- Amazon.co.jp ・本 (686ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167527051
作品紹介・あらすじ
カリフォルニア北部の美しい海辺の町ムーンライト・コーヴ、ここでコンピューター会社を経営する天才的頭脳の持主シャダックは、「新しい人類」による「新しい世界秩序」の樹立を夢みている。その彼にも予期できなかった変事が町を襲った。人間の手にかかったとは思えない不審な死体が、次々と発見されるのだ。傑作SFホラー。
感想・レビュー・書評
-
面白かった。こういうのを読むと、小説の古さって、舞台設定に出てくるテクノロジーとかではなくて、人と人のありようなんだな、と思った。感情をなくした人間はもはや人間ではないというローマンの煩悶や、ヴェトナム帰還兵であるハリーの言葉など印象に残った。にしても、これをホラーとして楽しむためには日常にある程度、安心感や信頼感があればこそで、そういう意味では80年代って無邪気な気もした。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ビル・ゲイツをイメージしながら読んでしまった。
-
カリフォルニア北部、海沿いの町ムーンライト・コーヴ。この美しく小さな町で起きた不可解な事故死や自殺騒動を追ってFBIの特別捜査官とドキュメンタリー映画の女流監督がやって来る。彼らは町の中に異形の影を眼にし、次第に町全体を覆う陰謀に巻き込まれて行く。一方、町を実質的に支配するコンピューター企業のオーナー、シャダックは自らの理想に従い「新しい人類」による「新しい世界秩序」樹立の計画を推進していた。完璧と思われた計画はしかし、思わぬ綻びによって予想だにしない方向へと向かう……。
マッド・サイエンティストがハイテクによって「超人類」を作り出す―このモチーフはSFホラーでは良く用いられているし、中盤まではソールの「ブレイン・チャイルド」や「クリーチャー」を思い起こした。確かに“退行”による獣人の形態はそう目新しいものではないのだが、後半に登場するもう一つの“退行”の形態は想像を絶するほどにおぞましい。
「転換」させられた人間は生体機構も常人とは格段の進歩を見せてはいるのだが、ある一つの感情を除いて全ての感情を失っている(感情など邪魔なものとして考えられた故)。月並みな言い方だがテクノロジー偏重主義への警告も、この作品に込められたメッセージの一つなのだろう。同時に「感情」というものが、人間とそれ以外の動物とを隔てる上でいかに重要かを思い知らされる。
クーンツらしさあふれる長編。 -
7/31/2011 読了
シェムリアップーシアヌークビルーバンコク
ミステリーかと思ったらエイリアン系。 -
00mmdd読了