こぶしの上のダルマ (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2008年4月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784167545154

みんなの感想まとめ

静かで淡々とした語り口が印象的なこの作品は、地域での生活や死を自然に描写し、読者に深い思索を促します。連作短編形式でありながら、私小説のような親密さが感じられ、特に過疎地域の人々の暮らしに焦点を当てて...

感想・レビュー・書評

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  • なんだろう。静かで淡々としているが、地域で生き、地域で死んでいくということがとても自然なことで、悪くないように思えてくる。

    小野正嗣さんの小説もそうだが、都会での華やかな生活ではなく、こういった過疎の町・村・集落での生活や暮らしというものが、いまこの日本においてとても現代的なテーマで、かつ普遍的なテーマであるように思う。土地や血とのつながりというものが古いものとして忌避されるわけではなく、一周して客観的に、自然なこととして描かれるようになってきているのかもしれない。

    この本は短編の連作になっているが、表題作の『こぶしの上のダルマ』と『集落の葬式』『歩行』がよかった。

  • 心の常備薬と評する南木ファンがいるそうです。他界して数年過ぎた父親との和解。稲作問答の老人たちの会話は昔の佐久の水田の土手を思いだす。

  • 派手な出来事は何もない、当たり前の日常の中に当たり前にある「死」を考えさせられます。

  • う〜〜ん、ヤッパリ続けて読む物じゃないな、南木佳士。
    この人の作品の多くは一種の私小説。末期患者ばかり扱い、死を看取り過ぎた結果、パニック障害に陥った医者(著者)が主人公の作品が多い。これもその系統。
    子供の頃の貧しい祖母との暮らし。ソリの合わなかった父親。そして義母。自殺と向かい合っていた鬱病期。少しずつ視点は違うけど、何時ものような暗い話が続きます。
    その中で面白かったのは「稲作問答」。
    畦に腰掛けての老農夫との会話です。農夫のたくまざるユーモア、土に立つ人たちの強さ。そうしたものが清涼剤のように効いて来ます。
    私小説も良いのですが、たまには「阿弥陀堂だより」のような私小説から離れた作品も手がけて欲しいと思うのですが。

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著者プロフィール

南木佳士(なぎ けいし)
1951年、群馬県に生まれる。東京都立国立高等学校、秋田大学医学部卒業。佐久総合病院に勤務し、現在、長野県佐久市に住む。1981年、内科医として難民救援医療団に加わり、タイ・カンボジア国境に赴き、同地で「破水」の第五十三回文學界新人賞受賞を知る。1989年「ダイヤモンドダスト」で第百回芥川賞受賞。2008年『草すべり その他の短篇』で第三十六回泉鏡花文学賞を、翌年、同作品で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞する。ほか主な作品に『阿弥陀堂だより』、『医学生』、『山中静夫氏の尊厳死』、『海へ』、『冬物語』、『トラや』などがある。とりわけ『阿弥陀堂だより』は映画化され静かなブームを巻き起こしたが、『山中静夫氏の尊厳死』もまた映画化され、2020年2月より全国の映画館で上映中。

「2020年 『根に帰る落葉は』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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