- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167549015
感想・レビュー・書評
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中学生のときが(今のところ)人生で一番本読んでいた時期なんですが、当時映画化されて流行ってた『ブレイブストーリー』も素通りしている天邪鬼な自分、これが恥ずかしながら初の宮部みゆき作品。
本自体購入したのは卒論を書いていた大学4年時。教師に関する小説から得られる教師論について筆を進めていて、なかなか先生を題材にした小説ねぇなーと難儀していたところで見つけたのがこの作品。結局読まずじまいだったのです。笑
文体に少し引っ掛かりのある部分があり粗さは感じられたけど、ストーリーの着想や展開が面白かったのでさほど気になることもなく。どの短編もはっきりまとまっていてテンポよく読みやすい。『誰か』『今夜は眠れない』『火車』は積読しているのですが、先に短編集であっさり読んで正解だった。
"サボテンの花"、心を読み取るトリックに唸らされただけでなく、子供達と教頭の関係性も美しくてうるっときた。解説で北村薫先生(読者じゃないのに先生って言うのも小っ恥ずかしいが)が「短編推理小説の名作」と言うのも納得。気持ちよくなれる。
小説って、こう、読みながらワクワクするもんだったな、としばらくネット漬けで活字を避けてきた人間には良い起爆剤になりそうです(隙自語)
【読了時間:4時間7分 / 2日】
久々の読書でスタミナがないのと、YouTubeでRISING SUN FESTIVALの生配信観ながら読んで寝落ちしたのでこのランニングタイム。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
うれしい不意打ち!これで終わりと思ったら、そこからのもう一捻り。珠玉の短編で綴られた一冊!
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Amazonの紹介より
僕は三田村誠。中学1年。父と母そして妹の智子の4人家族だ。僕たちは念願のタウンハウスに引越したのだが、隣家の女性が室内で飼っているスピッツ・ミリーの鳴き声に終日悩まされることになった。僕と智子は、家によく遊びに来る毅彦おじさんと組み、ミリーを“誘拐"したのだが…。
オール讀物推理小説新人賞を受賞した表題作以下「この子誰の子」「サボテンの花」「祝・殺人」「気分は自殺志願」の計5篇を収録。
軽妙な会話でしたが、内容としてはどれも濃かったです。説明口調ではなく、会話から全体像を形成していくので、読み応えがありました。
2時間サスペンスを読んでいるようで、気軽に読めましたが、ほっこり感やスッキリ感、感動もあって、色々と楽しめました。 -
5編の短編集。前半3作は子どもたちが出てきますが、いいなあ〜^^特にサボテンの花が好きです。子どもたちがなりの真剣さが、真面目でおかしくて...教頭先生でなくても泣けてきます。
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宮部みゆきさんの推理短編、あっさり読んでほっこりできるから好き。この本の中では「サボテンの花」がすごく気に入った。教頭先生の信念とやさしさ、そしてそれをきちんと理解して教頭先生を想う子供たち。いい話だったなあ。
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僕は三田村誠。中学1年。父と母そして妹の智子の4人家族だ。僕たちは念願のタウンハウスに引越したのだが、隣家の女性が室内で飼っているスピッツ・ミリーの鳴き声に終日悩まされることになった。僕と智子は、家によく遊びに来る毅彦おじさんと組み、ミリーを“誘拐”したのだが…。表題作以下5篇収録。
「この子誰の子」「「サボテンの花」が良かったよ。 -
初期短編集。表題作は昭和62年が初出。昭和62年ですよ?
短編は、どれも「いつもの宮部みゆきの人情話」。
ハッピーエンドなので、どれも安心して読めます。そして作風が25年前からまったく揺るぎないのが驚き。逆に言うと、25年経っても古さを全く感じさせない。
そして、40刷なのにびっくり。40刷ですよ?騙されたと思って買っても間違いはまずないと思います。
解説が北村薫なのが個人的にはポイント高いです。
収録作品一覧 初出
我らが隣人の犯罪 オール讀物 1987年12月号 ※第26回(1987年) オール讀物推理小説新人賞
この子誰の子 週刊小説 1989年09月29日号
サボテンの花 小説現代 1989年03月号
祝・殺人 問題小説 1989年10月号
気分は自殺志願《スーサイド》 オール讀物 1988年08月号 -
「この子誰の子」の温かさ。「サボテンの花」が特に良かった。権藤教頭、秋山徹―子どもの味方の大人たち。“校長先生にならないでいてくれて ありがとう”という子どもたちの言葉には泣けた。
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デビュー短編集だとのこと。
たしかにちょっと粗いかな、と思いながら
読んでいたのでなんだか納得。
でもほっこりして、変わらずうまくて、
やっぱり宮部みゆきは宮部みゆきだなぁ、とも。
それぞれちがった趣きで楽しめた。