本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (672ページ) / ISBN・EAN: 9784167493028
感想・レビュー・書評
-
何冊か前に読んだ高橋源一郎さんの本で紹介されていて、興味が湧いたので、ブックオフでオンライン注文して、入手しました(古いものなので在庫がなく、入手まで1ヶ月くらいかかりました。)届いた時、文庫本であることに驚きました。
内容は、タイトルどおり過激な部分もあるのですが、基本的には1990年代に活躍した42人のAV女優さん達の生い立ちや、AVに出ることになったきっかけが、書かれています。皆、それぞれに理由はあるのですが、幼少期の家庭環境の影響が多いように思いました。一時期、「親ガチャ」なんていう言葉が流行りましたが、幼少期の家庭環境によって、将来の選択肢が狭まってしまう人たちのリアルを知り、なんだかやるせない気持ちになりました。
(ちなみに私は職業に貴賎はないと思っているので、AV女優という職業自体を否定している訳ではありません。本人が望んでいて、納得しているのであれば、職業として問題ないと思ってます。)
文章については、インタビューで得られたことを聞き手をあきさせない切り口で書いていて、かつ、女優さん達にも一定のリスペクトを置いていることを感じました。著者の文才と人柄の良さが伝わってきて、読んでいて気持ちよかったです。AV情報雑誌のコラムを書く記者に、才能がある人がいたものだと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
生々しいリアルに寄り添った、愛ある文書。まるで本人たちと話しているような、気持ちになれました。
-
★人の描き方のお手本★すごく久しぶりに再読。1991-96年にAV情報誌に掲載のインタビューをまとめたもので、出版当時にかなり話題になって読んだ。インタビュー集としては出色のものだと改めて感じた。
親から虐待やネグレクトにあっていたり彼氏が殺されていたり極端な貧乏だったり、そういう事情とは別に性的に奔放だったり、型にはめようと思えばいくらでもできる記事で、毎回異なる角度から女の子たちに光をあてる。上からの押し付けでなくそばに寄りそう温かさが根底にあって、そこに技量が重なっている。バブルとその直後の雰囲気もしっかりと写し出されており、同時代史としても読みごたえがある。こういう記事をエロ本に載せた雑誌の力も当時はあったことを痛感する。
最初に書籍にまとめた、フリーの編集者の向井徹氏の慧眼もすごいと、今になって感じる。文庫版ならではの後書き2編も構成の妙がある。 -
折しも、1人目の女優である「冬木あづさ」さんの誕生日が12月8日と紹介されており、私がこれを読んだのも12月8日であり、その日、父の誕生日でお祝いから帰ってきた後であったので、印象に残った。
-
話し手を生かす、すばらしいインタビュー技術との評を聞き、読んでみる。ふつうのおじさんが、ふつうに聞いている気もする。感覚はちょっと古い。1993年だからしょうがないか。
AV女優になる人というのは、どういう人なのだろうという興味もあり。
今で言うネグレクト、ヤングケアラー、親のDV、ヒモなどなど、多くがひどい家庭背景。が、読書好き、ソフトボール県大会優勝、水泳選手、ピアニスト、アメリカ留学経験、などなど、華やかなる人達も。もう、幼き頃から性的に錯綜してるとしか思えない人、SEXが好きで好きでAV女優になりたくてまたまらなかった人など。ソープランドで働くのは天職、とか。刹奈紫之の章が圧巻。
つまり、色々いる、ってこと。体を売るしかなかったかわいそうな人、とは一概には言えないということ。人は(自分は)知らない世界のことを、こんなにも単純化して見ているのだなと思い知って反省。
彼女達の主体性に希望を見たい。30年近くを経て、いま、彼女達の多くが、私より少し年上の大人の女性である。彼女達がどんな人生を送ってきたか知りたい。できれば、男を食いものにする、力強くしたたかなものであってほしい。
-
1990年代にAV情報誌に掲載していた、AV女優にインタビューを42人分まとめたもの。
村上春樹の『アンダーグラウンド』並の分厚い本だが、女優それぞれの生き様が壮絶だったり悲しすぎたりして、最後まで楽しく読めました。
色んな経緯でAV女優になるのだが、概ね崩壊した家庭で育ち、劣悪な環境で育った女性が多い。少数だがナチュラルボーン大淫乱系や、医者の娘なんかもいた。
荒みきった環境の中で育ちながらも、たくましく生きる女性たちの物語を読むと、人生って色々あるけどがんばらなくては、と思う。
娘を育てる方にも読んで頂きたい、素晴らしい本でした。 -
42人。42人かぁ。これはすごい本だ。
一人一人の人生がつまっている、これに尽きる。
今まで特に知識もなく、ただ漠然と「苦界に身を落とした…」みたいなイメージを持ってたけど、それは違う。そういう人もいるかもしれないけどみんなではない。凄絶な事情を抱えてる人もいれば本当にその仕事を好きな人もいれば流されてやった人もいれば、でもみんな、「語ること」を持っているのだなあと思う。聞き手の永沢さんの力ももちろんあるだろうけど、自分の人生をこういうふうに語れるか、というのは、とてもむずかしいことなのではないかと思う。生きるために毎日手探りをして、その積み重ねで現在があるのでなければ。
一人一人のエピソードで、ああ、これはいい言葉だなあ、というのがどこかしら見つかる。本人は狙って言っているのではないだけに、はっと心打たれる。
いい本でした。もう少し生きてから、また読み返そう。 -
1
-
ブランチのガイド本から。一度は却下されながらも、どうしてもの熱意で番組に取り上げられた、って経緯にも興味があり、一度読んでみることに。要はインタビュー集なんだけど、確かに十人十色っちゃそうなんだけど、突き詰めるとあまり違いの無い内容の羅列って気も。後半はかなり流し読み。続編もあるみたいだけど、読まないです。
-
自由について考えるうえで、おそらくもっとも有用な哲学書だ。でもそれは貧しい感想で、「彼女たち」からしてみれば、「まず自由を生きてしまった」ことへのためらいや後悔や自己肯定の記録になっている。
-
-
いくらこの本の中で彼らがなんてことのないように、明朗快活に語らっていようと、彼らの多くが悲壮な体験を持っていることに変わりがなく、その悲壮な体験をAV女優が揃いに揃って待ち合わせているのは偶然でもない。
「彼らは自分が「落ちた」という感覚はない」
そりゃそうだと思う。彼らは毎日を一歩一歩生きているいるし、経験から形成された価値観や選択肢の中で最善の選択をしている。
「我々が彼らを落ちたという筋合いもない」
半分同意で、半分同意しきれない。確かに、我々が彼らを「落ちた」という表現をするのは正しくない。でも、もし違う環境だったらAV女優が一つの選択となりえたのかは、分からない。
なんだろうな、自分でも言いたいことがはっきりしないのだけど、彼らの快活さをリスペクトするも、彼らの人生の選択を尊重することも正しいけど、その明るさと自己肯定があるからって、全部の悲惨さが帳消しされるわけじゃない。
誰かに、大変だったねって言われて、自分が大変だったってことを認められる・気づける解放感を私が知っているから。 -
小説を読んでいるよう。42人にインタビューをしていくんだけれど、一人一人のバックグラウンドを全部おだやかな言葉でまとめ上げている。
これは、読まずに終わらなくて良かった。もう少し生きたら、ほんと、また読もうと思った。読む時期によって、感じることが変わるんだろうなぁ。 -
100ページくらい我慢して読んだけど、あとは放棄......
-
778.21
途中で挫折… -
結構売れただけあって、面白かった。インタビューの中身よりも構成とか
-
嘘つき、ピュア、平凡、元ヤン、崩壊した家庭環境。様々な状況に彼女達はおかれていたが、それはどの職業でも同じ事。つまり彼女達も我々と何ら変わらないという事。
-
これは、面白い。
-
1991年から96年にかけておこなわれた、AV女優42人に対するインタビュー記事をまとめた本です。
リアル・タイムで知っている女優はいませんが、氷高小夜と白石ひとみの名前はインターネットで目にしたことがあり、氷高の方は動画を見たこともあります。髪形やメイクが今時のものとはほど遠かったので「ふーん」くらいの感想しかなかったのですが、本書のインタビューを読むと、経験人数300人以上、中学から麻薬や修羅場を経験し、年上のレズビアンの女性に貢がせたりと、なかなかすさまじい話です。ほかの女優たちも、内田春菊の『ファザーファッカー』も顔負けの家庭で生まれたとか、真性のド変態だったりとかのエピソードが並びます。
著者の「優しさ」が彼女たちの本当の言葉を引き出した、というのは、やはり誤解を招く言い方なのだと思います。本書に収められたインタビューは、解説の大槻隆寛さんが引いている言葉によると、「AVに出てダメになった女の子たちを私はこんなに温かく見守ってるんですよ、みたいな調子で書いている記事」とはまったく異なっています。彼女たちを「決めつける」ことなく、まっすぐに向き合う著者の真摯さが本書を可能にした、というのが正しいのだと思います。
ただ、本書はやはり、AV女優という職業が「日陰の仕事」だった時代の本という印象を受けます。むろん今でも実態はそれほど変わっていないのだと思いますし、不況が長引いていることを考えれば、もっと不幸な環境で育ってきた女優も少なくないのかもしれません。ただ今のAVの消費者は、女優の本当の生きざまに迫る本書のような作品を求めることはないような気がします。蒼井そら以降の、「セクシータレント」としてテレビに露出し、ブログなどを通じて求められるキャラクターを演じているようなAV女優たちのファンは、イメージからかけ離れたシリアスな暴露話にはむしろ引くのではないでしょうか。今思うと、もしかすると穂花あたりは、本書に登場する女優たちがまとっていた凄味の残光くらいは持っていたのかもしれないという気がします。 -
過去から現在に至るまで「AV女優」という存在は男性理想の女性のインスタント版としての活動が目立っています。
そんな彼女達の暗黒面をあぶり出した(?)記念碑的作品が本書。 -
1991年から96年にかけて、AV女優のインタビュー記事をまとめたのが本作品である。印象にのこったのは刹奈紫之嬢のインタビュー記事である。この女、村上龍の『コックサッカーブルース』を地でいっている。インタビュー記事の内容が恐ろしく極似しているのだ。
『コックサッカーブルース 』が1991年に出版されていることから鑑みても多分、憶測だがモデルはこの女だと勝手におもってしまう。そのぐらい異常な世界を小説ではなく、現実で体現しているのは凄い。凄すぎて芸術の域まで到達しているといえる。芸術なのだと思って観ればまた違った味わいがあるのかも知れない。
永沢光雄の作品
本棚登録 :
感想 :
