将軍の娘 上 (文春文庫 テ 6-7)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167527297

感想・レビュー・書評

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  • 初めてのネルソン・デミル作品。まだ、上巻だが傑作の看板に偽り無し。
    主人公は将軍でも逮捕出来る特権を持つ陸軍犯罪捜査部所属の捜査官。明らかに階級が上の相手に、ある程度の敬意を表しつつも遠慮なくズケズケと踏み込む尋問の爽快感。さらに相棒となったのは昔の恋人で、事件はエリート美人大尉でありしかも将軍の一人娘が手足を杭で縛られ全裸で絞殺されるという猟奇事件。軍内の上下関係がよくわかる緻密なストーリー構成といいウィットに富む会話などミリタリーミステリー小説のお手本のような作品。
    下巻も楽しみです。

  • デミルの作品がアメリカで受ける。
    これはよく考えたらすごいことだと思う。
    自身ヴェトナム戦争を経験し、その時の軍隊経験を基に軍隊を舞台にしたミステリを物しているが、軍隊に向ける眼差しの厳しさは半端じゃない。『誓約』のときもそうだったが、今回扱われているテーマは被害者である将軍の娘が基地のほとんどの将校と体の関係を持っている淫売として描かれ、しかもそのセックス描写についても手を抜かず、ポルノ小説を読んでいるかのごとくである。
    通常高潔とされる将校を嘲笑っており、よほど自分の軍人時代に人間の卑しさ、醜さを観たのだろうと思う。

    今回はこの将軍の娘のレイプ殺害事件の真相をブレナーという陸軍犯罪捜査部の准尉がかつての愛した相手シンシアと共に、階級を超えて縦横無尽に駆けずり回り、明らかにするという内容。しかもFBIの介入が成されるまでのわずか4日間半で解決しなければならないというタイムリミット的サスペンスまで加えているのが贅沢だ。
    しかも外部機関による解決は先述の基地内部の将校全てが肉体関係を持っている事を開示させる危険性も孕んでいるというスキャンダラスな内容である。
    (下巻の感想に続く)

  • 有名な作品なので、あらすじなどの記載はしません。

    同じ作者の他の作品と比べて、ブレナーは女性にちょっと弱い?ほかの作為hんに出てくるコーリーと比べて、主導権を観戦には握っていない感じがしました。

    まだまだ真相は暗闇の中。薄明かりさえ見えていません。

  • 将軍の娘、乱れとる。

  • 何というかちょっと意外でした。一人称で語られる物語は、軍事施設の中で女性の軍人がレイプされて殺される、というショッキングな始まりなのに、この語り部が軽いというか軽妙なので、重苦しくならないんだよね。

  • ハリウッド映画化されたと思う。軍隊に男も女もごちゃ混ぜにして、セックスの問題が起こらないほうがおかしいだろ、と思っていたがやっぱりね。アメリカ軍もよくやるよ。男女同権だのって結局義務も同様に課せられるわけだし、戦争にも女が狩りだされるんだね。
     主人公は軍人てなわけでいつもの軽口、冗談が少ない。デミルの作品はこれが面白いんだけどね。軍隊ものは固くっていけねえ。

  • デミルの最高傑作のひとつ ポール・ブレナー・シリーズ

  • ネルソン・デミルは、「王者のゲーム」など秀作を多く世に出しているストーリーテラーである。彼の作品というだけで期待がもてる。 その彼の持ち味である人間臭さを全面に出したのが本作品である。 上巻は、将軍の娘であり全米陸軍のイメージガールとも言えるアンキャンベルの変死体が発見された。たまたま基地に別件の操作で潜入していた陸軍犯罪捜査官ブレナー准尉が捜査を開始、同じく偶然に居合わせた同僚かつ昔の恋人シンシア准尉とともにそれこそ寝食を忘れたように捜査を開始する。猟奇的な犯罪現場から滲み出す酷悪な事実。ブレナー准尉の推理が冴える。

  •  とてもおもしろかった。よくも悪くも、ハリウッド映画原作向けの小説といった印象。大味で、会話がおしゃれ。シンプルな筋書きで分かりやすく、軍隊内部が舞台なことで〈一般社会と異なるルールを持つ、特殊な社会〉という制約がついて話がおもしろくなっていったと思う。将軍の娘の正体が次第に明らかになっていくところはちょっと切なかった。
     欲を言えば、もうちょっとキャンベル大尉や主人公はじめ、登場人物に深みを与えてほしかったなあ。軽妙洒脱なのがデミルの最大の長所なのかもしれないけど。もんもん。

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