人質カノン (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 4548
レビュー : 380
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167549046

作品紹介・あらすじ

「動くな」。終電帰りに寄ったコンビニで遭遇したピストル強盗は、尻ポケットから赤ちゃんの玩具、ガラガラを落として去った。事件の背後に都会人の孤独な人間模様を浮かび上がらせた表題作、タクシーの女性ドライバーが遠大な殺人計画を語る「十年計画」など、街の片隅、日常に潜むよりすぐりのミステリー七篇を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 短編集。
    殺人事件のような大きな事件ではなく、むしろ事件が起きる前のような、ちよっとした出来事の話が多くて、それでもウンウンと共感出来る部分が多く、面白かったです。『八月の雪』『過ぎたこと』『生者の特権』等、“イジメ”の中で、半ば諦めながらも何とか光を見出していく、そんな人間の逞しさも感じられ、ほんのりと心が温かくなりました。

  • 熟練の技が光る一冊。
    とにかく上手い。上手すぎる。

    先日、読了した「我らが隣人の犯罪」があまりに面白かったものだから、またもや宮部みゆきの短編集を手に取ったのだが、インパクトという面では物足りなかった……のだが。

    やはり駆け出しの時代の作品というのはとてもとんがっていてインパクトもある。アイデアも斬新だ。ひねりも効いて、満足度が高かった。

    とはいうものの、この一冊は円熟の技を楽しめるし、心に静かに響く物語が多かった。

    他人にひどい仕打ちを受けたことのある主人公が、その理不尽な人生に打ちのめされながらも、生きることの意味を見いだそうとする姿が感動的な、「十年計画」や「八月の雪」なんかは素晴らしい出来だ。

    たったの一編で人生を前向きに歩いていこうと思わせる作品は、もうそれだけで価値がある。

  • かなり昔に読んだ本です。
    内容は見事に全部忘れていましたが、今回読み返して文章が読みやすいと思いました。
    片鱗はあるものの、今ほど文章がくどくなくてシンプルで・・・。
    短編集だからかもしれません。

    『人質カノン』
    居合わせたコンビニ強盗から見えてくる現代の人間関係

    『十年計画』
    自分を陥れた男を殺害する計画を十年かけて錬った、女性ドライバーの話

    『過去のない手帳』
    偶然拾った手帳から活力を得る、五月病の大学生の話

    『八月の雪』
    亡くなった祖父の遺書から生きる意味をみつける、事故にあった少年の話

    『過ぎたこと』
    自分の護衛をして欲しいと小学生から依頼を受けた、調査事務所の男性の話

    『生者の特権』
    夜中に飛び降り自殺をするビルを探す女性とイジメにあう小学生の話

    『漏れる心』
    マンションを売りに出した所、その部屋が上の部屋からの漏水で水浸しになった女性の話

    かなり安易なストーリーだな~と思うのも中にありますが、作者の言いたいことがはっきりしているのが特徴の短編集だと思います。
    各話から現代の社会がもつ問題点が見えてきます。
    この本を読んで人それぞれ色んな感想をもつと思いますが、主題がはっきりしているためストーリーの結論はひとつになります。
    それがこの作者らしいと思いました。
    良くも悪くもシンプルで読みやすい本。
    この中では、私は『十年計画』と『過ぎたこと』がいいと思いました。

  • 短編集で読みやすい。
    ただ、どの話もあまり印象に残らず、宮部みゆきにしてはそんなに面白くもなかった。

  • 面白くて一気読みした。

    ◆人質カノン
    切ない、、救いがないんじゃないかっておもってしまった。。
    OLと眼鏡くんの絡みは好きだけど。

    ◆十年計画
    ちょっとほっこり^^前向きに、一生懸命がんばろうってことだな

    ◆過去のない手帳
    そうだよな。。行動力がすごい。変わる・変わらないよりも、変えようとするかしないかが大事。

    ◆八月の雪
    序盤悲しすぎて読むのつらかったけど、勉強する意味に気づかされる。
    最後まで読んでよかった。

    ◆過ぎたこと
    よかったよかった。。いじめ系おおいな。。

    ◆生者の特権
    いじめ系…でも、支えになる人って大事だよな。。
    長年付き合った人じゃなくて、パットで逢った人でも。出会いだいじ。

    ◆溺れる心
    人にはいろいろ事情があるから、なにもしらずにひがんだりねたんだりするの、よくないな。って学んだ。

  • 『八月の雪』が前向きで好きです。他の短編の多くも、そこかしこに前を向くことの大切さを説いてますがこれが一番印象に残ります。本のタイトルはこちらの方が良かったかも知れません。

  • 一話目のやるせなさが尾を引く。

  • 最近は宮部氏の短編を読むことが多いんですけれども、これもまた面白かったですねぇ…! 宮部氏の長編はそれこそ何巻にも渡って続くものが多いので手を出しにくいんですけれども、その点、短編集は気軽に読めていいですね♪ 社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    単なるミステリ作品というよりかはどこか人情を感じさせる作品であることも個人的に好みであり、また宮部氏の作品を読み続けようと思う動機となり得ます…! 社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    まあ、そんなアレでどれもこれもが珠玉の短編…!といった趣のある作品ばかりでして、たとえば通勤電車内でチョロっと読むのにはうってつけの短編集と言えましょう…!

    さようなら…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • It's short story.
    You can read them without your energy because of daily life stories.
    I like "八月の雪"
    How about you?

  • 7つの短編からなる作品。いずれも日常生活に結びついた話題で自分の身近なこととして読み進められた。その日常の出来事からから社会への警鐘が含まれているように思えた。

  • 短編集。ミステリーに加えて、様々な悩みを抱えていたり、境遇も決して明るいとは言えないものを持つ人物が物語を繰り広げる。ミステリーの部分より、登場人物の陽と影の部分が物語に強く作用するのが大きかった印象。悲しい出来事があっても、深い底へ落ちることがあっても、そこへ一筋の光が差し込み、上を見上げて明るい方向へと進もうとする人物の前向きな気持ちや、一歩一歩前進しようかと感じられる。現代社会にも通じる光と影や悩みに対して、それを乗り越えようとする力が感じる、きっと明るい未来が見えると感じる。

  • 宮部さんの短編は面白い。
    この作品もそれぞれに味があって引き込まれるものばかり。
    特に「生者の特権」が好きだった。

    2018.5.13

  • 宮部さんの短篇集好きです。
    今作では「八月の雪」がお気に入り。自ら判断できなかったことで、理不尽に人生を狂わされた人間は、どう生きていけばいいのか。けっこう身につまされたなぁ。

  • 前向きな感じの話が好きだった。

  • 2017.10.3.

  • 日常に潜むミステリー7篇。短編だからなのか、もっと膨らみそうなところであっさりさわやかに終わる話が多かった。それにしても、いじめの話の多さ…世の中は世知辛い。

  • 【あらすじ】
    「動くな」。終電帰りに寄ったコンビニで遭遇したピストル強盗は、尻ポケットから赤ちゃんの玩具、ガラガラを落として去った。事件の背後に都会人の孤独な人間模様を浮かび上がらせた表題作、タクシーの女性ドライバーが遠大な殺人計画を語る「十年計画」など、街の片隅、日常に潜むよりすぐりのミステリー七篇を収録。

    【感想】

  • 宮部みゆきの短編集。読みやすく、個々の話しもそれぞれの主人公の思いを上手く描かれており、楽しく読めた。コンビニ強盗にまきこまれOL を通して特殊なコンビニでの人間関係を描いた表題作。にこやかに語る復讐の十年計画。電車で拾った手帳から青年がバツイチ女性の思いを知り、人生に向き合う過去の手帖。事故で片足を失い、生きる意味に希望を失なった少年がお祖父さんの過去を知り、知らないことを知ることに生きる意味を見いだす八月の雪。探偵を営む主人公に相談にきた少年に思いをはせる過ぎたこと。自殺願望のOLがいじめにあっている少年と夜中の学校を探検し、お化けの怖さに生きていることを認識する生者の特権。マンションの部屋を売りたい主婦が水漏れ被害から知り合った裕福な女性に複雑な心境を持つがその秘密が明らかになる。揺れる気持ち。全七編。

  • (2017-08-05L)

  • さすがの宮部みゆき。短編ということもあってスラスラと読みやすくサラッと読めた。
    でも個人的にはやはり長編でガッツリ読みたいかな。
    少し物足りなさも感じました。

  • 7編の短編集。
    死を覚悟して自殺しようとするいじめられっ子とかの生きなおそうとする再生の話。
    本人だったり、その周りだったり、別の意味で死を覚悟してた人も。
    読んでて哀しくもなるのだけれど少しだけ希望とか光とかが見えてくるものが多いのが多少の救い。
    でもついつい読みふけってしまうところがさすが。

  • 7編収録の短篇集ですが、一つ一つの話で扱われるテーマは重く、深い心理まで見せられます。ただ話まで暗くなっているわけではなく、不思議と面白く読めます。読後感もいいです。一つの話が終わる度に浮かんできて、次の話に入るとまた潜って、浮かんでくる感じ。沈みっ放しにはならない。
    安易な解決を与えず、先のことは書かれてないんだけど、そこに明るいものが見えるからですかね。弱者目線できちんと向き合って書かれているからでしょうか。
    でもなぜか読み終わるとそれほど深く心に刻まれるわけではないような気がします。

  • 短編集
    「人質カノン」
    コンビニで強盗に遭遇してしまった主人公らの話。すいすいと読めた。特に感動とかは無いけど。
    「10年計画」
    主人公がタクシーで帰宅途中、女性運転手の身の上話を聞く。自分を裏切った男を10年計画でひき殺す話だ。
    本当に殺したのか、それともこれからなのかが気になって一気に読んだ。
    「過去のない手帳」
    電車の網棚で拾った雑誌に挟まれていた手帳。住所と名前が書いてあったが、予定は白紙。気になっていたら、彼女が行方不明との新聞記事が。この謎にアルバイト青年は立ち向かう。
    終わってみると、なんだか肩すかしを食ったような話。だけど、現実にあるかもしれないなあと思った。
    「八月の雪」
    いじめによる事故から引きこもりになった主人公が祖父が亡くなったことにより、その人生に興味を持ち立ち直ろうとするきっかけをつかむ。
    どんよりとした小説で、あまり好きでない。
    「過ぎたこと」
    元刑事が駅でみかけた青年が、何年か前にいじめの相談に来ていた少年に似ていた。そこから、カレはいろんなことを思い出す。だけど、青年と目が合ってもそれは過ぎたことゆえ、記憶にも無いらしいという話。
    あのときの少年が気になって読み進めたが、どうと言うことはなかった。
    「生者の特権」
    自殺をしようと場所を探していたら、校門を上って学校に侵入しようとする少年に出会う。彼と深夜の学校に入って宿題を取りに行ったが、いつの間にか自殺のことは忘れていた。
    いじめや主人公を裏切った男への復習など、何も解決しないがとにかく自殺は止めた。
    「漏れる心」
    照井和子は、夫の転勤に伴い地方へ引っ越すために、マンションを売りに出そうとしていた。その矢先、上階の配管から水が漏れ出し、部屋は水浸しに。上階に住む大学生の生活臭は無く、代わりに母親が謝罪に訪れる。
    大学生の謎が気になって読んだが、さほど感銘は受けなかった。

  • 読んだような…という気分で読んだ。
    ん~。覚えていない。
    自分の思う宮部みゆきっぽくないからかな?

  • 7編の短編集。
    いじめ、地域社会のつながりの希薄さ、世代間の断絶等を背景にしている。宮部作品の中では目立たないが、それぞれに読み応えがある。

    以下、読書メモ:

    人質カノン
    コンビニに寄ったら強盗に遭遇。犯人はフルフェースのヘルメットにおもちゃのガラガラを持っていた。結局、犯人は予想外の人物だった。

    十年計画
    10年をかけた遠大な殺人計画を聞くことになるのだが、その話をしていたのが…

    過去のない手帳
    電車の網棚にあった、名前が一つだけ書かれた手帳。誰が何のために置いたのか?

    八月の雪
    いじめで引きこもっていた少年の祖父が亡くなり、若いときに書いた遺書が見つかる。祖父は戦争の話はしなかった。調べて行くと教科書にも載っているある事件につながる。

    過ぎたこと
    電車の中で過去に出会う。過去とは思い出という形に成仏していない時間の幽霊。
    五年前に調査事務所に来た中学生だった。彼はいじめにあっていた。

    生者の特権
    彼氏に捨てられ、飛び降りるビルを物色していた時に、学校に忍びこもうとする子に出会う。そして、夜中の小学校へ忍びこむが、お化けの話を聞いてしまい…

    漏れる心
    マンションを売りにだしている最中に、上の部屋からの漏水。その部屋の住人は大学生で、母親がお詫びに来る。結局、売却できたが、その相手は…、そして意外な(想像はできたが)事実が…

  • 2016 9/23

  • コンビニで強盗にあった人の話。そこで会うから話せた関係ってすごくわかる。

  • 読んだ感想はただ普通に面白かったなって思った。
    短編でどれも終わった後に余韻が残り、良い終わり方のものが多かった。

    初めて宮部みゆきの本を読んだが、他の作品も読んでみたいとは思った。

  • コンビニで強盗に合った女性の話をはじめ、短編を集めたもの。どれもおもしろかった。

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著者プロフィール

宮部 みゆき(みやべ みゆき)
1960年、東京都生まれ。1987年に「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。1992年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、1999年には『理由』で直木賞、2002年『模倣犯』で司馬遼太郎賞、2007年『名もなき毒』で吉川英治文学賞など、数々の文学賞を受賞。大沢オフィス所属。日本推理作家協会会員。日本SF作家クラブ会員。直木賞、日本SF大賞、小説すばる新人賞、河合隼雄物語賞など多くの文学賞で選考委員を務める。『模倣犯』や『ブレイブ・ストーリー』など、多くの作品がドラマ化や映画化などメディア・ミックスされており、日本を代表するエンターテインメント作家として人気を博している。2019年7月10日『さよならの儀式』を刊行。

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