ファーザーランド (文春文庫 ハ 10-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (582ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167527181

感想・レビュー・書評

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  • 第二次大戦でナチスが勝利した後の1960年代という歴史改変サスペンス。ナチス高官が殺された事件を刑事警察の主人公が捜査するうち、国家の陰謀に巻き込まれていく。

    史実の脚色具合は門外漢なので判断できないが、舞台設定は概ねヒトラーの(叶わなかった)構想に沿ったものとのこと。刑事警察(クリポ)と秘密警察(ゲシュタポ)の確執などは確かにリアリティがあるし、刑事警察の主人公に対する市民や外国人の態度は、国家権力に対する畏怖の念が伝わってくる。

    ぶっ飛んだ設定やガジェットなどは登場しないが、舞台設計や改変された文明のシミュレーションは面白い(実際にナチスが行ったという少子化対策の成果が出ていて、主人公の友だちなどは子供が四人いたりする)。

  • まるで映画を観ているような印象です。場面毎にその緊張感、切迫感などのスリルが読んでいて感じとれました。

    ナチスドイツが第二次大戦に勝利して、1964年にヨーロッパ全土を支配下に治めているという設定。そこに暮らすドイツ人たちは、ユダヤ人虐殺については知らないのか知っていても目をつぶっているというような立場。
    そこで古参のナチ党員の死体が発見されて…

    どんどん展開されていきます。こういった歴史のifというか、パラレル的な物語はすごい興味をそそられます。
    最近(2013年)もドイツで、ヒトラーが現世に甦ったら…みたいな本が出版されたみたいで、あちらではベストセラーみたいですね。そちらも早く翻訳されて、読める日が来るといいです。タイトルなんていうか忘れてしまいましたが。
    長々失礼しました。

  • 第二次世界大戦に勝利したドイツが欧州の盟主になっている世界で起こる殺人事件の話。
    被害者が古参ナチ党員だったり犯人がゲシュタポ絡みだったりするんです。

  • 第二次世界大戦でドイツが勝利していたというパラレル・ワールドの物語。ナチスが政権を握るドイツで、殺人事件を追う刑事。その捜査がやがて、国民には知らされていなかった、ユダヤ人のホロコーストの真相を突き止めるまでに至るというもの。主人公のクサヴィアー・マルヒ(ツァヴィ)はどちらかというと、反体制的(消極的ではあるが)な、ベルリン刑事警察捜査官。愛するシャーロット・マグワイアを逃すため、彼女の居場所とは正反対の地へ、ゲシュタポたちを導いていくところが泣かせる。

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著者プロフィール

1948年横浜生まれ。作家、ラジオ・ナビゲーター。1971年上智大学卒業、東南アジアを放浪し、バリ島に1年、オーストラリアにのべ16年滞在する。シドニーでは、書店&画廊「エグザイルス」を経営した。香港で映画製作にたずさわり帰国、FMラジオ・J-WAVEなどのナビゲーターとして注目され、執筆業でも活躍。著書に『エグザイルス 放浪者たち すべての旅は自分へとつながっている』『ワイルドサイドを歩け』『人生の100のリスト』『英語なんてこれだけ聴けてこれだけ言えれば世界はどこでも旅できる』などがある。

「2018年 『JJ 横浜ダイアリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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