あなたに似たゴルファーたち (文春文庫 い 26-17)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167546175

感想・レビュー・書評

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  • 世にも奇妙な物語的なやつが多い

  • 出来不出来の差が大きいゴルファーを題材とした短編集。ゴルフに興味があってぼんやり本を読みたい時には好都合かも、しっかり読むと結構???かも。
    さて本作の感想からは逸脱していきますが、やはり日本のゴルフを取り巻く環境は個人的には腹立たしいことこの上なし。リレーションとかいう美名の下、会社という「他人」の金で遊んでいるオッサンどもがいかに多いか、ほんとムカつきます。これはゴルフというスポーツにとって極めて不幸なこと。この本の本題でもあろうが、このスポーツは本来奥深いものであるはずなのに、日本での置かれた状況がその魅力全てを台無しにしていると言っても言い過ぎではないかと思われ。

  • 20160109

  • 面白くなかった。期待してましたが、残念。

  • GOLFをモチーフにした18ホールの短編小説集。これを読むとゴルファーはますますGOLFの虜になると思います。
    人間はいつも己の置かれた位置から、次の新しい場所へ、具体的に言うならもう少しゆたかな(収入でも環境でも)場所にたどり着くべく努力をすることがまっとうな生き方である(P9)、ゴルフに夢中になった理由、それは一から十まですべてを自分で成し遂げる。他人のせいにできることなんか何ひとつない。その潔さだよ(P37)、が印象に残りました。
    プレー前夜に読みたい一冊です。

  • 社長室の女神が私は一番気に入りました。

  • 自分自身ゴルフが好きだがスコアがイマイチ。
    しかし、それで良いんだって気持ちになった。

  • 短編の中には考えさせられるものから楽しいものなどそれぞれ。とことんゴルフが好きな人が読むとさらに頷ける内容なのかもしれない。

  • ゴルフの話は楽しいけれど、話がショートすぎて入り込んでいけない。まぁ暇つぶしの本です。

  • ゴルフ小説といった感じだが、正直いまいちだった。
    序盤は、割と人生に繋がる部分もあったが、後半は「なんだこの話?」って感じのも多かったし。
    私自身(社会人6年目)、社会人になってからゴルフをはじめたが、やはりなんだかんだいって金と時間がかかるものなので、金に余裕ある人の遊びだと思う。楽しいは楽しいけど、今のサラリーマン事情と、家庭もって子どもできた自分としては当分できないですね。
    50代以上で、いい時代を過ごしてきて、余裕ある方向けの本ですね。

  • 最近、海外赴任になって、15年ぶりにゴルフを再開した。以前は、会社でやらされていただけで正直、まったく面白さがわからなかった。

    少しやってみて、少しだけ若いころと違う感覚を持った。ゴルフはすべて自己責任であること。自分との勝負であること。そしてほとんどが失敗の競技であること。
    ここしばらくずっとマラソンにのめりこんでいる影響もあるのかもしれない。マラソンはまさに人生の縮図。自分との闘いであり、結果よりも準備プロセスの闘い。ゴルフもひょっとして似たようなところがあるのではないか。

    そんなときに出会ったのが本書。ごく普通の人々のゴルフとその人生の物語を、ある章では面白く、またある章ではしんみりと語る。序章とあとがきで語られる、著者のどこか寂寥感をも含んだゴルフ感は、おそらく氏の人生への印象でもあるのだろう。スポーツや付き合いとしてでなく、人生における大人の遊びとしてゴルフを捉えられると思える人にはお勧めの一冊。

  • ゴルフを題材にした短編小説集。
    この本を読むと、伊集院静がゴルフが好きで、また、「良い」ゴルファーであることがよく分かる。

    「良い」ゴルファーというのは、決して「うまい」という意味ではない(伊集院静は、実際には相当な腕前らしいけれども)。そうではなく、「一緒にプレーしてみたいゴルファー」という意味だ。
    プレーが限度以上に遅い、とか、すぐに愚痴るとか、キャディとケンカしてしまうとか、「一緒にプレーをしたくない」ゴルファー意外といる。伊集院静は、そういうゴルファーとは、おそらく対極にあるゴルファーだとかなり確信を持って言える。

  • ゴルフは人生そのものだと言う人がいる。そのとおりだと思う。
    ゴルフは全てが1人で完結するスポーツだ。スタートホールから最終ホールまで、自分自身の技量と体力で山あり谷あり風ありの路をヘトヘトになりながら歩いていく。
    どんなに練習をしたって、球が真っ直ぐ飛ぶほうが稀だし…。

    愚痴っぽくなるのも人生と一緒だな。

    でも、コースを周る時には必ず仲間がいる。だからゴルフは楽しい。スコアだけじゃない、価値がある。

    ボビー・ジョーンズは言う。
    「人生の最後にいくら財産を得たかではない。何人のゴルフ仲間を得たかである。」

    どんなにボロボロのプレーをした後でも、目を閉じれば、ゴルフ場の青空が瞼に映る。まだまだ頑張れると足を踏ん張る。

    さて、レビューだ。「あなたに似たゴルファーたち」は伊集院静さんのゴルフに対する愛情とゴルフに向き合う真摯な姿勢が垣間見える、秀作だ。
    20編をこえる短編集なのだが、その主人公は皆、人生の岐路に立った時、ゴルフを通じて人生に向き合う。ゴルフに対する姿勢が彼らの人生を決定付けたと言ってもいい。
    伊集院さんはこう言いたいのだろう。「ゴルフは人生そのものだ。だから、紳士たれ」と。

    『ゴルフは大半がミスショットをする遊びだ。(中略)つまりバンカーの中で三角君が砂だらけになり、タメ息をつき、また落胆しているあの姿こそが三角君がゴルフの真髄に触れている時間じゃないのかね。たしかに苦しんではいるが、それは幸福の時間の中にいるとも言える。』(P49)

  • ゴルファーの短編集。
    1話がとても短く、登場するゴルファーが親しみのあるレベルなので読んでて共感できる。伊集院静のゴルフ好きがよく伝わってきた。ちょうどコンペ前に読んでたので、自分に置き換えて読めた。
    もう少し若い登場人物がでてくればもっとおもしろかったのになぁ。

  • 伊集院静氏のヨーロッパゴルフ巡礼の番組を正月に見た。ちょうどスペイン編だったか。一人でコースを回りながら、そのゴルフ場の歴史や、ホールとの戦いをつぶやきながら。この方のゴルフのうまさにうなってしまった。
    本書はゴルフの上手な人の話ではない。私のようなアベレージなアマチュアゴルファーが主役。
    下手でもゴルフをが大好きな愛すべき人たち。
    しかし最後に痛烈なサラリーマンゴルファーの批評がある。
    私もやっているコンペでの6インチリプレース。これは日本だけの習慣らしいのだが、これをセントアンドリュースで日本人がやったらしい。つまり本来動かしてはいけない「あるがまま」のボールをあろう事か日本人の集団は6インチ動かしてプレーをした。
    そこでセントアンドリュースでは日本人がプレイできないようにくじ引き制度を編み出し、日本人は(?)翌日にならないとティータイムが決まらない。
    実に情けない(と自分自身に)思った次第。

  • 2012/5/11 Amazonより届く。
    2013/3/20〜3/23

    ゴルフは何故ここまでドラマになるのか?結局のところ、自分一人の決断が求められ、結果については自分ひとりが責任を負わねばならないからであろう。それ故になおさら、心の葛藤が浮かび上がる。

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著者プロフィール

1950年山口県生まれ。’81年短編小説「皐月」でデビュー。’91年『乳房』で吉川英治文学新人賞、’92年『受け月』で直木賞、’94年『機関車先生』で柴田錬三郎賞、2002年『ごろごろ』で吉川英治文学賞、’14年『ノボさん 小説 正岡子規と夏目漱石』で司馬遼太郎賞をそれぞれ受賞する。’16年紫綬褒章を受章。著書に『三年坂』『白秋』『海峡』『春雷』『岬へ』『駅までの道をおしえて』『ぼくのボールが君に届けば』『いねむり先生』、『琥珀の夢 小説 鳥井信治郎』『いとまの雪 新説忠臣蔵・ひとりの家老の生涯』、エッセイ集『大人のカタチを語ろう』「大人の流儀」シリーズなどがある。

「2023年 『ミチクサ先生(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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