- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167528256
感想・レビュー・書評
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久々の『陰陽師』
陰陽師 安倍晴明と相方 源博雅のふたりによる9つの怪奇譚。
今回は呪による掛け合いや菅原道真の怨霊話ようなものはなく、どれもアッサリとしているのだけども、その実、儚くしんみりと、女性に焦点があてられていたような気がする。
安定した2人(清明&博雅)の、酒を酌み交わし四季折々の庭を愛でつつ静かに語りあうシーンは素敵だな。
花鳥風月、雅だのう。
9つの話のうち、どれが一番いいか・・・と、目次を眺めていたのだけども、どれもそれぞれ良いわ。
思い出すだけでジーンとくる。
そうそう
あとがきで、作者が『キマイラ』シリーズを勧めていた。
清明と博雅が好きな人には読んでもらいたいとのこと。
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【内容(「BOOK」データベースより)】
都のあちらこちらに楽しげに現れては、伽羅の匂いを残して消える不思議の女がいた。露子姫の前にも姿をみせたという話を晴明が耳にした翌日、蜘蛛の巣に妙なものがひっかかったと僧が訪ねてきた。早速、博雅と寺に赴き、蝶のようなそれを放した晴明が知ることとなった女の正体とは?「はるかなるもろこしまでも」他、全九編。
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【目次】
笛吹き童子
はるかなるもろこしまでも
百足小僧
きがかり道人
夜光杯の女
いたがり坊主
犬聖
白蛇伝
不言中納言
あとがき
文庫版あとがき
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晴明と博雅のかけあいが大好きです
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晴明の庭の色、匂い、風の温度に、心の底から酔いしれる。毎度、とても幸せな一瞬。文句なしの★5つ。
色々タイミングが重なったとはいえ、「はるかなるもろこしまでも」で泣きそうに。 -
安定の面白さ。貘さんは、人の深い業を描くのが本当に上手い。そのおどろおどろしい業をこのシリーズでは淡々と描いている。だから読む人によって違うイマジネーションを想起させていて、その幅の広さが色んな層の読者に希求するものを持っているのかなと。
どの逸話も面白いのだけども、印象に残ったのは、「笛吹き童子」と「夜光杯の女」。 -
良い意味でいつもの通り。
長いシリーズなので、段々と晴明の陰陽の技が披露されなくなってきた。
古くからの読者には良いが、新たに読む人には物足りないかも。 -
やっぱり面白い。
1Pちょっとラヴい。こいつらもう結婚しろ。 -
変わらないということが、良いケースと、良くないケースとがあると思う。陰陽師では、変わらない二人の掛け合いの雰囲気をいつまでも楽しんでいたい。