からだのままに (文春文庫 な 26-16)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (165ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167545161

作品紹介・あらすじ

パニック障害とうつ病に苦しんだ三十から四十代、人生の難所を越え、五十も半ばを過ぎてたどり着いた静穏な日々。息子たちは巣立ち、浅間山麓で妻、老猫と暮す。そんなある日、肺に異変が発見される…。医師・作家としての二十五年をふり返り、新たに己の「からだ」と向き合う日常を描き、読む者の身に優しくしみわたるエッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • 南木佳士のエッセイ集.初出は2004年から2005年にかけて.

    著者もあとがきで書いているが,同じ話が繰り返し何度もでてくる.日常を生きている「初老男の周辺にそれほど珍しい事件がおこるわけはない」のである.

    それでも読んでいると,大事なことを何度も何度も繰り返し言ってもらっている気分になって飽きることがない.

    私もあと何年かするとこういう境地に至れるのだろうか.

  • 2004年から2006年にかけて発表されたエッセイ。作者が50代半ばの頃(1951年生まれ)。

    好きな小説家なので、発表された作品はできるだけ読むようにしている。でも雑誌に発表されるエッセイをその都度読むのは無理で、まとめられた時に読むことになる。短い期間に発表された作品群なので、テーマが限られた範囲に集中してしまう。無論作者も承知で、「おなじ題材の繰り返し使用が目立つ」と気にしていて、そのため「題材の切り口や味付けを変えて書く」とあとがきに書かれている。

    さらに「いまでは繰り返しを恥ずかしいとは思わなくなった…妙な虚構をたくらむほうがよほど不自然ではないか」とも。

    ところで本編中に以下の記述が。
    「あとで後悔する」
    二箇所ほどあったように思う。もう一般的になってしまったのだろうか。

    P.149
    人は変容する。変容しなければ生き延びられない。

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著者プロフィール

南木佳士(なぎ けいし)
1951年、群馬県に生まれる。東京都立国立高等学校、秋田大学医学部卒業。佐久総合病院に勤務し、現在、長野県佐久市に住む。1981年、内科医として難民救援医療団に加わり、タイ・カンボジア国境に赴き、同地で「破水」の第五十三回文學界新人賞受賞を知る。1989年「ダイヤモンドダスト」で第百回芥川賞受賞。2008年『草すべり その他の短篇』で第三十六回泉鏡花文学賞を、翌年、同作品で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞する。ほか主な作品に『阿弥陀堂だより』、『医学生』、『山中静夫氏の尊厳死』、『海へ』、『冬物語』、『トラや』などがある。とりわけ『阿弥陀堂だより』は映画化され静かなブームを巻き起こしたが、『山中静夫氏の尊厳死』もまた映画化され、2020年2月より全国の映画館で上映中。

「2020年 『根に帰る落葉は』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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