陰陽師 生成り姫 (文春文庫 ゆ 2-9)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 130
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  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167528096

感想・レビュー・書評

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  • 博雅お前は本当に良い漢だなぁに尽きる(╹◡╹)悲しい終わり方だけど読み終わってスッキリした気持ちになった。悲しいハッピーエンド?前作より式神も多めでそこも面白い。あと平安時代の話だけどそんなに堅苦しくなくサクサク読めました。今後もシリーズ読み進めていきたい。

  • 博雅の悲恋。切ないよ。
    めちゃめちゃ夢枕版陰陽師にはまっている。
    しばらくはこの世界から抜け出せそうにない。

  • とても切ないお話。人の心は儚いものだとあらためて痛感しました。

  • シリーズ長編1作目

    付喪神ノ巻にあった「鉄輪」を長編化したもの。元々好きだった話なので、長編も面白かった。人と鬼の間で揺れる心の様が、丁寧に描かれている。

    *2012.7 *2015.2

  • 陰陽師シリーズで一番好きな本である。
    内容ははっきりと覚えていない。

  • 平安陰陽師伝奇ファンタジー第五巻。初の長編。以前に短編として発表されていた"鉄輪"をベースにした話で、悲恋の末に鬼(生成り)へと化していく姫と、晴明・博雅との絡みを描いていく。鉄輪以外にもこれまでに短編に出てきたエピソードがちりばめられており、さながら総集編といった趣。それでいてしっかりと魅せるあたりは流石かと。
    ただ、これまでの短編では時に濃かったえぐみは薄目で、晴明というよりも筆者あとがきにもあるように博雅の物語といった感がある。彼の純真さにこころ救われる思いがする。

  • シリーズ5番目
    晴明からたびたび、お前は良い男だな、優しいな、と言われる博雅の魅力がいっぱいに散りばめられたストーリーとなっています。

    博雅と晴明のキャラもよく見えて、エンタメとして読むのが楽しみになってきました。

    。。。
    博雅と長年の思いびとの徳子姫との一部始終。
    博雅の笛を橋の袂で聞いたことから、お互い恋心を持ってきたが、徳子姫は別の男性と結婚して、そののち捨てられ、鬼に変貌してしまった。男性の新しくできた恋人を呪い殺し、浅ましい姿になり、それを博雅に見られるという失態。
    恨みと辱めと愛憎がぐるぐるして恐ろしい情景が描きだされるのだが、最後は大きな博雅の愛に包まれて、元の徳子に戻っていくのだった。

    すさまじい鬼の姿になってもまだ徳子を愛おしいと思う博雅の優しさにじんとくる
    自分の腕を噛まれても!!

  • この物語は主人公・安倍晴明の活躍と、その親友である源博雅の悲恋を描いた物語です。

     博雅は12年前のある夜、得意の笛を吹いている時に一人の姫と出会う。
     その後も笛を吹くたび現れる姫。彼は名も知らぬまま彼女に惹かれ、いつしか会えなくなってからも ほのかな想いを持ち続けていた。
     時が流れ、博雅はある男から相談を受ける。
     かつて情を通じたが今では疎遠になった姫が、夜な夜な呪いをかけて男を殺そうとしているというのだ。
     博雅は男を救うべく親友・晴明の力を借り、共に姫を待ち受けるが、生成りとなり現れた女…徳子姫は 彼が思いを寄せたその人であった。
     あさましき姿を博雅に見られたことに絶望する徳子姫。自分が介入したことによってより深く彼女を傷つけてしまったことを悟る博雅。
     何とか姫を救おうと彼女の屋敷へと向かった晴明と博雅だが… といったストーリー。

     とにかくクライマックスで博雅が徳子姫にかける言葉がいいのです!
     まず、鬼になって自分を喰らおうとする姫に「我が肉を喰らえ」と。
     そして「そなたが愛しいのだ」と言うのです。
     たとえ年を取って肉がつこうがシワが増えようが、鬼になってしまおうが、そんな貴女が愛しいのだと言う博雅と、 「十二年前にその言葉を言って欲しかった」と返す徳子姫。読みながら思わず号泣しました。
     純粋だけど不器用で男女の仲に疎いせいで、好きな女性と結ばれることができなかった博雅にノックアウトです。
     読んだら瞬く間に博雅の嫁になりたくなること請け合いです。少なくとも私はなりました。
     晴明が何度も言うのですが、本当に『良い漢』なのですよ。
     まぁ、よく考えてみれば博雅は30代後半という設定なので、何だかんだ言ったって平安貴族の常識としては 立派な家柄出身の北の方(奥さん)がいないわけないんですけどね。

     さて、いささか暴走してしまいました。
     陰陽師シリーズは基本的に文春文庫から出ている短編集が主ですが、 これは朝日新聞の連載小説だったため長編です。
     それゆえ読んだことのない人のために、主人公たちの人となりについて十分な解説がなされている安心設計。
     (しかし、これを毎日切れ切れで読んでいたら私も泣けなかったなぁ、きっと)
     いきなり買うのは冒険だという方は、 「陰陽師 付喪神ノ巻」の中の短編「鉄輪」を読んでいただければ大体の感じはつかんで頂けると思います。
     でも『良い漢』っぷりは3割減。(TORY比較)

  • 博雅の悲しい恋物語。
    夫に捨てられ鬼と成りかけ自害した徳子に語り掛ける場面は本当に切なくて読むのが辛かったです。
    どこまでも優しい博雅、それに比べて済時の下衆なことよ…。

  • 長編版もよかった。
    男の勝手な都合に振り回された徳子が可哀想だと思った。鬼になりたくないのにならざるをえないほど心が耐えられなかったんだろう。
    博雅は本当に優しい男だ。
    相撲の話もそこで繋がったかと合点がいった。

  • 「人は誰しも心に鬼を飼っている。人は鬼になりたいと願ってそうなるのではなく、鬼になるべくしてなるのだ。」という清明の言葉が印象的。確かに、人は追い詰められて、追い詰められて、どうしようもなくなったときに鬼になるという気がする。

  • 長編には長編の良さがあった。
    けれども個人的には短編の方が好きだな。

    徳子姫の哀しさがよく見えるのは長編。

  • なんとも哀しい、ただ哀しい。
    誰の心にも鬼が棲んでいて、鬼になってしまうのをどうすることもできない。せつなかった。
    晴明が言うように、博雅はよい男だ、と改めて感じた。

  • 晴明も良いけどやはりわたしは博雅がお気に入り。夢枕獏の言葉遣いも素晴らしく、しばし千年のタイムスリップを楽しめる

  • 陰陽師シリーズ初の長編。
    前作の鉄輪を膨らませたお話。
    生成りとは人が鬼になる途中の姿。
    理性ではどうしようも出来ない思いが人を鬼にする。
    あとがきで夢枕獏さんが書いているように、解説みたいに始まり、いつの間にか物語の中へ入り込んでいます。
    源博雅の初恋にも似た切ない恋の行方。

  • 文庫版ではシリーズ第5弾となります。今回はシリーズ初の長編です。

    博雅は、かつて彼の吹く笛の音を聞いて彼のもとにやってきてた姫と、十二年ぶりに再会することになります。彼女は、博雅に助けを求めますが、博雅には彼女の真意が理解できません。

    一方晴明は、藤原斉時と彼が懇意にしている女性に対して、何者かが呪詛をおこなっていることを知ります。やがてそれが、博雅の前に姿を見せた姫だったことが明らかになりますが、嫉妬のために鬼になろうとする姫を、博雅は止めることができません。

    博雅が姫に呼びかける最後の会話は、現代を舞台にした小説ではくどいと感じてしまうところを、時代がかったセリフまわしのためか歌舞伎のようなリズムが感じられて、けっしてくどいとは感じませんでした。謡曲の「鉄輪」をもとにしたストーリーとのことですが、どこかに通じるものがあるのかもしれません。

  • 短編の「鉄輪」がベースのお話し。
    全体的には面白かったけど、短編でざっとした流れを知っているから最初の方は流し読み。
    後半は引き込まれて読みました。
    長編は博雅と晴明のやり取りがじっくり楽しめるのもひとつの良さかなと。

  • 感想書くの忘れてた。シリーズいっぱいあるからね。

  • 切ないなあ・・・。徳子さんは博雅と幸せになるべきだったね。

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著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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