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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784167483043
作品紹介・あらすじ
『坊っちゃん』『三四郎』『吾輩は猫である』……誰しも読んだことのある名作から、数多の知られざるエピソードを発掘。斬新かつユーモラスな発想で、文豪の素顔に迫ったエッセイ集。
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文豪の素顔に迫るユーモラスなエッセイ集は、名作『坊っちゃん』や『三四郎』などの知られざるエピソードを掘り起こし、読者を魅了します。著者は漱石の義理の孫であり、彼自身の家族の背景が作品に色濃く反映されて...
感想・レビュー・書評
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漱石の義理の孫である歴史研究家の半藤一利さんが夏目漱石を謎解いていく新田次郎文学賞受賞作。妻や親族からの単なる見聞録ではなく、思想や体験が漱石の文章のどこに反映されているのかも紐解いてゆくのは、さすが「歴史探偵」の面目躍如と言ったところ。
題名の「漱石先生ぞな、もし」は、著者が一番好きだという「坊っちゃん」の舞台である松山の方言。題名から軽いエッセイと思いきや、なかなかの「夏目漱石研究書」になっています。これは著者の日本近代史や古典に関する豊富な知識および好奇心の賜物と思います。
印象に残った箇所のほんの一部を紹介すると
○著者が義父松岡譲から引き継いだ「坊っちゃん」「二百十日」「草枕」の3篇を含む明治40年初版の「鶉籠」。この本には多くの書き込みがあり、書き込んだのは「赤シャツ」のモデルらしい横地石太郎と「坊っちゃん」のモデルらしい弘中又一。例えば小説の中で坊っちゃんが道後温泉の湯船で泳ぐ場面について、横地は「是は漱石ガヤツタらしい」と書き込み、弘中は「(漱石)は泳ギヲ知ラヌ者ハ動物デ無イ、ト云ツテ居タ」と書き込んでいる。
○「坊っちゃん」に出てくる女中の清が所望した「越後の笹飴」。漱石は越後育ちの鏡子夫人から「笹飴」のことを知ったと考える。「夫人の戸籍上の正しい名はキヨ、鏡または鏡子は通称なんである。越後育ちのキヨと越後の笹飴、すんなり結びつくではないか」。
○漱石が小説家として活動したのは日露戦争後の十数年。いわば「坂の上の雲」の後の時代。漱石は「吾輩は猫である」の苦沙味先生に「とにかくこの勢で文明が進んで行った日にゃ僕は生きてるのはいやだ」とつらい述懐をもらさせている。「吾輩は猫である」には漱石の日本への批評が垣間見れる。
○著者の義母は漱石の長女筆(ふで)。義母によると漱石には「ただ怖いばかりの父」とやさしい父の5年周期があったらしい。「ただ怖いばかりの父」のときに書いたのが「吾輩は猫である」「坊っちゃん」「草枕」「野分」などで、やさしい父のときに書いたのが「それから」「門」「彼岸過迄」などと観察したのは義母。
○坊っちゃんが清の手紙を千秋の思いで待ち侘びる場面があるが、これはロンドンで鏡子夫人の手紙をいまかいまかと待たされた経験が下敷きとなっている。清は句読点なしの非常に読みにくい巻紙風の返事を出すが、鏡子夫人の手紙も句読点なしだった。ここでも鏡子(キヨ)と清が結びつく。
ユーモラスな語り口で書かれた、一気に読める稀な研究書。「坊っちゃん」を読んだのなら是非!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
のっけから、おもしろい。半藤の本棚には、世界に1冊しかない漱石の本があるという。漱石3作品の合本で、しかも書き込みがある。3作品のひとつは『坊ちゃん』。その本文の脇や隅には、登場する人物がそこで実際にどういうことをしたのかが詳細に書かれていた。だれが、いつこれを書いたのか? ……後日談も添えられている。
とんでもなく重要なこともさらりと書いてある。『坊ちゃん』に登場する乳母の「清(きよ)」。漱石夫人の「鏡子」は実は通称で、戸籍の名前は「キヨ」。しかも越後・新潟生まれ(出生時、父親は新潟病院長だった)。坊ちゃんは伊予・松山に行くのに、「清」が彼に土産にねだったのは、なぜか越後の「笹飴」。著者が書いているように、越後コネクションを想定すると、「清」の名前と「笹飴」が腑に落ちる。
著者の半藤一利は漱石の義理の孫で、越後生まれで越後育ち。奥さん(漱石の孫、半藤末利子)も、疎開先の越後育ち。彼女の父親(漱石の婿、松岡譲)も越後の人。どこかに越後のバイアスが……(これを書いている私も越後の人間) -
「半藤一利」が義理の祖父である「夏目漱石」の知られざるエピソード等をユーモラスに綴った作品『漱石先生ぞな、もし』を読みました。
『半藤一利と宮崎駿の腰ぬけ愛国談義』に続き、「半藤一利」作品です。
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歴史探偵の異名をとる著者にとって「漱石」先生は義理の祖父である。
「漱石」についてのよもやま話、ちょっといい話満載。
動乱の昭和の原点は、明治の中でも日露戦争以後十年の時代に求められる。
その歴史の転換点を小説家として生きたのが「夏目漱石」であった。
「漱石」の義理の孫にあたる歴史研究家の著者が、知られざるエピソードを発掘しながら、文豪の生きた時代と、文明批評家としての彼の側面を、ユーモラスな語り口で綴った「新田次郎」文学賞受賞作。
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『半藤一利と宮崎駿の腰ぬけ愛国談義』で、「半藤一利」と「宮崎駿」の二人が盛り上がった「夏目漱石」に関する話題… その中でも本書が紹介してあったので、一度読んでみたくなったんですよね。
以下の構成で義理の祖父「夏目漱石」についてのエピソード等が紹介されています。
■第1話 「べらんめえ」と「なもし」
■第2話 漢学を好んだこと
■第3話 ロンドンの憂鬱
■第4話 恋猫や主人は心地例ならず
■第5話 ホームドラマの主人
■第6話 ストレイ・シープ
■第7話 銀杏返しの女たち
■第8話 教師として師として
■第9話 汽車とビールと博覧会
■第10話 ある日の漱石山房
■第11章 生涯に三度のバンザイ
いやぁ… なかなか趣味的な内容で、歴史探偵を名乗る著者らしい作品でした。
これまで写真や作品から得た知識で想像していた「夏目漱石」のイメージが、より鮮明になりましたね、、、
もちろん、こんなところがあったんだぁ… という気付きや、イメージを修正する部分もありましたけどね。
もっと多くの「夏目漱石」作品を読んでいれば、もっともっと愉しく読めたのでしょうが、知識・情報不足で理解できない内容も多かったですね。
それにしても、よく調べているなぁ… という感じ。
ホントに歴史探偵「半藤一利」らしいディープな内容でした。 -
難しい文章ではないが、深く切り込む。面白かった。漱石を読み直そう。
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「漱石先生ぞな、もし」半藤一利著、文春文庫、1996.03.10
302p ¥450 C0195 (2021.01.27読了)(2008.07.26購入)
【目次】
前口上
第一話 「べらんめえ」と「なもし」
第二話 漢学を好んだこと
第三話 ロンドンの憂鬱
第四話 恋猫や主人は心地例ならず
第五話 ホームドラマの主人
第六話 ストレイ・シープ
第七話 銀杏返しの女たち
第八話 教師として師として
第九話 汽車とビールと博覧会
第十話 ある日の漱石山房
第十一話 生涯に三度のバンザイ
あとがき
主な参考文献
著者 半藤 一利(はんどう かずとし)
1930年 東京生まれ
1953年 東京大学文学部卒業
文藝春秋入社
『週刊文春』『文藝春秋』各編集長、出版局長、専務取締役等を歴任
1992年『漱石先生ぞな、もし』(新田次郎文学賞)
1998年『ノモンハンの夏』(山本七平賞)
2006年『昭和史1926-1945』『昭和史 戦後篇1945-1989』(毎日出版文化賞特別賞)
2021年1月12日、死去、90歳。
☆半藤一利さんの本(既読)
「レイテ沖海戦」半藤一利著、PHP文庫、2001.09.17
(「BOOK」データベースより)amazon
動乱の昭和の原点は、明治の中でも日露戦争以後十年の時代に求められる。その歴史の転換点を小説家として生きたのが夏目漱石であった。漱石の義理の孫にあたる歴史研究家の著者が、知られざるエピソードを発掘しながら、文豪の生きた時代と、文明批評家としての彼の側面を、ユーモラスな語り口で綴った新田次郎文学賞受賞作。
(出版社より)rakutenブックス
『坊っちゃん』『三四郎』『吾輩は猫である』……誰しも読んだことのある名作から、数多の知られざるエピソードを発掘。斬新かつユーモラスな発想で、文豪の素顔に迫ったエッセイ集。 -
漱石の孫の夫が執筆したということで興味を持った。著者も書いているが、決して堅苦しい漱石論ではなく、漱石に関するエピソードを楽しめた。『続・漱石先生ぞな、もし』も持っていたはずなのだが見当たらない (;o;)
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奥様が漱石のお孫さんという作者の、軽妙洒脱な漱石論。『我が輩は猫である』、『坊っちゃん』など、また読みたくなる。
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昔、読んだあとも持ってたんだけどな。復刊バンザイ。
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半藤氏の奥様は、漱石の孫にあたるそうです。
漱石は、日露戦争後の日本を愁えた。足るを知るという精神の欠落が日本の将来ダメにすると嘆いた。11年間小説を書き名作を残した。 -
歴史探偵と称する著者による、漱石論。
あとがきによると、昭和史を調べるうち、その源流の明治日本に突き当り、そこで「とてつもなく大きな人格かつ文明批評家として」漱石が立ちはだかったとのこと。
漱石および彼の作品を、探偵を自負する著者らしく、縦横無尽に解説および解釈。
漱石の、知られざる一面を知ることができた。
久しぶりに、夏目漱石を読みたくなった。 -
夏目漱石の義理の孫に当たり、日本近代史に造詣の深い著者が、漱石にまつわるさまざまなエピソードを紹介するとともに、漱石が時代とどのように切り結んだのかということを論じています。
漱石の作品に登場するヒロインたちの身長や髪型といった、比較的トリヴィアルな事柄にこだわってみたかと思えば、漱石が「生涯に三度しか万歳を唱えたことはない」と述べたことに関して、彼の国家観や文明観にまで考察が及ぼしてみたりと、硬軟とりまぜた話題が並べられており、興味深く読むことができました。 -
漱石先生の人となりがよく分かって、非常に面白かった。
個人的イメージとしては漱石=オカタイ人だったのだけれど、妻の禿を心配したりなんだりで、案外と楽しいところもある人だったのですねぇ。 -
著者の義理の祖父にあたる漱石のエピソード。日露戦争後の転換期に生きた漱石の個人主義が面白い。博士号を受け取らなかった、「万歳」を唱えるのを嫌った等。11.9.17
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漱石の作品のひとつひとつは、彼の膨大な知識・教養の結晶であることを今更ながら教えてくれた。 今の流行作家には残念ながら、そのあたりが感じられない。と云いながら、あまり読んだことはないのだが…。私の偏見であろうか。
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歴史探偵の異名をとる著者にとって漱石先生は義理の祖父である。漱石についてのよもやま話、ちょっといい話満載。新田次郎文学賞
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面白くて読みやすいです。
著者プロフィール
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