ケースワーカーと呼ばれる人々 ニッポン貧困最前線 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 74
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167529031

作品紹介・あらすじ

政府の締めつけとマスコミによる福祉たたきの狭間で、貧困層と直接向き合ってきたケースワーカーたち。福祉事務所で働く彼らの悩み、怒り、喜びを通して、過剰な期待と誤解を受けてきた生活保護制度の実情を明らかにする。未曾有の発展をとげた戦後日本の「見えない貧困」を描き出した衝撃のルポルタージュ。

感想・レビュー・書評

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  • 民間支援側の知人がいるので所謂「ケースワーカー”なんて”~」という言説を耳にすることが多いし、マスコミもその論調が定番。でもお約束のように言われる言葉ってきちんと掘り返して見ないとダメだよな、と改めて思わされた。大事な視点だと思う。

  • 考えさせられる本でした。
    生活保護って社会に必要なものだと思うけれど、不正に受給する人もいる。生活保護を受けながら一生懸命自立の道を探す人もいれば、働かず保護で暮らして行こうとする人もいる。
    何らかの理由で受給出来ないと言われると、死を選ぶ人もいる。そうするとメディアはこぞって福祉事務所を責め立てる‥。
    ケースワーカーというのは大変な仕事だな。

  • 本書で知った衝撃の事実:ケースワーカーはなりたくてなる人ばかりじゃないこと。地方公務員になって配属されてなったというケースワーカーもいる。仕事がケースワーカーを育てる、ということなんだろうけど、もうそういうのは機能しなくなるのでは。

  • この本が出版されたのは1994年。とても福祉事務所のケースワーカーをケースワーカーの視点から考察する本は、当時としては特に珍しかったのではないかと思います。
    完全ノンフィクションではなくて、細かいやり取りや心情などは、ところどころ筆者のフィクションが混じっているのだと思います。それでも、当時も今も数少ないタイプの本なので、貴重です。

    ちょっと前のケースワーカーは結構大胆なことをやっていたんだなぁと思いました。保護費の日割り渡しなんて、今やったら確実に問題になりますしね。それに、ケースの人とパーティーするとか、にわかには考え難い。でも、それをそれなりに情熱を持って取り組んでいた人たちが、確かにいたのでしょう。その上に、今のケースワーカーたちが乗っている。

    ☆を4つしたのは、フィクションと思われる部分が非常にロマンチシズムたっぷりな書き方になっていること。書くんなら、もっと生々しい方が良かったのかと思います。一応ルポなのだから、小説になってしまうと逆にもったいないですからね。

    「彼らはいずれも、他人との関係を失い社会の中で孤立してしまった寂しい人たちだった。彼らに必要なのは、最低生活を保障する生活保護費よりも、本当は隣人や家族や社会から受容され認められる、ということだった」(p72)

  • 制度として「悪いものである」という前提で語られる際に、「悪い」という価値判断が一体現実に置けるなにを指しているのかがはっきりしていないために起きる多くの誤解やいわれのない批判。生活保護のなにがいけないのか、ということについて制度をきちんと知って、その制度が向かい合っている現実を知って、それからもう一度、批判をするならしてほしい、と思う。

  • 図書館で何気なく手にとって読み始めたけど、
    とてもいい本だった。

    生活保護行政について、ケースワーカーの目線で書かれている。

    『生活保護』を受けている人たちを一くくりにして批判するのは簡単だけど、
    現場ではいろいろなケースがある。
    ケースワークをすることの難しさ、貧困とは何なのか、生活保護はどうあればいいのか、
    いろんな問題を提起してる。

    ちょっと古い本だから、今はもっと状況は複雑かな・・・
    とは思うけど、テーマは古びていないと思います。

  • ケースワーカーの仕事は難しい。自立を促すって口で言うよりはるかに困難だ。

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著者プロフィール

1947年生まれ。ノンフィクション作家。『フイリッピーナを愛した男たち』(文藝春秋)で第21回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。主な著書に『母のいる場所――シルバーヴィラ向山物語』(文藝春秋)、『シクスティーズの日々』(朝日新聞社)、など。両親の介護歴20年。現在、花げし舎を主宰し、編集&取材チームを率いている。

「2018年 『100歳時代の新しい介護哲学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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