鳥葬の山 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (1993年12月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784167528027

作品紹介・あらすじ

チベットで鳥葬に立ち会ってからというもの、毎夜夢に現れる面妖な光景……。怪奇、幻想が広がる表題作ほか、「羊の宇宙」「渓流師」「超高層ハンティング」など七篇を収録。(中島らも)

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

幻想的で神秘的な世界観が広がる短編集は、読者を夢の中へと誘います。特に表題作では、チベットの鳥葬を通じて生と死の深いテーマが描かれ、自然との一体感や人間の存在意義について考えさせられます。作品には、恐...

感想・レビュー・書評

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  • 得意のブックオフ徘徊…
    ちょっと前に読んだ夢枕さんのが良かったのと、カバーのイラストとタイトルが気に入って…
    これ30年前の作品やん。
    何か、この作品で世を悟ったんちゃうか?…みたいな凄い世界観。
    幻想小説のハシリみたいな。

    何か、血ドバドバはないけど、気色悪い〜というか、何というか…
    これ多分、後々、頭に残るで!
    みたいな…何か怖い…

    全てが、西洋っていうより、東洋よりな感じ…
    大自然の神秘というか、人間なんて、その中の一部であって、生かされてるんやで〜!
    もう少し、謙虚に生きないと何かが起こる気がして…

    ゾワゾワ感満載!
    めっちゃ、ええ感じや〜!

    殴り書きになってしまった…(−_−;)

  • すごい世界観の短編がいくつも。文体は本来の私の好みからいうと苦手なはずなんだけど、それを凌ぐ魅力があった。幻想的で恐くて、フィルムが傷んだ昔の映画を観ている感覚というか。

    「やわらかい家」「鳥葬の山」「あやかし」が中でも面白かった。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    都内で小さなデザイン事務所を経営する夏木は、あくせく働く日常の代償に、二週間の休みをとり、チベットで過ごすことにした。ラサの町でハゲワシに人間の死体を処理させる鳥葬を見ることができると聞き、夏木はその場に立ち会った。以後、毎夜夢に現われる奇怪な光景の謎。表題作以下、夢枕ワールド八篇。

  • 「夢枕獏」の短篇集『鳥葬の山』を読みました。

    「夢枕獏」作品は6年前に読んだ『神々の山嶺』以来なので久しぶりですね。

    -----story-------------
    都内で小さなデザイン事務所を経営する「夏木」は、あくせく働く日常の代償に、二週間の休みをとり、チベットで過ごすことにした。
    ラサの町でハゲワシに人間の死体を処理させる鳥葬を見ることができると聞き、「夏木」はその場に立ち会った。
    以後、毎夜夢に現われる奇怪な光景の謎。
    表題作以下、『羊の宇宙』『渓流師』『超高層ハンティング』等の「夢枕」ワールド八篇。
    -----------------------

    おどろおどろしい作品から、SF作品、渓流釣りをテーマにしたドキュメンタリータッチの作品まで、バラエティ豊かな「夢枕獏」ワールドを体験できる8篇が収録されています。

     ■柔らかい家
     ■頭の中の湿った土
     ■鳥葬の山
     ■閑古鳥〈かっこう〉
     ■あやかし
     ■超高層ハンティング
     ■羊の宇宙
     ■渓流師
     ■あとがき
     ■解説―蚊屋と恐怖 中島らも

    印象的だったのは、やはり『柔らかい家』、『頭の中の湿った土』、『鳥葬の山』、『閑古鳥〈かっこう〉』等の不気味な後味の残るおどろおどろしい作品ですね、、、

    特に主人公の男が、夜道に迷い、たどり着いた山中の一軒家での恐怖体験を語る『柔らかい家』は、ホントに怖い… 奇妙な生き物が溢れ、家がひとつの生態系を成してるような世界観は圧巻でしたね。

    怖いし、気味が悪く、悪夢のような作品ですが、「夢枕獏」の想像力の素晴らしさには感動を覚えましたね。

    『鳥葬の山』の主題となっている鳥葬って、遺体をそのまま岩の上に放置して鳥に食べさせるものだと思っていたんですが、跡形もなく全てを鳥が食べ切り、この世から存在を消し去るために、料理で言うところの調理・仕込みにあたる、様々な手順を踏むということを初めて知りました… 凄惨なシーンですが、崇高な儀式なんでしょうね、、、

    その後、チベットから日本に帰国してからの映画『鳥』のようなシーンも印象に残りましたね。

    『羊の宇宙』は、カザフ族の少年が語る宇宙の心理に関する話の聞き役にまわっている老物学者が「アインシュタイン博士」だったというオチが印象的… 科学のことを、もっと良く知っていれば、何倍も愉しめたんじゃないかと思います、、、

    それでも、なんだか解らないけど、科学のことがわかったような気分を味わえましたね。

  • 個人的夏のホラー特集。ブックオフコラムから、かな。それなりに古い一冊だし、正直期待はしていなかったけど、やっぱりな、って感じ。SF要素がかなり絡んでくるけど、ホラー的観点からは、正直あまり有効な気がしない。

  • 初めの何話かは入り込めなくて合わないと思ったけど、後半は凄く好きだった。
    特に「羊の宇宙」はぶっちぎりで好きだ。美しい。

  • 8編からなる短編集。
    鳥葬の山と羊の宇宙が面白かった。
    鳥葬を見る機会を得た主人公。無事に日本に帰ってきたら…。鳥葬の情景が細かく描写されている。
    羊飼いと老人との物理学についての会話。光より速い物はあるのか、ないのか。

  • 作者本人もあとがきで「どこかなんとも言えない不思議な味が残る話が何篇かある。」述べているように、その不思議な世界へ入っていってしまいそうな怖さを短編ながら感じる。解説で中島らも氏が大好きだといっている短編が私も同じように好きです。表紙の絵も気持ち悪いが優しいタッチで描かれていていい感じです。

  • 病み付きになってしまう本です。

  • ちょっと怖い感じの雰囲気の短篇集です。表題の「鳥葬の山」は、具体的な鳥葬の表現が印象的です。(ちょっとグロテスクですが・・・)

    どの短編も、非日常の世界に遊べて、非常に面白いので、現実を忘れたい人にはお勧めです!

  • グロテスクとホラーと哲学と郷愁が一時に楽しめる短編集。「頭の中の湿った土」のイメージにはぞくぞくした。

  • [柔らかい家]
     個人的にこの短編集のベストはこれ。この短編集は、冗長になってきた感じのある「キマイラ」よりも、全体的に密度が高くていい感じだけど、その中でも特に好み。「顔面崩壊」や「ポルノ惑星のサルモネラ人間」並の内臓感覚の描写が満載でいけてます。自分の娘を犯して子供を産ませて、それを餌にして魚を釣ったり、食べちゃったり。かなり鬼畜。
     床を踏みしめたときの音が、板の隙間に詰まった小さな虫があげてる悲鳴だというのは、かなりいいたとえ。

    [頭の中の湿った土]
     なにもおこならいのが意外なオチ(?)の吸血鬼小説。地面に埋められた男の回想っていうで出だしは、独創的でかなり好き。吸血鬼ものっていうのはもともとエロチックなものだけど、この短編は特に近親相姦の雰囲気ありありで、母親が妙に色っぽい。

    [鳥葬の山]
     鳥葬っていうと、岩かなんかに生きたまま縛りつけてそのまま、っていう印象があるんだけど、本当はこんなふうにやるのかなあ。人体を解体するシーンが結構きてる。内蔵感覚っていうよりは、首の骨なんかにナタが食い込む感触だけど。

    [閑古鳥]
     この前の話を読んでるときに、自分の一番愛している人を食べたら一番うまいっていう話を思いついて、やったと思ってたら、いきなり次にその話が載ってやがんの。まいったなあ。でもこれは偶然というよりも、この人の文体かなんかにそういうものを連想させる雰囲気があるってことなんだろうな。あー、くやし。
     ”お母さんの料理”のダブルミーニングがなかなかうまい。この短編は倒錯したユーモアになってるけど、この作者にとって愛しているものを喰べるというのはかなり重要なテーマなのかも。

    [あやかし]
     こういうふと狂気がちらつく瞬間って怖いよなあ。そのひとが、きれいな人だったりするとよけい怖い。でも子供がこういう女性に惹かれるというのはよくわかるけどね。最後のオチはちょっとありきたり。もうちょっとなんとかしてほしい。

    [超高層ハンティング]
     夢枕獏っぽくない短編。どっちかというと菊地秀行っぽい。この人の短編にNASAとか遺伝子改造とか出てきても、なんか違和感ある。
     ただし、話のできそのものはかなりいい。ガジェットの密度とスピーディな展開で傑作だっていってもいいかも。”念子”とか”念呪者”とかいった単語は、ちょっと無理がある気もするけど、時層をずらすとか宇宙の弾力なんてアイディアはいけてる。獏さんっていうとのんびりした展開の話ばっかりというイメージがあったから、ちょっと以外だった。こういう話ももっと書いてもらいたい。っていうか長編化してもいけるかも。

    [羊の宇宙]
     禅問答みたいな短編。結局うまくはぐらかされただけという気もするし、理系の俺としては細かい部分で突っ込みたいところがあるけど、雰囲気はいい感じだから、まあいいか。
     個人的には、実は物理法則っていうのはそんなに単純なものではないんじゃないかって思ってるけどね。

    [渓流師]
     不思議なことは何も起きなくて、別にどうということのない話なんだけど、山の描写とか典型的な夢枕獏節が気持ちいい。これは「ヘッドハンター」を読んでいたときの居心地の良さに近いかも。あれも延々とハンティングの話だったけど、面白かったもんな。

  • 不気味な世界観

  • 私好みの短編集だなと思い、手に取ってみたのですが
    どうも入り込むことができませんでした。

  • 『ふむっ!』という話と『そんなに橅の森が好きなら橅の森以外の何処かに埋めてやろうな』という気持ちになる話が同時に載っているぞ!気をつけろ!

  •  通勤時に電車内で読んでたのだけど、これはすごくぶっ飛ぶ。夢枕世界に引き込まれすぎて危うく何度か電車乗り過ごしそうになった。

     タイトルに書いてある「鳥葬」はやはり衝撃的。死体を解体したりしなかったり、宗教によって違うそうだ。途中、親族が葬儀に来ないのはどうなのだろうと思ったけど、その解釈を見た瞬間すごく納得。ま、それでも「解体屋やれ」と言われたら100%「だが断る」だけどね。

     そして「頭の中の湿った土」は、これまた最近読んだ『腐りゆく天使』にまったく同じ文章があったからコピペかと驚いたw ただ途中からそれぞれ別の物語に繋がっていくのだけど、違う本に2回も出てくるくらいだから、すごく思い入れの強い物語だったんだろうな。

    いずれにせよ、どの短編もすごく面白くて夢枕獏にしばらくハマってしまいそう。文章に中毒性のある作家さんだ。

  • 中島らものエッセイから興味を持って読んだ一冊。
    表題作もですが、巻頭のヤツが不気味でした(^_^;)
    陰陽師とか他の作品は未読ですが、これに限って言えばあまり一人の夜中に読まない方がイイかと・・・

  • まるくとけてしまいそう

  • ちょっと気持ち悪いけど面白かった
     柔らかい家
     頭の中の湿った土
     鳥葬の山
     閑古鳥(かっこう)
     あやかし
     超高層ハンティング
     羊の宇宙
     渓流師

  • 短編集ですけれども、本当に濃縮された夢枕ワールドを楽しむことが出来ます。
    私はこの、濃密な文体と、言葉の力で宇宙の真実に迫ろうとする筆致が大好きです。
    そして、闇とエロスをまとわりつかせた様な怪談?風なお話も好きだし。
    ちょっとバイオレンスな所も夢枕ちっくでいいし。

    とにかくあらゆるジャンルに手を伸ばして、それぞれで成功を収めている夢枕獏ワールドを、これでもかというほどに楽しめます。

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著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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