レキシントンの幽霊 (文春文庫 む 5-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167502034

感想・レビュー・書評

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  • 村上春樹の小説に初挑戦。いくつかの有名な長編小説ではなく7話の短編集から入ったのですが、はっきり言って無理。
    7話とも何がいいのかさっぱりわからないのは、自分の感性が世の中について行かないのかと思って落ち込みそうです。
    何とか理解するために有名な長編小説を読んでからもう一度読み直してみようかなとも思っているところです…。だいぶ先になると思いますが。

  • 村上作品に挑戦しようと短編集から入りましたが...
    まだまだ自分の読む力が不足しているのですね。


    内容(「BOOK」データベースより)
    古い屋敷で留守番をする「僕」がある夜見た、いや見なかったものは何だったのか?椎の木の根元から突然現われた緑色の獣のかわいそうな運命。「氷男」と結婚した女は、なぜ南極などへ行こうとしたのか…。次々に繰り広げられる不思議な世界。楽しく、そして底無しの怖さを秘めた七つの短編を収録。

  • 最初のレキシントンの幽霊以外ほぼよくわかんない。

  • あまり得意でない村上春樹の世界観
    短編集ならいけるかなと思って久しぶりに手に取りました。

    未熟者なもので分からないことも多かったんだけど
    「氷男」「七番目の男」「めくらやなぎと眠る女」が印象的だった。

    でもやっぱりまだ私には早い世界だと再実感した

  • 「村上春樹」の短篇小説集『レキシントンの幽霊』を読みました。

    『遠い太鼓』、『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』に続き「村上春樹」作品です。

    -----story-------------
    氷男は南極に戻り、獣はドアの隙間から忍び込む。
    幽霊たちはパーティに興じ、チョコレートは音もなく溶けてゆく。

    古い屋敷で留守番をする「僕」がある夜見た、いや見なかったものは何だったのか?
    椎の木の根元から突然現われた緑色の獣のかわいそうな運命。
    「氷男」と結婚した女は、なぜ南極などへ行こうとしたのか…。
    次々に繰り広げられる不思議な世界。
    楽しく、そして底無しの怖さを秘めた七つの短編を収録。
    -----------------------

    怖い… というよりも、ちょっと奇妙で不思議で幻想的な物語、7篇が収録されています。

     ■レキシントンの幽霊
     ■緑色の獣(英題:The Little Green Monster)
     ■沈黙(英題:The Silence)
     ■氷男(英題:The Ice Man)
     ■トニー滝谷(英題:Tony Takitani)
     ■七番目の男(英題:The Seventh Man)
     ■めくらやなぎと、眠る女(英題:Blind Willow, Sleeping Woman)
     ■あとがき


    『レキシントンの幽霊』は、友人「ケイシー」の住むボストン郊外レキシントンの古い屋敷の留守番を頼まれて、一人で屋敷で泊まりこんだ際に「僕」が経験した奇妙な物語を描いた作品、、、

    留守番の初日、2階の寝室で寝ていた「僕」は、誰かが階下にいる気配を感じ目が覚める… 廊下に出ると、話声や音楽、人々が踊る音がはっきり聞こえる。

    何らかの侵入者かと推測し、階段を玄関ホールまで降りていき… そこで幽霊だということに気付く、、、

    結局、幽霊が現れたのは初日のみ、その後、明らかになる母親が死んだ際に父親が寝込んだこと、父親が死んだ際に「ケイシー」が寝込んだことと関係するんでしょうが… ゾクッとする面白さは感じつつ、結果が明示的に記載されていないので、少し消化不良な感じでした。


    『緑色の獣』は、夫を仕事に送り出した後「私」が自宅の庭で経験した奇妙な物語を描いた作品、、、

    窓辺の椅子に座り、庭にあるお気に入りの椎の木を眺めていると、椎の木の根元の地面が盛り上がり、地面が割れ、尖った爪を持った緑色の獣が地下から這い出してきて、獣は鼻の先を器用に使ってドアの鍵穴を開け、ドアから室内に鼻先を突っ込んでくる… そして、「私はここにプロポーズに来た」と話し始める。

    「私」は、惨酷な想像をすることが獣にダメージを与えることに気付き、想像の中で獣の体を苛み、切り刻むことで獣を消し去る、、、

    うーん、『レキシントンの幽霊』以上に理解不能… そもそも、意味を考えちゃいけないのかも、魔訶不思議な物語として、さらっと流した方がイイ感じですね。


    『沈黙』は、天候不順で遅延している飛行機の運航再開を待ちつつ世間話に興じていた「僕」と職場の先輩で31歳の「大沢」が本当に怖いのはどんな人間なのかを語り合う物語、、、

    会話の中で「僕」は「大沢」がボクシング経験者と知り、大沢の普段のイメージとのギャップから「これまでに喧嘩をして誰かを殴ったことはありますか」と訊ねてみたところ、「大沢」はしばらく沈黙した後、おもむろに自分の過去について語り始めた。

    中学二年生の時、一度だけ殴ってしまった同級生「青木」との間で起きた中高時代の出来事… 「青木」の煽動によりクラスメイトから無視されるようになって苦悩したことやその後の人生について、そして本当に怖いのはどのような人間かについて、、、

    虐めの本質を突いた作品でしたね… 本当に怖いのは無批判で他人(強者)の意見を受け入れ、そのまま信じ、踊らされて集団で行動する連中なんですよね。

    身につまされる想いを感じる作品でした。


    『氷男』は、「氷男」と結婚した「私」が経験した奇妙な物語を描いた作品、、、

    両親や親せき、友人から反対され誰にも祝福されない結婚… 「氷男」は戸籍を持たなかったので入籍さえせず、自分たちは結婚したのだと決めただけだった。

    同じことの繰り返しの日々に退屈した「私」は、ある日、「氷男」に気分転換にどこか旅行に行こうと誘う… 「私」は旅行に乗り気ではない「氷男」のために寒い南極行きを持ち出したが、出発前に後悔し始める、、、

    「氷男」に向かって、やっぱりやめましょうよと言うが、その願いは聞き入れられず二人は南極へ… 南極の人たちはみんな「氷男」に好意を持って接し、「氷男」も南極語で冗談を言ったり議論をしたりして楽しそうに過ごしている。

    しかし「私」の語る言葉は南極に住む人たちにはひとことも理解できない… 二人を運んだ飛行機が飛び立ったあと、飛行場に着陸する飛行機はもう一機としてなかった、、、

    春までの間、南極に留まることになるが、「私」は妊娠し、「氷男」の子どもを身籠る… そして「私」の子宮は凍りつき、羊水には薄い氷が混じり始め、身体の温もりは失われていき、「私」は私たちの新しい一家が南極を出ることはないと確信する。

    うーん、不思議で捉えどころのない作品です。


    『トニー滝谷』は、ジャズトロンボーン奏者「滝谷省三郎」を父親に持ち、出生時に母親を失い孤独を抱えて成長した「トニー滝谷」の半生を描いた物語、、、

    「トニー」はイラストレーターとして才能を発揮し、その道で成功を収め、着こなしの美しい娘に恋をし結婚するが、妻の度を越した衣服に対する執着は彼女を死に追いやってしまう… 「トニー」は亡き妻の大量の衣服を着てくれる女性を雇おうとするが、やがて部屋いっぱいの衣服は妻の存在の影に過ぎないことを感じ、女性に断りの電話を入れて妻の衣服をすべて売り払う。

    父の死後、その遺品である膨大なレコード・コレクションを売り払ったとき、「トニー」は自分が本当に独りぼっちになったことを知る… うーん、連続して捉えどころのない作品でした。


    『七番目の男』は、或る夜に話をすることになっていた5代半ばの七番目の男が語る話を描いた物語、、、

    彼の話は、波と波にさらわれた友人と犬にまつわる話だった… 彼は、目の前で友人が波にさらわれた海岸でこのまま暮らし続けることはできないと両親に訴え、両親から離れ父親の実家のある長野県の小諸に移り住んだ。

    彼は海だけでなく湖や川には一切近付かない生活を送っていたが、友人を喪った事件を忘れることができず、定期的に悪夢を見てうなされる… 地元の学校に通い、長野市の大学を経て、地元の精密機械の会社に就職した彼は40年以上、故郷のS県に戻っていなかったが、昨年の春、彼は意を決し、友人のさらわれた海岸を再訪する。

    そこで気持ちは吹っ切れるのですが… それまでの展開が、怪談的な恐怖を感じさせる作品でした。


    『めくらやなぎと、眠る女』は、従弟の耳の治療に付き合い、従兄と一緒にバスに乗って耳鼻科に向かった「僕」が、かつて友人のガールフレンドが胸の手術をして入院していた際に、友人と見舞ったときのことを回想しながら、現実と回想を行き来する物語、、、

    友人のガールフレンドが考えた、めくらやなぎと眠る女の物語と、従兄の耳の病気のことが交錯しながら物語は展開します… 現実と虚構の境目が分からなくなる不思議な作品でした。


    読んでみて感じたのは、やはり自分の読解力や想像力では、「村上春樹」作品は充分に理解して愉しむことは難しいなぁ… ということかな、、、

    さらっと流して読むだけなら、そこそこ面白味もあるし、それなりに愉しめますが… 本当に作者が伝えたいことって、やっぱりわからないです。

    そんな感じですが… 理解できた範囲では『沈黙』と『七番目の男』が印象的でしたね。

  • 分からない。なぜ買ったのか?何か引かれる紹介文でも読んだのか?
    読んでみても分からない。どの辺が評価されているのか?
    文章は読みやすく素直で美しい。
    不気味さや幻想的な雰囲気や不思議をさりげなく語るお話たちを、面白く読み進んだ。
    でも、何も残らない。読み返したいと思わない。
    文学賞をいくつもとった人、受賞作を読んでみるべきだな。

  • 不思議なお話がつまった短編集。

  • 2019/9/30読了。

  • 全体的に独特な悲哀が漂っていた

    レキシントンの幽霊、緑色の獣、沈黙、氷男、トニー滝谷、7番目の男、めくらやなぎと眠る女

  • 2016.11 本棚整理のため再読

    めくらやなぎと眠る女のショートバージョン以外はもう一度読みたいような作品なし。

著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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