陰陽師 瀧夜叉姫 下 (文春文庫 ゆ 2-18)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167528188

感想・レビュー・書評

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  • 陰陽師シリーズの中では、長篇であるが故なのか、ミステリ感が特に強く、いつもの陰陽師シリーズとは後味が異なる。

    “いつもの” 晴明と博雅のやりとり、自然風景描写、博雅と第3者のやりとりこそが私にとっての大きな魅力であることを再認識。

  • 終盤に向けての盛り上がりと
    ラスト近いあたりでの切ないシーンに泣きそうになった。
    映画をみてるようだった。
    とても面白い!

  • 将門の怨念ということは予測が付いても、話の行く先が分からずドキドキする。
    ばらばらに見えた、すべての怪異がひとつに集まった時、将門が復活する。
    おそらく将門をさらに化け物じみた存在として描くことは、夢枕先生ならいくらでもできただろうけど、あえて将門の人間性、哀しさが浮き出るような描写にしたのだろうと想像する。
    炎に焼かれても消えることのなかった彼の哀しみ、怨念は、最後に晴れたのだろうか?
    今回借りた一連の陰陽師の中で一番良かった。

  • 陰陽師シリーズ初の上下巻ということで少し構えてしまいましたが、
    なんということはなく“いつも通り”の陰陽師でした^^
    禍々しくも華やかな平安の世界にどっぷりはまることができます。

    登場人物が多く、何度も戻ったり進んだりすることになりましたが
    ゆっくりと(なかなか焦らしてくれます)謎が解けてゆくのが大変小気味いいです。

    ただ、タイトルにもなっている瀧夜叉姫のインパクトがいまいちでした。
    完全に将門殿と興世王に持っていかれている気がします…。

  • 夢枕獏著「陰陽師 瀧夜叉姫(上・下)」を読みました。

     陰陽師シリーズ最新刊、しかも今回は珍しく、長編です。

     陰陽師シリーズは、短編が主流で、短編ももちろんおもしろいですが、やはり清明と博雅が長編で活躍するのを、読んでみたくなるものです。

     そして、今回は平将門の怨念から、都を守るため、二人が大活躍します。

     その二人の他に、賀茂保憲や俵籐太に、あの蘆屋道満が登場し、いやが上にも話は盛り上がっていきます。

     一気に読み終わった後、人の世はいつも悲しみにあふれていることを感じさせてくれます。

  • 陰陽師シリーズ滝夜叉姫の下巻。上巻ではうすらぼんやりとしか見えてこなかった事件がだんだんはっきりしてきます。ああやっぱり喰えないヤツ蘆屋道萬wそして将門と表太の関係もいいですね。ラストは多分あの人が出てくるんだろうなーと思ったらやっぱり出て来たラスボスで。余計なことは書かないのは当然だけど伏線の張り方が見事です。上巻からの一つ一つのエピソードが繋がって行くさまは読んでいて楽しいですが、個人的にこのシリーズは短編の方が好きかも。

  • L 陰陽師 8作目下巻

    おどろおどろしい。が、すべてがヒューマン的。クライマックスがすごい。映像がながれるように進む。

  • 面白いけど気持ち悪い箇所もある
    しばらくはこのシリーズお休み

  • なんて素晴らしいホームズとワトスン!と思ってしまうのは、ミステリの読み過ぎだろうか。

    博雅の過剰なほどの純粋さ(怨みを抱いて鬼になり、害をなす相手に同情の涙を流しさえする)に、胸を打たれる場面が多々あった。すべての物事を人の情と切り離して(それすら呪なるものと分析して)いるような清明には、彼のそのような姿がこの上なく好もしいのだろう、そんな風に思った。

    それにしても、道満。
    「雨風と同じ」なんて、清明は大変的を得ている。すごく納得してしまった。

  • クライマックスに余分が全くない。すごい。

    妖物の話のようではあるんだけれど、間違いなく人間の話。
    人間って悲しいなぁと思う。

    自分が自分であるように生きる。
    純友が純友であるように生きようとし、捻じ曲げられた親子。
    博雅が博雅であるように涙を流す博雅。
    将門と俵藤太の気持ちの良い結末。

    なんとなく、惟時と如月のその後が気になるんだけど。

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著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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