陰陽師 夜光杯ノ巻 (文春文庫 ゆ 2-20)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167528201

作品紹介・あらすじ

博雅のもとを夜な夜な訪れる異国の美しい女性。語れども声は聞こえず、哀しい眼で見つめ、翌朝には、残り香とともに消えるその女が気になった博雅は、晴明に相談する。晴明は、帝より博雅が賜ったという、吉備真備が唐より持ち帰った音のならぬ琵琶に興味を惹かれる。果たして女性の正体は?「月琴姫」など全九篇を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 昔、陰陽師の映画を観た時に激しく違和感を感じたのだけど、それは原作にちょっと感じるBL要素を誇張しすぎていたのだなと思った。そろそろ食傷気味になってきたので、もういいかな。

  • パターンが決まってるので安心して読めるところが歌舞伎でいう様式美ぽくて好き。

  • なんだかどこかロマンティックなような、センチメンタルなような・・・今までの「陰陽師」ぽくなくて、個人的には好きでしたね。
    「月琴姫」博雅ついに人外までたらし込むの巻。めちゃ好き。
    「花占の女」珍しくぼかした終わり方。怖いけど、好きだ。
    「龍神祭」博雅の笛は神々まで泣かせる。
    「月突法師」小坊主たちをうっとり見つめる女童たちがなんか・・・かわいいなってなった・・・。
    「無呪」そういや絵本『こんとん』まだ読んでないな~~早く読みたい。これはちょっと切ない。
    「蚓喰法師」陰陽師にしては異彩を放ってるかも。
    「食客下郎」ついに獄卒まで出てきたぞ『陰陽師』シリーズ 。
    「魔鬼物小僧」泣いた・・・まさか『陰陽師』で泣かされるとは・・・。いや、健気な子どもネタなんてみんな泣くでしょ・・・。
    「浄蔵恋始末」こんなんみんな好きでしょ・・・。浄蔵殿のこういう人間らしいところが道満殿は苦手なのかもな。

  • 陰陽師シリーズは最初から順番に読んでいるわけではないので、この巻はシリーズを読み始めてすぐの頃に読んだのですが、清明と博雅の掛け合いが面白くて!
    他の巻も読んでみたいと思う切っ掛けとなった一冊です。
    中でも、「月琴姫」と「蚓喰法師」がお気に入りです♪
    そして、「浄蔵恋始末」は陰陽師シリーズの特設サイトで作家ご本人がベスト11に選んでいるだけはあって秀逸でした。

  • 2人の掛け合いが好き。怖いだけでなく、ロマンチックな最後の老法師の話が良い。

  • 清明と博雅のコンビが大好き
    そして清明ってツンデレだわ

    平安京のゆったりした時間の流れ
    季節の移り変わり、蟲の声、風の音、雨の音、月の光、華の香り
    どれをとっても描写がすばらしい

    妖怪モノも好きだけど、これは空気そのものが大好き

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「これは空気そのものが大好き」
      恐い話かと思っていたら、結構ユーモアもあって、独特のリズム感で素晴しいですね。。。
      「これは空気そのものが大好き」
      恐い話かと思っていたら、結構ユーモアもあって、独特のリズム感で素晴しいですね。。。
      2013/08/01
  • シリーズ9冊目

    印象に残った話

    ・龍神祭
     葉二(はふたつ、博雅の笛)が盗まれたと思ったら、龍神が借りて行っていた。3000年のお祝いをするためだという。龍やあまたの神々が葉二の音に喜び空を楽しげに舞う姿が印象的

    ・虫愛る姫君、露子姫が好きなのだが、今回3回目でまた登場した!嬉しい限り。
    すっかり晴明や博雅の仲間になっている感じがよい。たまにしか会わないけど、なぜかフィーリングが会う人、そんな設定なのかな。

    ・このシリーズ通して晴明と博雅にはBL感があるが、お前がいるから生まれてきてよかった的な発言があってドキドキしました

  • 博雅の笛の音は人どころか神々の心も動かす。
    そんな内容の『龍神祭』のスケールの大きさ、大らかさが好きです。
    『浄蔵恋始末』の四十年浄蔵が持ち続けた気持ち、会いたいけれど会いたくない相手の気持ち、色々と切ない良い話でした。

    話がパターン化していますが時々こう言った少し違う毛色の話があり読んでいて飽きません。
    巻を重ねるごとに晴明の博雅大好きぶりが滲み出ているように感じますが博雅はからかわれていると思っているだけの気がします。
    良いコンビだなぁ。

  • 博雅の巻だな。

    「月琴姫」
    いつもの晴明と博雅の役割が入れ替わったかのような会話。
    晴明の語尾に!?がついているとなんだか不思議な心持ちがするな。
    楽の精の心を射止めてしまうか。聞き取りはできるけれども話すことはできないか。
    でも言葉がなくとも奏でることで通じ合うことができてしまうのかもしれないな。

    「龍神祭」
    天竺と京都がつながっていて、笛の音が届いてしまうなんて
    雄大な話だな。神々をも踊らせてしまう博雅の笛。
    聴いてみたいな。

    「無呪」(むしゅ)
    混沌って「荘子」にも出てくる古い言葉なのか。
    何ものでもなく何ものでもあるものを祀るって
    昔の人の方が柔軟だったんだろうか。

    「蚯蚓法師」(みみずくほうし)
    昔の人は虹を見ていろいろなことを想像していたんだな。
    理科以前の虹、小さい子には何に見えているんだろうな。
    慌てて作られた虹を少し見てみたいな。

    「食客下郎」(しょっかくげろう)
    テンポの良い三人?組だな。また出てくることもあるのだろうか。

    「魔鬼物小僧」(まきものこぞう)
    健気だ。かなしい。そんなことのためになくなってしまったなんて
    やるせない。

    「浄蔵恋始末」
    相手の女性も気持ちが残っていてよかったな。
    もう別に想う人がいたら目も当てられない。

  • 陰陽師シリーズ。
    9編納められています。
    15分ほどで読める長さです。
    博雅は相変わらず博雅で、ほっとします。
    最後の浄蔵恋始末がお気に入り。

    月琴姫
    花占の女
    龍神祭
    月突法師
    無呪
    蚓喰法師
    食客下郎
    魔鬼物小僧
    浄蔵恋始末

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著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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