蒲生邸事件 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 5691
レビュー : 593
  • Amazon.co.jp ・本 (686ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167549039

感想・レビュー・書評

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  • 戦前にタイムスリップしてしまった主人公が、同じような人物の機転で名家の使用人として働く中で、2.11事件に巻き込まれる物語。
    当時の徐々に暗転する社会の雰囲気を感じることが出来るのが、歴史好きとしては面白かった。

  • タイムトラベルを主題にしたSFものではあるが、タイムトラベルと言ってもほとんど1カ所にとどまり、SFものと言うより、そこでの人間ドラマ小説の色合いが強い。
    なかなか面白かったが、タイムトラベルに期待して読んだ分、ちょっと拍子抜け。

  • 高校3年生の尾崎孝史が東京の予備校を受験するために泊まったホテルが火事に会い、死を覚悟した時に謎の男に導かれて2.26事件の昭和11年にタイムトリップする。タイムトリップした場所は、そのホテルがあった場所、元陸軍大将蒲生憲之の屋敷だった。
    何故蒲生邸だったのか?何故2.26事件の時だったのか?蒲生憲之の死と遺書の秘密は?タイムトリップに導いた平田と名乗る謎の男の目的は何?
    蒲生憲之の長男蒲生貴之とその妹珠子の不可解な行動、蒲生憲之の年の離れた弟で実業家、貴之の叔父蒲生嘉隆、憲之の後妻で嘉隆と密通している鞠恵、そして女中のふきとちゑ。蒲生邸に居合わせる登場人物が絡み合って謎が謎を呼ぶ。
    蒲生憲之が拳銃で自決したのにその拳銃がなくなっていた。それが色んな思惑を呼び、物語が展開していく。2.26事件を起こした青年将校と同じ思想だったはずの蒲生憲之が途中で考え方を変えた理由こそが事件の核なのだとわかるが、現代の人間の平田が昭和11年に蒲生邸で下男となって働いているのは何故?色々な疑問がわかるまでワクワク感が続く。
    最後の現代での尾崎孝史の時代を超えた恋の行方には感動した。

  • 時間旅行を扱ったSF小説であり、タイムトラベルをした先で殺人の疑いが持ち上がるミステリー小説であり、主人公尾崎孝志の青春小説でもある。
    文庫本で700ページ近い長編作品だが、テンポ良く話が進んでいき、興味深い謎やタイムパラドックスに関する独自の見解も示され、最後まで飽きることなく、興味を持って読めた。
    二・二六事件の発生直前の蒲生亭にタイムトラベルをして、二・二六事件当時のまちの様子が詳しく書かれている点も興味深い。
    ミステリーとしては、単純な仕掛けで意外性のある内容ではないが、真相には時間旅行というSF設定が上手く活かされている。

    (以下、物語のあらすじに触れています。)
    孝志が感じた最大の謎は、平田がなぜこの時代を選んだのかということ。その理由は第5章で明らかになる。「まがいものの神」として生きるのではなく、人間として生きるためであると。時間旅行者である平田の悲哀と苦悩が描かれている点も見逃せない。
    文庫本の帯に書かれていた「歴史に対して人は無力なのか」という問いかけが、この作品の根底にあるもの。平田は「歴史には歴史自らの意思があり、行きたい方向へ行く。人間にできるのは細部の修正だけであり、歴史の流れは変えられない」と言う。
    第五章で、孝志はふきに一緒に現代に戻ってくれないかと誘うが、その際のふきの返答が実にすばらしい。
    ふき、平田、貴之のその後の人生がわかる最終章も、しみじみとした味わいがある。

  • 2017年9月26日読了。

    678ページ

    長編の割に、ストーリーが秀逸なので早く読めた。
    ミステリー要素とファンタジー要素があり、ロマンも感じるいい作品。

  • 宮部さんって不思議な方だな。
    超常現象のような作品も、ペテロの葬列のような現実が刺さる作品も描ける。

    人物達の気持ちを描くのが丁寧。
    主人公じゃない人達の気持ちを考えていく時に、こうだったんだろうなって想像が出来る所が凄い。そういうの大好きです。
    人の想いが綺麗だった時代だったんだなと思った。
    最後までじっくり読んだ。

    黒井(女性の方)さんが好きです。影の運命でありながら、明るさを感じさせる。話は面白くなったけど、した事が残酷で(>_<)そこだけ、蒲生さんしっかりして、彼女にそんなことさせないでって思った。

    国を憂う気持ち。もう一回考えてみたいかも。私は将校ではないけど、このままだとやばいぜは感じるのに止め方がわからない。諫め方が。

  • 面白かった。
    タイムスリップ物やはり好きですね

  • タイムトリップもの。
    この『蒲生邸事件』は宮部作品の中で有名なものなので読むのを楽しみにしておりました。よくあるタイムスリップものと違うところは、時間移動出来る能力者に連れられ、意図した時間に移動したこと、だからある程度その場に順応出来たことだと思います。それが、ニ・二六事件の日であったとしても。
    主人公の孝史が動き回り過ぎてヒヤヒヤしました。蒲生邸の方はまだ良い人だから良かったものの、あまりに無礼過ぎて世が世なら斬られてしまうのではないかと思いました(苦笑)。何度も蒲生邸の使用人ふきに諌められても気にしてなかったですものね。まあ、主人公が動かなければ物語が進まないので仕方ないですけれど。孝史が仕切っていた場もありましたし、あれ? 孝史ってこんなに積極的な子だったっけ?と少々違和感もありました。滅多にない体験が人を成長させるのかもしれませんが。
    孝史がタイムパラドックスを気にした時、時間移動者の平田が歴史は動きたいように動くので、多少の変化は関係ない、事件をくいとめたとしても別の誰かが同じような事件を起こしてしまう、というようなことを言っていて、妙に納得してしまいました。
    孝史は無事に現代に戻ってきましたが、その後日談も良かったです。

  • まず、主人公のキャラクターが好きになれず。無礼で常識のない言動にイラッとしてしまう。
    ストーリーとしても、無駄に長かった印象。

  • 20170312読

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著者プロフィール

宮部 みゆき(みやべ みゆき)
1960年、東京都生まれ。1987年に「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。1992年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、1999年には『理由』で直木賞、2002年『模倣犯』で司馬遼太郎賞、2007年『名もなき毒』で吉川英治文学賞など、数々の文学賞を受賞。大沢オフィス所属。日本推理作家協会会員。日本SF作家クラブ会員。直木賞、日本SF大賞、小説すばる新人賞、河合隼雄物語賞など多くの文学賞で選考委員を務める。『模倣犯』や『ブレイブ・ストーリー』など、多くの作品がドラマ化や映画化などメディア・ミックスされており、日本を代表するエンターテインメント作家として人気を博している。2019年7月10日『さよならの儀式』を刊行。

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