陰陽師 飛天ノ巻 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 149
  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167528041

作品紹介・あらすじ

「童子のあやかしが出没し、悪さを働いているようだな、博雅」「よし。では、ゆくか晴明よ」。われらが都を魔物から守れ。百鬼が群れる平安京の闇の果て、幻術、風水術、占星術を駆使し、難敵に立ち向う希代の陰陽師・安倍晴明、笛の名手・源博雅。名コンビの活躍、すがすがしくて、いと、おかし。

感想・レビュー・書評

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  • 友情萌え。

  • いつも通り幾度となく古典の授業で触れてきた説話たちが、散りばめられている。再読了。
    庭の描写が幾度となく繰り返されていく、この花が咲いて散り、季節が移りゆくことに、人の世を重ねてしまう描き方が、まるでほんとうに描こうとしている時代の書き物に似ているところがあって。欲を抱くというのはそれほど成仏しがたいことなのか?それはもはや人ではない気がするのだ、と訊く博雅に対して、「人は人でよいのだ」と応える、その優しさよ、と思う。
    人は独り、淋しく生まれついている、と前巻で述べた晴明の「対」にいるのが、博雅という男で、彼こそが晴明をかの有名な晴明たらしめるのかもしれない、とそんなことを思った。

  • 陰陽師シリーズ、弟にオススメしたところはまって色々話のネタにして来るので、私もまた読み返しています。
    これはシリーズ2作目。
    史料に基づく源博雅の出自が紹介されていたり、『伊勢物語』の一場面が出て来たりと、何度読んでも読み応えのある一冊だなと思います。
    個人的には「陀羅尼仙」と「桃薗の〜」がお気に入りです。

  • 毎回同じようなフォーマットで話が始まるのに飽きなくて面白い。シンプルなのがよいのか。

    博雅の人物について詳しく描かれていて、より親近感がわく。

    短いながらどの話も余韻があって、良いシリーズだとおもいます。

  • シリーズ第2弾。前巻に引きつづき、安倍晴明と源博雅のコンビが、平安京を舞台に奇妙な事件を解決にみちびいていく物語です。

    前巻もそうでしたが、陰陽師の安倍晴明を主人公にしているものの、過剰にオカルティックな雰囲気に偏るなく、比較的あっさりとした読後感の短編で構成されています。こういうライト・テイストの作品も嫌いではないのですが、もうすこし冒険してみてもいいのではないかという気持ちもあります。

  • 学生の頃、この作品を読んでいて、電車を乗り過ごしたのを覚えている。それから陰陽師にはまり、映画、ドラマ、漫画、野村萬斎、書籍、民俗学……と様々な世界を広げてくれた。

    そして本日、野村萬斎の現代能「安倍晴明」を観てきました☆

  • 陰陽師シリーズ第2弾。この巻が出たのは前巻から7年も後だと知って驚く。前巻との違和感は全くなく、雅と闇が溶け合った世界観がいい。レギュラーの二人、晴明と博雅の言い合いもなんだか可愛い。キャラも立ってきて人気シリーズになったのも納得。

  • 安倍晴明シリーズ。この巻は前回に増して源博雅がクローズアップされている。
    晴明の相方というよりも、博雅の物語のネタとして晴明がでてくる感じであろうか。

    源博雅の効果は、物語が人間に近くなるというか。安倍晴明を中心に物語が進むと、とかく式神や鬼との関わりが増えてしまい、怪奇もの、伝奇ものに終始してしまうところ、源博雅を中心に据えることで、人間物語に戻ってくるのである。そこには、風景を愛で、歌舞音曲を好くし、素直で男らしい博雅が物語を引っ張っていき、要所要所で晴明が陰陽師らしくふるまうことで起承転結がくっきりとするのである。

    また、今回の各話の主人公は在原業平であったり、小野小町であったり、歴史上の有名人が頻出する。その彼らがまた現世や男と女の仲に執着しているところが、遠い世界を身近な現在へ近づけているんだと思う。

    淡々とした語り口調そのままに、平安時代の闇に吸い込まれる本書への期待は高まるばかりです。

  • 二巻目。

    『源氏物語』やら『今昔物語』、『伊勢物語』の芥川にも典拠があって、自分の知っている物語や和歌、人物が、晴明と博雅の二人によって彩られることが不思議に楽しい。
    ああ、そういう話として伝わっていったのかもしれない、なんて思わされてしまう。

    「鬼小町」は珍しく救えない話で、切ない。
    小野小町に取り憑き離してはくれない男と、成仏したいと言いながらも、本当のところでは美しさや情欲を求めていたい小町自身だから、救われなかったのだろうか。
    二人の声が一人から重なって聴こえるという描写が、浅ましく浮かび上がる。

    「源博雅堀川橋にて」では、序として博雅のキャラクター設定が語られる、変わった章(笑)
    晴明をして、自分の呪の対であるべき存在と言わしめる博雅。
    開けちゃダメって言われると、それはもうフラグでしかなくて、お約束で開けちゃう博雅。
    なくてはならない人物である。

  • 2017.5.19(金)¥150+税。
    2017.5.24(水)。

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著者プロフィール

1951年、小田原生まれ。「上弦の月を喰べる獅子」で第10回日本SF大賞を受賞、「神々の山嶺」で第11回柴田練三郎賞を受賞。平成11年4月朝日新聞に「陰陽師(おんみょうじ)」を連載、陰陽道ブームの火付け役となる。著書に「魔獣狩り」シリーズ、「闇狩り師」シリーズなど。

「2019年 『キマイラ20 曼陀羅変』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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