- Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167528010
作品紹介・あらすじ
平安時代。闇が闇として残り、人も、鬼も、もののけも、同じ都の暗がりの中に、時には同じ屋根の下に、息をひそめて一緒に住んでいた。安倍清明は従四位下、大内裏の陰陽寮に属する陰陽師。死霊や生霊、鬼などの妖しのもの相手に、親友の源博雅と力を合わせこの世ならぬ不可思議な難事件にいどみ、あざやかに解決する。
感想・レビュー・書評
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「ゆこう」「ゆこう」 そういうことになった。
たくさんの人がレビューに書かれていた独特のテンポ、どっぷりハマりました。
嫋。嫋。琵琶の音色、このような表現も有るのですね。見事としか言えないです。
平安の情景に、羨ましく思える関係性の二人が、それぞれ鮮やかに描かれています。
二人とも「よい漢だな」。
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このシリーズは読んだことがなかったが想像していたのと違った。とはいえ探偵モノをベースに過去の文献と絡めて書き上げたのだとおもうが、テンポが良くて読みやすい。あとがきで長編も書きたいと書いていたが、あるのか知らないが長編も読んでみたい。
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ドラマなどでは観たことがあったけど、本を読むのは初めてでした。闇が闇として残っていた時代。人も、鬼も、もののけも、同じ都の暗がりの中に、時には同じ屋根の下に、息をひそめて一緒に住んでいた時代。運命とか霊魂とか鬼とか、そういうもののことに深く通じていて、そのようなあやかしを支配する技術を持っている人―陰陽師である。
陰陽師、安倍晴明のことを、友人である源博雅の視点で語られている。
鬼が出てきたり、式神が出てきたり…深い闇の中、厳かな空気をまとった不思議な世界にどっぷりと浸って読み進めました。少し怖いけど、見てみたい世界です。 -
大好きなシリーズ。
手持ちの本で1番読んでいるのはこのシリーズだと思う。
文体も、空気感も、言葉のやり取りも、全部たまらない。静かで、ゆったりと、間が素晴らしい。
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ゆこうゆこう、そういうことになった。謎のテンポ。気になる…。時代も場所も違うけどシャーロックホームズみたいな感じする。ご飯食べる→ゆこうゆこう→晴明の言う通りʕ•ᴥ•ʔって言う毎度のサイクルなのにそれが何となく可愛らしくて面白かった。次も読むの楽しみ。
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「在るということが一番の不思議だぞ」という話の流れがいっとうに好きだ。人には意識があって、丹精込めて何かを作りあげたそれを大事に思えばそこに何かが宿っても不思議ではないであろうし、そうしたらほとけさまあたりは、そりゃあ時を越えて幾許の人に拝まれているのだから何かしらは、と思い馳せる。無い、とは言えないからこそ、在るということが不思議で。ただそこに、在る。ということが。偶然出会った人がいまだに目の前にいることも、偶然、そこに石ころがあることすら。何が必然で、何が偶然か、なんて、そこに意味を含ませてゆくのは結局、人なのだな、と。「白い闇だ」という表現にはっとした。どこまでも深く、積もる。切ない闇だ。
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今までちょっと敬遠をしていたのですが、
想像していたような堅苦しさがなく、読みやすかったです。
気軽に平安時代の闇の中へすべりこめるような感覚が好きです。 -
安倍晴明がほんとにまじで可愛いのでめちゃくちゃオススメです。このシリーズ大好き。
博雅と晴明の掛け合いが、仲の良さが、最高に尊いです!落ち着いてて博雅のことが好きで何でも知ってて飄々と平安の世を生きる安倍晴明です、う〜〜んかわいい!!♡
博雅のことを待ってる晴明も、いつもは「うむ」とか「そうさな、」なのに小さい相槌は「うん」って言う晴明も、いつもは上品で礼儀正しい外づらを持ってるくせに博雅の前では礼儀正しくなくなる晴明も見れます!!
2人の会話パートが、ゆるゆると時が流れてて落ち着くのですき -
時代物は苦手意識があったけど、これは全くそんなことなくて、超面白かった。
ざっくり言うと、イケメン陰陽師と朴訥な武士がタッグを組んで怪事件を解決していく話(言い方雑すぎ)
強いて言うなら呪の話が最後まで自分にとっては理解が難しかったけど、エンタメとしてかなり面白かった!安倍晴明、実際はどんな人だったのか気になる。
個人的に、ふたりが現場に行く前に「ゆこう」「ゆこう」って言い合うの好きでした。あとくちなしの話がちょっとお茶目で好き。
著者プロフィール
夢枕獏の作品





