とり残されて (文春文庫 み 17-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167549022

感想・レビュー・書評

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  • 超常現象を題材にした作品が、七編収録された短編集です。

    一口に超常現象といっても、その扱いは様々で、作品ごとにしっかり工夫が凝らされています。
    もちろん、怖がらせることだけに終始した、そのような作品は一つもありません。

    ミステリ、ホラー、SF、ファンタジー…それぞれのジャンルを通して描かれる不思議さは、どれも違った感覚があり、読後に残る余韻も印象的でした。 

    不思議な出来事に翻弄される登場人物たち。切なさと悲しさに満ちた、その思いが胸を打ちます。

    深淵なテーマを扱う長編も良いですが、それとは違った魅力を持つ、短編も素晴らしいですね。
    初期の作品群とは思えない、筆力の高さを感じました。

  • (2019-12-03L)

  • 久しぶりに宮部みゆきを読んだ。短編集だが、全て超常現象もので面白かったし、ちょっと胸が痛くなるような感じだ。「とり残されて」は、結婚式も決まっていた婚約者を未成年の女性の交通事故で奪われた養護教諭をやっている女性が主人公。彼女が保健室で居残って仕事をしていると、子供の足音が聞こえ、「せんせい、あそぼ」という声が頭の中で聞こえた。いくら探しても姿が見えない。そしてその子の声が「プールへおいでよ」と聞こえたとき…。婚約者を亡くして加害者への憎悪で頭が一杯の彼女のもとにその子供はやってきた。そしてその子の後をついていくと…。なんとそこには。

  • 宮部みゆきさんの短編小説、私はすごく好き。映像となって目に浮かぶ光景ばかり。視点や描写がすごく映像映えするので、映画化やドラマ化にぴったりだと思う。「たった一人」「取り残されて」が特によいー。

  • 宮部みゆきさんの作品はいくつか読んだが今回のような短編集はちょっとあわなかったかなぁ。
    自分としては長編の読ませるような作品が好みかも。
    ただ最後の「たった一人」はなんだか不思議な感じと続きがあるような先を思わせる終わりかたが良かった。

  • 初期の作品とのこと。
    こんな作風のもあるんだという感じ。

  • 「宮部みゆき 全一冊」で紹介された短編集を読むシリーズの2冊目。「とり残されて」「おたすけぶち」「私の死んだ後に」「居合わせた男」「囁く」「いつも二人で」「たった一人」の7編。紹介されていた「たった一人」が印象深い。それまでの6編の流れもあり、この話の流れも伏線もある。最後の章の直前にある、わざわざ「傍点」を振られている文。最後まで読んでぞくっとするほどはまっている。

  • 2018.12.6-184

  • まあ、普通……といった感じでしょうか。解説者は最後の短編を絶賛していましたけれども、僕には少々間延びしたような物語に思え、楽しめませんでしたねぇ…それにこういう、幽霊?みたいな要素が混じる作品は苦手でして…まさに宮部氏が想像で書いた、といった点においては評価できるやもしれませんが、個人的にはあんまり…社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    とはいえ、表題作とか割と好みでしたし、その他にも気に入りの短編を見つけましたね。宮部氏は長編で力を発揮するのかな? とか思いますけれども、ともかく宮部氏の長編は膨大な長さなので…個人的には短編から攻めたいと思います。さようなら…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • どちらかというと超能力や幽霊といったものが設定に使われている話が多くて、それがいいといえばいいのだが「レベル7」を読んだときのような圧倒的なストーリーテラーの才はあまり感じられなかった。六篇の中では、投げられなくなったピッチャーと、彼がかつて死に至らしめてしまった少女が幽霊として出てきて、彼の再起のきっかけとなる「私の死んだあとに」(よくテレビのドラマにありそうな話なんだが、読んだときは結構ジーンときた)と、「たった一人」(最後がアンハッピーエンドですべてが夢か現実か判らなくなってしまうのがよい)の二編が印象に残った。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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