あたしが帰る家 (文春文庫 む 4-7)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 212
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167485078

作品紹介・あらすじ

昭和三十年代の子供は、みんなこうだった!? 大笑いして、後にゾッとしてしまう、無邪気で可愛くてちょっぴりコワイ「恐るべき子供たち」が主人公の、傑作短篇小説集。(小林聡美)

感想・レビュー・書評

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  • フォローしてる方のおすすめで読んだ。始めは群ようこさんの実話かと思った位にリアルで舗装されてない道路(みち?)から細かい砂が立ち上るのも見えるようだった。子供の目線で両親を一刀両断にするのが爽快。9作からなる短編集。

  • 明るい実話でいつも楽しませてくれる群さんの本だが、これは…ものすごく自己中でダメなお父様と家族のお話。ダメ父と真正面から戦えるお母様がある意味救い。
    もちろんいつも通り笑いを伴うエピソードが中心だが、どうも笑えない。大変なおうちだったんだね…となんか辛くなってしまう。

  • 昭和30年代の一般的な家庭の小学生の私からの目線で書かれた話。
    かなりシニカルなもので、怯む部分もあるけど、なかなか面白い。
    父親がかなりだらしない人物で、主人公の私もかなり嫌っている。
    父親のせいで貧乏、めんどくさい奴、出掛けて行くと、帰って来なければいいのにと続く。
    母とも日々喧嘩ばかりしている。
    だけど、この父親を庇う気には到底なれない。
    私が成長したであろう現在のこの家族の形を、また見てみたい。

    2019.5.1

  • 酷いけれどこんな父親もいるだろうな。こんな家庭環境で育った恩恵(?)なのか普通では思いつかない様なことを考える子だなあと思う。貧乏だけれどいたってノーマルな家庭環境だった自分は、同年齢の友達なら怖くて近づけなっかのだろうか。それとも興味深い友達だったのだろうか。昔赤ちゃんをお人形代わりにして殺した子供達の事件があった様に記憶している。友達の寝たきりのお祖母さんの口に綿ぼこりやゴミを入れて喜ぶシーンには身の毛がよだった。笑い話に昇華した様にに書かれているけれどなかなか強烈な子供時代で、きつかったろうな。

  • 読書録「あたしが帰る家」2

    著者 群ようこ
    出版 文藝春秋

    p226より引用
    “ 吐き捨てるように母はいった。父はふと
    思いつくと、釣り竿を背負って出かけていっ
    た。誰も行き先を知らない。いつ帰ってくる
    かもわからない。そして家族の誰も、彼の行
    方について心を痛めることなどなかったの
    だ。”

    目次から抜粋引用
    “洗濯機
     おめかけさん
     テレビ
     くるま
     冷蔵庫”

     エッセイストである著者による、幼少期の
    家族との生活を描いたであろう短編私小説集。

     上記の引用は、身勝手で家族と上手くいっ
    ていない父親について書かれた一節。
    自分の好きなようにしたくて、家族からもこ
    んな風に思われているのであれば、さっさと
    お互いに距離を取るほうがいいのかなと思い
    ます。

    ーーーーー

  • 1994.3刊行、1997.2文庫化、群さん40歳の頃のエッセイ「あたしが帰る家」です。洗濯機、おめかけさん、テレビ、くるま、冷蔵庫、おばあちゃん、ネグリジェ、家族旅行、貯金箱が収録されています。子供の頃の思い出でしょうか。子供の目を通した夫婦の姿が新鮮ですw。家族の数だけ暮らしがあると思いますが、夫婦の生態は似たところがあるなと思いました(^-^)喧嘩しながらも仲良く元気に暮らしたいですね!

  • 2013 2/3

  • 1997年6月読了。

  • 活字で笑かすの群ようこだから。

  • シュールでちょっと怖いけど、子供ってこういう側面も持ってるよねーと妙に納得した1冊でした。
    この本を読んでいる時、頭の中ではこの子供たちや彼らをとりまく人たちが絵となってどんどん浮かんできて、小説なのにまるで漫画を読んでいるような感覚だった。おもしろいです。

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著者プロフィール

1954年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒。数回の転職を経て、78年、本の雑誌社に入社。デビュー作『午前零時の玄米パン』が評判となって、作家専業に。「無印物語」で人気を博す。『かもめ食堂』『れんげ荘』『三人暮らし』など著書多数。

「2023年 『老いとお金』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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