多く、陰惨さの味わいは薄れている。

    またこの頃、島田氏が力を入れていた冤罪事件への取り組みの色合いもあり、ここでは容疑者とされていた牧原信吾の無罪をどうにか証明しようという方向でストーリーは進む。これは金川一事件というのがモチーフになっているらしい。

    しかし『最後のディナー』や『Pの密室』の頃に比べるとだいぶん石岡も以前のペースを取り戻しているようだが、犬坊里美の携帯電話の留守電組の話を聞いてショックを受ける件は50を間近に控えた男の台詞か?と思った。
    蓮見刑事に嫉妬するところもちょっとなぁと思うのだが。

    翻って「山手の幽霊」は、『~挨拶』や『~ダンス』の頃を髣髴とさせる御手洗の活躍ぶりが堪能できた。関係のないと思われた二つの事件がまたも大胆な設定で結びつく。これこそ御手洗ファンが読みたかった作品だろう。

    しかし両作とも共通するのは御手洗潔の超人的な推理力。いきなり真相が見えているように動き回る様、人に命令を下す様は確かに面白いが、超人的すぎて、少々辟易した。これと比べるとやはり私は吉敷シリーズの方が地味ながらも堅実で面白いのである。

    オレも歳を取ったかなぁ。

  • 短編が3つ。表題作より真ん中の作品の方が印象に残った。(「山手の幽霊」)

  • 再読。
    表紙超気持ち悪い。

    事件の内容も、まあ女性に多分に非があるとはいえ、散々な扱いよう。気分悪。
    つーか、里美ちゃんの喋り方どうにかなりませんか。
    これが若い女性だと思っているなら即刻認識を改めて欲しいわ。
    石岡クンもネガティブ過ぎるわウジウジするわ、そりゃあ御手洗サンも見捨てて外国行くよ。なんでこんなキャラにしちゃったんだろう。
    「異邦の騎士」あたりの時は、まだ気骨があって清々しいキャラだったのに;

    幽霊話のほうは「無理あるだろう!」と思いつつ、面白いからまあいいか、という感じ。
    例の場所から出てきた例のアルバムやら雑誌やらを、じーっと眺めているという御手洗サンの姿を想像して笑ってしまいました。

  • 御手洗潔の短編集
    悲しい結末でした。

  • 冒険推理小説っぽいいい意味での現実離れした事件だった。
    御手洗はいいキャラだけど現実に近くにいたらちょっとイラッとするんだろうなと思った。
    ふたつの同じくらいの長さの物語があってどちらもテンポ良く読むことが出来た。
    多少コメディタッチなところもあったが「山手の幽霊」の
    最後の大岡の手記はなんとも言えないやりきれなさが残った。

  • 今回もかなり、それとそれどうやって結びつくの?!って感じの事件でしたが御手洗さん見事に解決。
    面白かったけど、山手の方のラストの独白がちょっとしんどかった。。。

  • 御手洗先生シリーズ2作収録。

    「下腹部が何故切り取ってあるのか?」
    この出尽くした質問に心から完敗してしまいました。

  • 【上高地の切り裂きジャック】はトリックが非常に地味なうえ、警官で解決出来るネタでした。御手洗はスウェーデンから、石岡からのメールと電話だけでアッという間に真相を見抜くのですが、もはや超人としか言いようがないです(笑)
    【山手の幽霊】はシリーズらしいスケールの大きさを感じさせましたが、トリックは「偶然によるものの連続」でご都合主義的です。
    「御手洗シリーズ」ファン向けの作品だと思います。

  • 島田荘司なら「切り裂きジャック・百年の孤独」の方が面白かろう…カバーもアレな感じだし。と思いつつ読んでみたら、御手洗モノにしては軽く読めてしまい残念。「山手の幽霊」の方が面白かったかな。御手洗の良さが出てるなあと思います。
    「上高地~」は里美の喋り方がいちいちイラッと来る(笑)島田荘司は女性描写があんまり上手くない気がしているのですが、これは特に…。(余りにも、こんな感じだろう、っていう描き方なんだよなあ…勿体無い!)

  • 表題作よりも、同時収録されている「山手の幽霊」のほうが面白かった。すごい発想。

  • 御手洗シリーズ。「上高地の切り裂きジャック」と「山手の幽霊」の2編。
    上高地〜の方は御手洗は電話でのみの登場です。御手洗を引き立てるために登場する無能警察の皆さんですが、さすがにこれは警察の捜査がザルすぎる…さすがにもうちょっと有能だろうと思いたいです。
    山手〜の方は馬車道時代の話です。石岡君は読者に愛されてるなぁとしみじみ(笑)

  • 表題作と「山手の幽霊」が入った本作。私は話的には山手~のほうが好き。御手洗さんが日本に居るし、ね。あまりにも切なすぎる、動機。こんなヤツ大嫌いだー。と思うけど、矢張り殺してはいけないよ。だから切なかった。

  • 久しぶりの御手洗潔。年齢はいくつかな?
    意表をつくトリックは変わらず魅力。

  • 【上高地の切り裂きジャック】犯人は途中で読めるんですが、動機その他はさっぱりでした。必然が重なって奇怪な形に仕上がった事件です。解けたときには、すっきりというより後味の悪さの方が目立ちそうです。

    【山手の幽霊】馬車道時代の話。なんともやりきれない気分になります。そりゃまあ、どんな理由があったとしても殺人は許されることではないんですけども。あまりにも哀れだと思います。

  • 「女優は腹を切り裂かれ、内臓を抜き取られ、かわりに石を詰め込まれた惨殺死体で発見された。いったいなぜ、何のために?そして密疑者には鉄壁のアリバイが…。“切り裂きジャック”が日本に甦ったかのような猟奇殺人に、名探偵・御手洗潔が挑む表題作ほか、横浜時代の御手洗が活躍する傑作中篇「山手の幽霊」も収録する。」by Amazon

    表紙がなんとも言えません・・・(笑)
    「上高地の切り裂きジャック」は御手洗さんは電話だけです、その電話の内容も凄かったけど。
    警察の人もなんだかのほほんとしてるし、読む人によってはイライラするかも。
    でも謎が解けた時はやっぱりすっきりします。
    電話だけで解決する御手洗さんが凄過ぎます。

    「山手の幽霊」
    まだ御手洗さんが外国に行く前のお話です。
    ぐわぁ、これ少し日にちの系列がよく解らなくなりましたよ。
    幽霊というか、まぁ幽霊じゃないんですけどね(笑)
    どうして幽霊だと思ったのか、その辺が解ると面白いかと。
    いや、ホント悪い事はするもんじゃないよ、と思いました。
    誰かを裏切るとか、そういう事を平気でする人間はいつかしっぺ返しをくらいます。
    ラストが延々と手記で終わってしまったのは残念。

  • 島田作品は知ってる割に、読んだ冊数はとても少ないのよね。
    2編の短編集。

    内臓を抜き取られた女優が不可解な謎を残して、上高地で殺された。
    そこで、御手洗さんがい外国から、石岡くんが送ったFAX原稿だけでスパッと快刀乱麻に名推理してくれる!
    『添付ファイル』やら『デジカメ』警察署長にある『テレビ電話』やら、最近に近いものが描かれてるなぁと思ってみたら、2005年上梓かぁ。
    やっぱり。
    御手洗さんもこの時代を生きているのかと思うと、何だか不思議(笑)
    この女優さんのお話は、大病院の経営者の息子が憧れの女優さんを死姦してしまうんだけど、殺人は犯していない。
    真犯人は、実は父親の方だった!って話ね。
    これはすごく面白いってわけじゃない。

    2編目の『山手の幽霊』
    こちらの方が面白かったな。
    山手にある、高大にある、地下シェルターのついた呪われた家のお話。
    真っ暗な、小さな箱(核シェルター)に、思いもがけず閉じ込められるというのはとてもつらいでしょう。


    想像を絶します。そこで餓死しちゃうなんて・・。
    動機も病気の娘を巡ってだし悲しい。
    最後が犯人(父親)の手記というところがこの作品をぴりりと締めていて良かった!


    ただね、この本の表紙が戴けない。
    センスが感じられない。
    表題作の話の、内臓を抜き取られて代わりに石が入ってるっていうのを表現したいのはわかるんだけど、
    「明らか合成です」ってかんじだし^^;

  • 09/05/22読了。
    中編2本。表題作と山手の幽霊。
    表題作はそういうトリック(?)かー!というあれで、山の手はやるせなかったな。
    しかし表題作はやっぱりまたご飯前にはちょっとorz

  • 御手洗潔が挑む怪事件。中篇2作を収録。

    『上高地の切り裂きジャック』★★

    御手洗が解決してきた過去の事件は破天荒なものが多かった。奇想天外な事件が脳裏に焼き付いている。そのせいか、この『上高地の……』は猟奇的事件ではあったが、ミステリとしての謎においては平凡な印象だった。
    御手洗も不在。スウェーデンに行っており、メールや電話でのやり取りにより、事件を解決に導くかたちだった。
    印象に残った御手洗潔の言葉があった。
    「逮捕したら口は貝になる。その後引き出せる自白など、しょせんは行儀の嘘にすぎない。これは基本です。社会において、自分から自白してもらうのが一番です」


    『山手の幽霊』★★★★

    奇妙奇天烈な事件が連続して発生。御手洗潔のもとに相談として持ち込まれる。こちらは御手洗自ら捜査に乗り出す。事件を調べるにつれ、出てくる不明事の数々。バラバラになったジグソーパズルのピースのよう。ピースのひとつひとつを嵌め込んでいき、一枚の絵を完成させるかの如く、御手洗は事件の真相を明らかにしていく。
    過去にあれだけの難事件を解決してきた御手洗に、未だに信頼を置けない石岡が悲しかった。

    以下 ネタバレあり。

    わずかな不自然さを感じたのは、核シェルター床下にあった重要書類等の隠し箱の蓋。蓋は四隅をネジで止めるかたち。その蓋を、中で死んだ男は閉めたのか、開けたままにしたのか? ドライバー(ねじ回し)は所持していなかったが……。侵入するときにはネジ止めされていなかったはずだ。入れたのだから。ネジはどこにあったのか。その家を買った男は当初、隠し箱の存在を知らなかったのか。蓋がネジ止めされていないことに気付かずにいたのか。死体発見後にはじめて隠し箱があることに気付いたのだろうか。いずれにしても、警察の現場検証はお粗末。中で人が死んでいれば、どこからか入ったのは確実なのだから、徹底的に調べなきゃ。

  • なかなか

  • ハードカバーの方の表紙、最初塩辛に見えた。

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著者プロフィール

1948年広島県福山市生まれ。武蔵野美術大学卒。1981年『占星術殺人事件』で衝撃のデビューを果たして以来、『斜め屋敷の犯罪』『異邦の騎士』など50作以上に登場する探偵・御手洗潔シリーズや、『奇想、天を動かす』などの刑事・吉敷竹史シリーズで圧倒的な人気を博す。2008年、日本ミステリー文学大賞を受賞。また「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」や「本格ミステリー『ベテラン新人』発掘プロジェクト」、台湾にて中国語による「金車・島田荘司推理小説賞」の選考委員を務めるなど、国境を越えた新しい才能の発掘と育成に尽力。日本の本格ミステリーの海外への翻訳や紹介にも積極的に取り組んでいる。

「2023年 『ローズマリーのあまき香り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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