斧 (文春文庫 ウ 11-1)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167527709

作品紹介・あらすじ

わたしは今、人を殺そうとしている。再就職のライバルとなる元同業者6人を皆殺しにする。この苦境を脱する手は他にないのだ-リストラで失職したビジネスマンが打った乾坤一擲の大博打は、やがて彼の中の"殺人者"を目覚めさせてゆく。ハイスミスやトンプスンに比肩する戦慄のノワール。ミステリの名匠の新たなる代表作。

感想・レビュー・書評

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  • 読んでいて気持ちの良い話しでありません。しかし、自身のライバルとなるものを探し出し(この手法は必見!)、ミスをリカバリしながら目的=犯罪を達成していく主人公の姿には、興味を惹かれてしまうのです。

  • 自分から仕事を取ってしまったらどうなるのか。もちろん仕事が全てではないだろうけど、子どもも小さい今、仕事によって得られるもの、もちろん主にお金が失われてはやはり暮らしていくには厳しいだろうな。そうしたらどうするのか。まぁ今は想像するだけなんだけども、きっとなんでもやるだろうな。昔上司が殺人以外なら何をやっても良いと言ったとかなんとか。どうだろうか、それ以外なら何でもやるだろうか。いやもしかしたら人を殺すことで何かを得られるならそれを想像しないでいられるだろうか。もし得られるものが大きいとしても、きっと自分は踏みとどまる。まぁ普通ね。
    でもそれをやりきる人もいるんだろう。何でもやるという言葉に嘘もなく。家族のため、自分のために立ち上がり、この世界を牛耳る資本主義に真っ向から戦いを挑み、そして勝利する。カッコ良いじゃないか。
    この本はきっと世の中で頑張るお父さんたちに向けた賛歌であり、迷わず行けよ、行けばわかるさ、と言った猪木の言葉も今ならきっと理解できるのである。

  • 1997年の作品。リストラされた中年男性が、再就職に際しライバルとなる人物を殺していく話。連続殺人なのだが、ミステリーではなくコメディである。主人公が冷静にためらいもなくどんどん人を殺していくのがびっくりするが、殺人鬼でもなく狂気じみているわけでもなく普通に殺すところがおもしろかった。

  • 自分の再就職の為にライバルになる候補者を殺す、という話。
    もっていきかたによってはただの下衆な主人公なのだが、ソフトな文体で主人公が徐々に殺人のプロになっていく姿が描かれているので特にグロくない。
    家族の問題で懊悩する様も違った側面からの主人公像が見れて良い。
    ただ、読後の満足感は微妙。
    失業者の心境は少しゾッとした。

  • 失業社会に警鐘を鳴らす作品。

    リストラされたビジネスマンが就職活動の邪魔になりそうな元同業者を次々と殺していくという話。主人公は天性の殺人者のようで、行き当たりばったりの犯行のくせに次々と殺人を成功させていく。裏表紙などでは「戦慄のノワール」「シリアスな犯罪小説」と紹介されているが、ほとんどブラックユーモア、というかギャグ小説である。しかし、失業率が上がっている現代日本社会の状況を考えると、現実にこんな事が起こっているのかもしれないという考えが頭をよぎってしまい、単純に笑い飛ばすことができない。経営者の皆さん、人命を守るためにもリストラは止めた方がいいです。

  • リストラされた主人公が、再就職のときライバルになると目される、自分と同じような経歴の人間たちを殺そうと決意する。
    行き当たりばったりの殺しながら、続けていくうちに計画的になっていき、主人公の頭は冴えてくる。
    しかし、それは出発点やゴールが間違った道。踏みとどまるチャンスは何度も訪れるが、意図的にか気づかないのか、主人公は見送ってしまう。
    教訓くさいことは何も含まれない、純クライムノベル。

  • ハッピーエンド?
    こんだけの行動力があればもう企業とかしたが良いのではとか思ってしまった。ある意味痛快です(笑)

  • 私の評価基準
    ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版
    ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも
    ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ
    ☆☆ 普通 時間があれば
    ☆ つまらない もしくは趣味が合わない

    2010.11.8読了

  • 父さんから「つまらないよ」との前フリを頂いていた。家にこれしか小説が無くてしょうがないから読んだ。
    誤訳かどうかわからんが意味が通じず気持ち悪い日本語多し。内容に触れる以前の問題だなあ。
    主人公が日本人のニートならきっと面白いんだろうって設定。

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