ノモンハンの夏 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 55
  • Amazon.co.jp ・本 (471ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167483104

感想・レビュー・書評

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  • 2001.10.21~ 11.4 読了

  • 満蒙国境事変であるノモンハン事件を、国家間の駆け引きから、連隊レベルの動きまで幅広く記述。
    当時の国際政治も興味深いが、やはり、上級司令部の断固たる指導、統制の欠如とか、幕僚の本分とか、そういうところが反面教師的に勉強になった。

  • 俺の知らない歴史のほうが多い(当たり前かも)。

  • まあ、エッセンスは「昭和史裁判」に書かれているからなあ。ノモンハンだけでこの厚さ。安倍内閣の右傾化が怖くなるよね。

  • ねじまき鳥でノモンハンに興味が出たので、読みました。おもしろかったです。まあ、おもしろかったというか、憤りをかきたてられました。反省も理性的思考も満足な情報収集もできない人間に振り回されるのっていやだなあ、と思いました。銀河英雄伝説のフォークを思い出しました。(2015年7月8日読了)

  • 必至に頑張る現場と、腐りきった上役。空虚な楽観で現実を直視せず、犯した失敗を教訓に出来ない能天気ぶり……。悲惨極まるノモンハン事件には、大日本帝国の、ひいては現代日本にも根を張る、日本人のウィーク・ポイントが凝縮されていると思った。

  • 第二次世界大戦の遠因にもなったノモンハン事件についてのドキュメント。
    権限の委譲のいきすぎで結果的に関東軍の独断専行を招き、それに誰もすずをつけることができずに崩壊にむかっていったプロセスの第一幕がこの事件。
    しかもこの主要な幹部はだれも更迭されてないところに闇がある。

    当時の参謀本部は関東軍に及び腰。その原因はいきすぎた権限委譲の元気の良すぎる青年将校を現地におくりすぎたことが原因ではなかろうか。
    その結果「関東軍に「案」を示しただけで、あとは研究にまかせた。つまり示達できなかった。参謀本部は真の統帥を放棄して虚位を誇る態度のみつづけていた、」というような事態がうまれ次第に統制がきかなくなっていく。
    そして辻政信のような怪物がうまれる。
    当時の参謀にいたのちの山下大将は辻のことを
    「中佐、第一戦より帰り、私見を述べ、色々の言ありしという。此男、矢張り我意強く、小才に長じ、所謂こすき男にして、国家の大をなすに足らざる小人なり。使用上注意すべき男なり」
    と述べている。
    権限委譲をして登用するときには、とにかく我意が強すぎて能力のある人材ほど気をつけろということであろう。
    むしろ当時の日本軍は、我意の強さがむしろ積極果敢な姿勢と評されていた。

  • ノモンハンにおける敗因の主たる要素の日本軍の組織的欠陥をしっかりとした事実を元に描かれている。

  • 決定的に道を誤った事件。

    冷静な考えもあった一方で、どうしようもなく流されることとなったのはなぜか、各国の思惑の中で、日本はどのような決定をし、又は決定をしなかったのか。

  • ノモンハンについて知ったのは、大学1年の夏。
    当時、「ねじまき鳥クロニクル」を読んでいて、その中にノモンハンについての記述があったのを覚えている。
    そこに書かれていたノモンハンは、戦闘全体のことではなく、個人的な体験、一人の登場人物の回想を通じて伝わる戦争の悲惨さであった。しかし本書は違う。
    ノモンハンでの戦闘になるまでの過程、ドイツ・ソ連の動きが同時的に描かれており、その全容が一から説明されている。想像力を掻き立てる小説的な描き方ではないが、戦闘の悲惨さが俯瞰的に描かれているが故にわかることがある。それは逆説的ではあるが、そう描かれていることで陸軍兵一人ひとりの生きざまに限りがなくなるということだ。「ねじまき鳥」で描かれたのはフィクションであるという前提の一方で、極めて高い可能性で現実にあるものだという確信を生む読書体験になった。

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著者プロフィール

半藤 一利(はんどう かずとし)
1930年、東京府東京市向島区(現在の東京都墨田区)生まれ。東京大学文学部国文科卒業後、文藝春秋新社に入社。編集者として活動しながら匿名記事も記す。1965年に大宅壮一の名義を借りて『日本のいちばん長い日』を執筆、発行。『漫画読本』『増刊文藝春秋』『週刊文春』『文藝春秋』編集長を歴任。1995年に文藝春秋を退社してから作家・評論活動専任となる。
1993年『漱石先生ぞな、もし』で新田次郎文学賞、1998年『ノモンハンの夏』で山本七平賞、2006年『昭和史』で毎日出版文化賞特別賞をそれぞれ受賞。2009年の語りおろし『昭和史 1926-1945』『昭和史 戦後篇 1945-1989』はベストセラーとなった。
妻の半藤末利子は、松岡譲と、夏目漱石の長女・筆子の四女で、夏目漱石が義祖父にあたる。

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