溺れる人魚 (文春文庫 し 17-8)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167480080

作品紹介・あらすじ

オリンピックで4つの金メダルを獲得した天才女性スウィマーが30年後、リスボンで拳銃自殺を遂げた同じ夜、彼女を破滅に追い込んだ医師が射殺された。2人の命を奪った弾丸は同時刻に同じ拳銃から発射されたものだった!?表題作など異郷の都市を舞台に描く3篇と、著者の原点・横浜の今を描く1篇、巻末には自作解説を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 溺れる人魚、人魚兵器、耳の光る児、海と毒薬
    の4編。

    異国の3都市と横浜の話。
    最初の3編は、なんだか知識を学ぶことの多い話だった。
    海と毒薬が好きです。

  • 再読

  • いわゆる推理小説ではない。
    ヨーロッパを舞台にした、不思議なあるいはおぞましい話。

  • ミュンヘンオリンピックの美人スイマーの転落と、精神外科のロボトミーとのミステリー作品。
    本当に起こったことかのように錯覚しました。

  • 物語の面白さを味わう。
    御手洗潔もの。

  • 異郷の地を舞台にした3篇と,「異邦の騎士」の後日談的な話の短篇集。
    どれも回りくどい割にオチもいまいちで楽しめなかった。

  • さすが島田さんの作品。『人魚』をキーワードに短編がおさめられている。生半可ではない知識にはいつも感嘆する。

    いったことがない土地の名前がたくさんでてきた。今はワルシャワにいってみたいと思う。

    モンゴル帝国についても、文中に出てくるような見方はしたことなかったし、知らないことがたくさんあった。

    モンゴル帝国と現在のアメリカは似てるのか…

  • 文章の大部分がうんちくに割かれている。その点で、好き嫌いが別れる。御手洗の登場シーンも少ない。

    それなりに面白いとは思うけど、心に残るほどのインパクトは無かった。

  • 短編集。(最後の一遍を除き)ヨーロッパの各都市を舞台にしている。通して語られるテーマは「人魚」。

    特に、タイトルになっている「溺れる人魚」が面白い。
    ロボトミー手術について関心があったので、この本を買ったわけだが、この「溺れる人魚」では有名なスイマーがロボトミー手術を経て、廃人のようになってしまい、ある日自殺をするのだが、「同時」に手術を施した医者が殺されているというミステリ仕立てになっている。ミステリではあるが、ロボトミー手術についても詳しく記述してあり、非常に興味深い。
    作者によるあとがき・解説によると、実際にロボトミー手術に関連して有名な事件が日本であったらしく、それがモデルになっているよう。

    特徴としては、「御手洗潔」シリーズといえば、もちろん御手洗さんと石岡さんが登場しなければいけないわけだが、この本では、彼らは直接登場せず、3篇を通して主人公である記者が主体となって事件にあたっている。しかし、御手洗の影をちらちらとみせるのがうまいところ。御手洗さんが直接登場しない「御手洗潔」シリーズの一つと考えてよさそうだ。

  • 思えば、私が島田荘司作品と出会って早くも25年が過ぎた。「占星術殺人事件」を読んだ時の衝撃や、「異邦の騎士」を読んだ時の感動は未だ忘れることが出来ない。
    本作にも、「異邦の騎士」外伝のような「海と毒薬」という作品があるが、作者も読者も過去の作品を宝物のように大切にする島田氏の世界観は、とても貴重な存在と思う。

  • 短編集。表題作と人魚兵器はまずまずかな。

  • わたしは「石岡くん」の書いた文章が好きなんだなぁと気付いた。

  • リスボン、ポルトガルなどを舞台とした作品です。

  • 御手洗シリーズなんだけど、御手洗はあんまりでないという。。。。

    四つの短編なんだけど、三篇は歴史もの?
    ロボトミー、生体実験、遺伝子組み換え、モンゴル。。。。

    まだまだ知らないことが多いな。
    もっと勉強したい。
    仕事に時間取られ過ぎだよ。

    四編目の「海と毒薬」も横浜の歴史ものではあるけど、
    どちらかというと石岡君ものっていった方がしっくりくる。

    御手洗は魅力的なんだけど、やはり石岡君の方が好きなんだよな。
    御手洗と石岡君との出会いを描いた「異邦の騎士」がキーなんだけど、
    よくよく考えると、自分がミステリの方が文学よりも可能性がありそう
    って思ったのも「異邦の騎士」だった気がする。

    短編もいいけど、はやく御手洗、石岡コンビの長編が読みたいな。

  • 御手洗ものの短編が4つ。
    つまらなくはないけど…のめり込むほどの面白さは無いかな。
    というのも、私が島田荘司をストーリーテラーだと思っているから、事項の説明が多いと物足りなく感じてしまうんだろう。
    これ、もし一つ一つが中長編だったら個人的にお気に入り作品になっていたかも。
    最後の短編だけはミステリーというか普通の読み物。「異邦の騎士」好きにはちょっと嬉しいかも。

  • 聖アントニオの奇跡!泳ぐことさえできなくなった元天才水泳選手が自殺しその「原因」を作った医師が殺害された。しかし不可解なことに、離れた場所であったにもかかわらず、同じ時間に同じ拳銃が使われたというのだ―。

  • 2011/2/15 ジュンク堂住吉シーア店にて購入。
    2023/8/31〜9/2

    12年ものの積読本で2年ぶりの島田作品。
    「溺れる人魚」、「人魚兵器」、「耳の光る児」、「海と毒薬」の4篇。一番ミステリっぽいのは表題作か。耳の光る児はかなり強引。まあ、島田さんらしいと言えばらしいが。

  • 『溺れる人魚』
    ミュンヘン・オリンピック水泳で4つの金メダルを獲得したアディーノ・シルヴァ。オリンピック後コーチ・ブルーノ・ヴァレと結婚した彼女の転落。性的な興奮を抑えられないアディーノ。麻薬、暴力など問題行動も増え、ロボトミー手術に踏み切るブルーノ。彼女に間違った診断を下しのうのうと生きるコスタ教授。彼のテレビ出演ご自殺したアディーノ。同時刻同じ拳銃で射殺されたコスタ教授。ハインリッヒがたどりついた事件の真相。

    『人魚兵器』
    御手洗潔シリーズ

    ヤン・ユックが持ち込んだ人魚のミイラと言われる置物の正体を解析した御手洗。その過程で聞いたクリミア半島にすむ老人の持つ焼けた人魚の写真の謎の真相に挑む。

    『耳の光る児』
    御手洗潔シリーズ

    ロシア各所で発見された耳の光る子供。紫外線を当てると光る謎の耳。母親には無い共通点。「インぺリット」に隠された秘密。

    『海と毒薬』
    御手洗潔シリーズ

    石岡君から御手洗への手紙。石岡君が出会った女性からの手紙。男に騙され転落した女性の人生。

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著者プロフィール

1948年広島県福山市生まれ。武蔵野美術大学卒。1981年『占星術殺人事件』で衝撃のデビューを果たして以来、『斜め屋敷の犯罪』『異邦の騎士』など50作以上に登場する探偵・御手洗潔シリーズや、『奇想、天を動かす』などの刑事・吉敷竹史シリーズで圧倒的な人気を博す。2008年、日本ミステリー文学大賞を受賞。また「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」や「本格ミステリー『ベテラン新人』発掘プロジェクト」、台湾にて中国語による「金車・島田荘司推理小説賞」の選考委員を務めるなど、国境を越えた新しい才能の発掘と育成に尽力。日本の本格ミステリーの海外への翻訳や紹介にも積極的に取り組んでいる。

「2023年 『ローズマリーのあまき香り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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