• 文藝春秋 (2001年3月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784167527709

作品紹介・あらすじ

 パク・チャヌク監督、イ・ビョンホン主演映画『しあわせな選択』原作。
 アメリカン・ミステリーの巨匠の代表作。

 2001年度「週刊文春ミステリーベスト10」第3位、「このミステリーがすごい!」第4位。
 ゼロ年代ミステリーの戦慄の名作。

 リストラで長年勤めた製紙会社をクビになったわたしは、妻子のために、ある犯罪計画を決意した。わたしと同じようなキャリアを持つライバルを一掃する計画である。わたしだったらきっと応募するだろう中途採用の求人広告を出し、届いた履歴書の中から自分より優秀な者たちを選び出し――

 殺す。そうすればライバルは減る。

 こうして優秀なビジネスマンにして心優しい夫であり父であるバークは、殺人に手を染める。恐怖に震え、段取りを間違え、返り討ちされそうになり……そうした殺しを重ねるうちに、彼のなかの殺人者が目覚めはじめる。果たして彼と彼の家族に穏やかな幸福の日々は戻ってくるのか?

みんなの感想まとめ

テーマは、リストラされた中高年の男が抱える切実な悩みと、それに伴うブラックコメディの要素です。主人公は、家族を守るために思わぬ犯罪計画に手を染めることになり、その過程で彼の中に潜む狂気が徐々に目覚めて...

感想・レビュー・書評

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  • 最初からずっと間違ってて笑けてくるんだけど、本人は至って切実で。この役を이병헌がするんだったら絶対面白いからもう今から映画が楽しみ!

  • じわっと面白いブラックコメディ。初期の筒井康隆を彷彿とさせる。
    そんな都合よく展開するかよと呟いてしまいそうなほど荒唐無稽なんだけど、細部に妙なリアリティもあって、おっさんには楽しめる作品ではないか。誰もが感じるモヤっとした悩みには不思議と感情移入ができてしまい、案外洋の東西を問わないのだと思った。単調にならないように挟み込まれるエピソードもまた素晴らしい。

  • 読んでいて気持ちの良い話しでありません。しかし、自身のライバルとなるものを探し出し(この手法は必見!)、ミスをリカバリしながら目的=犯罪を達成していく主人公の姿には、興味を惹かれてしまうのです。

  • 自分から仕事を取ってしまったらどうなるのか。もちろん仕事が全てではないだろうけど、子どもも小さい今、仕事によって得られるもの、もちろん主にお金が失われてはやはり暮らしていくには厳しいだろうな。そうしたらどうするのか。まぁ今は想像するだけなんだけども、きっとなんでもやるだろうな。昔上司が殺人以外なら何をやっても良いと言ったとかなんとか。どうだろうか、それ以外なら何でもやるだろうか。いやもしかしたら人を殺すことで何かを得られるならそれを想像しないでいられるだろうか。もし得られるものが大きいとしても、きっと自分は踏みとどまる。まぁ普通ね。
    でもそれをやりきる人もいるんだろう。何でもやるという言葉に嘘もなく。家族のため、自分のために立ち上がり、この世界を牛耳る資本主義に真っ向から戦いを挑み、そして勝利する。カッコ良いじゃないか。
    この本はきっと世の中で頑張るお父さんたちに向けた賛歌であり、迷わず行けよ、行けばわかるさ、と言った猪木の言葉も今ならきっと理解できるのである。

  • 1997年の作品。リストラされた中年男性が、再就職に際しライバルとなる人物を殺していく話。連続殺人なのだが、ミステリーではなくコメディである。主人公が冷静にためらいもなくどんどん人を殺していくのがびっくりするが、殺人鬼でもなく狂気じみているわけでもなく普通に殺すところがおもしろかった。

  • 自分の再就職の為にライバルになる候補者を殺す、という話。
    もっていきかたによってはただの下衆な主人公なのだが、ソフトな文体で主人公が徐々に殺人のプロになっていく姿が描かれているので特にグロくない。
    家族の問題で懊悩する様も違った側面からの主人公像が見れて良い。
    ただ、読後の満足感は微妙。
    失業者の心境は少しゾッとした。

  • 失業社会に警鐘を鳴らす作品。

    リストラされたビジネスマンが就職活動の邪魔になりそうな元同業者を次々と殺していくという話。主人公は天性の殺人者のようで、行き当たりばったりの犯行のくせに次々と殺人を成功させていく。裏表紙などでは「戦慄のノワール」「シリアスな犯罪小説」と紹介されているが、ほとんどブラックユーモア、というかギャグ小説である。しかし、失業率が上がっている現代日本社会の状況を考えると、現実にこんな事が起こっているのかもしれないという考えが頭をよぎってしまい、単純に笑い飛ばすことができない。経営者の皆さん、人命を守るためにもリストラは止めた方がいいです。

  • リストラされた主人公が、再就職のときライバルになると目される、自分と同じような経歴の人間たちを殺そうと決意する。
    行き当たりばったりの殺しながら、続けていくうちに計画的になっていき、主人公の頭は冴えてくる。
    しかし、それは出発点やゴールが間違った道。踏みとどまるチャンスは何度も訪れるが、意図的にか気づかないのか、主人公は見送ってしまう。
    教訓くさいことは何も含まれない、純クライムノベル。

  • ハッピーエンド?
    こんだけの行動力があればもう企業とかしたが良いのではとか思ってしまった。ある意味痛快です(笑)

  • 私の評価基準
    ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版
    ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも
    ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ
    ☆☆ 普通 時間があれば
    ☆ つまらない もしくは趣味が合わない

    2010.11.8読了

  • 父さんから「つまらないよ」との前フリを頂いていた。家にこれしか小説が無くてしょうがないから読んだ。
    誤訳かどうかわからんが意味が通じず気持ち悪い日本語多し。内容に触れる以前の問題だなあ。
    主人公が日本人のニートならきっと面白いんだろうって設定。

  • リストラされて職探しを始めた男が主人公。
    傑作です。

  • 人生には大きな波があるという考えに、両端の人々――貧しい人々と非常に裕福な人々――は慣れている。今はうまくいっているが、次はうまくいかない。しかし、中流階級は生きているあいだの滑らかな進展に慣れている。われわれは高水準をあきらめているので、そのかわりに低水準から守られるべきだ。われわれは会社に忠誠を尽くすかわりに、会社からは死ぬまで滑らかな人生を保障されるべきだ。現状はそうではないので、われわれは裏切られたように感じるのだ。

  •  失業者が殺人者に。

     「自分たちが少しずつすべり落ち、それが毎月毎月続き、毎年毎年続き、かつて楽しんでいた支払い能力と安全保障と自尊心の水準には二度と戻れないかもしれないとわかったとき、われわれは当惑する。本当に当惑するのだ」

  • 今年の春,この本を原作にしたコスタ・ガヴラス監督の『Le Couperet(斧)』を先に観てたので,読んでみた。リストラでクビになった男が,元のポストに復帰するために再就職のライバルを殺していく…という,内容はサスペンスものなのに,映画のほうはジョゼ・ガルシア(←どちらかといえばコメディ俳優)が主演。でもウェストレイクがコメディ・ミステリの人だと知って,なるほどそういうテイストかと納得。日本では中高年のリストラより新卒採用の縮小のほうが大きかったし,主人公と同じような境遇の人は,なんだかんだ言って実際には多数派でないように思えるので,あまり流行らないかもしれないけど…

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著者プロフィール

木村二郎(きむら じろう)

1949年生まれ。ペイス大学社会学部卒。82年にマルタの鷹協会日本支部を創設。ハードボイルド小説をはじめとする多数のミステリーの翻訳、創作、評論(木村仁良名義)で活動。訳書に、ウェストレイク『ギャンブラーが多すぎる』(新潮文庫)他。著書に『逃亡者と古傷』(扶桑社)他。評論に『おれって本当にハードボイルド探偵なの?』(扶桑社)他。

「2022年 『七つの裏切り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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