凍れる瞳 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (1991年5月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784167534011

作品紹介・あらすじ

BC級戦犯として処刑された男と甲子園を目指し投げ合った元巨人軍投手スタルヒンを描く表題作と「端島の女」の直木賞受賞作を含む作品集。「頭領と親友」「夜の運河」収録。(郷原宏)

みんなの感想まとめ

暗く重いテーマを抱えた短編集で、歴史とフィクションが巧みに交錯する作品が描かれています。特に「端島の女」では、主人公の健気さと絶望的な状況が印象的で、彼女が無人の軍艦島に向かう姿には、何かを決着させよ...

感想・レビュー・書評

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  • 端島の女が以前から気になっていた。
    軍艦島に興味があったので...

    何処を探しても見つからず、メルカリで購入。
    個人的には期待通りの読み応えがあり、私の嗜好にマッチしていた。

    物語のトーンは至って暗く、暗い中での暗い抑揚が幾つかあるが、主人公は健気で暗い未来に絶望を抱きながらも自己再生を掴もうとしている気配を感じた。

    読み手によっては、人生の最期を故郷の軍艦島で終えようとしている風にも受け取れるが、私はそうは思えない。
    何かの踏ん切り・決着を着けようと無人となった端島へ出向いたのだ、と解釈している。

    物語の終わり方はとても物悲しく絶望的であるが、きっと彼女なら慎ましくも逞しく残りの人生を生きてくれると祈っている。

    読書・本って、いいな、と思った。

  • ・凍れる瞳
     東堂良子はスタルヒン球場の銅像に孫の秋子と毎年お参りに行く。
     第二次世界大戦で小樽の捕虜収容所の所長だった田原は、戦争裁判で死刑を言い渡された。田原の元婚約者である藤堂良子は彼を救おうと、以前甲子園の北海道予選で一緒に戦ったスタルヒンの元を訪ねる。スタルヒンは田原と戦った甲子園での出来事を覚えていて、なんとか田原を助けようと努力するが、田原は処刑されてしまう。

    ・端島の女
     少女時代を端島(炭鉱で通称、軍艦島)で過ごした諄子は、母親が亡くなったのを機に東北出身の炭鉱夫池原耕作と結婚し、島を出て耕作の故郷に移り住む。
     ダム建設の保証金をもらった耕作はバーを経営する女と村を出ていった。
     ある日、諄子が店でテレビを見ていると北海道で炭鉱事故があり、犠牲者の一人に耕作の名前があった。
     嵐の中、端島に戻った諄子は廃墟となった故郷、端島で一人何を思っているのか。。。

  • 4篇がおさめられている。秋田県の話が2篇ある。昔、実際に起きた事柄や、存在する実際の地名でノンフィクションとフィクションの交ざった不思議な感覚で読めた。

  • 直木賞受賞としては、凍れる瞳・端島の女の2篇とのことだが、他2篇も質の高い作品。
    作者は実在の人物や事件をモチーフにし、丹念に調べた上での内容なので、特に凍れる瞳は実際の出来事のように迫るものであった。どれもテンポよく進むので、飽きることはない。個人的には、端島の女はもう少し深掘って先を描いて欲しかったか。

  •  
    ── 西木 正明《凍れる瞳 1988‥‥ 19910510 文春文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4167534010
     
     
    (20231128)

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著者プロフィール

1940年秋田県生まれ。出版社の雑誌編集を経て、作家活動に入る。88年『凍れる瞳』「端島の女」で直木賞、95年『夢幻の山旅』で新田次郎文学賞、2000年『夢顔さんによろしく』で柴田錬三郎賞を受賞。

「2011年 『ウェルカム トゥ パールハーバー(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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