誰か Somebody 杉村三郎シリーズ 1 (文春文庫)
- 文藝春秋 (2007年12月6日発売)
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感想 : 840件
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Amazon.co.jp ・本 (480ページ) / ISBN・EAN: 9784167549060
みんなの感想まとめ
日常ミステリーとして描かれるこの作品は、平凡なサラリーマンである杉村三郎が、他人の心の奥深くに潜む秘密を探る過程を描いています。彼の人間味あふれるキャラクターに好感を持つ読者が多く、物語の中で浮かび上...
感想・レビュー・書評
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いつか読もうと思ってた杉村三郎シリーズ第一弾♪
今多コンツェルン会長の娘婿という立場でありながら、いたって平凡なサラリーマンである杉村三郎が追う日常ミステリー。
杉村三郎、なんか好感持てて好きだな〜!
そりゃ、この人でシリーズ化したくもなるな。
犯人探しの話でもあるけど、人間ドラマの要素が強かったかな〜。
いい感じで終わる話かと思いきや、人間の嫌な部分も見えたり、ラストはなかなか嫌な感じ。笑
ハラハラドキドキでもなく、ほのぼのでもないけど、これはこれで面白かった。
ぼちぼち続きも読んでいこうかな。
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悪夢はどこまでも追いかけてくる。
罪を犯せば償わなければならない。
秘密を持てば孤独になる覚悟を持たなければならない。
闇に引きずりこまれたなら自分の足で出ていかなければならない。
熱に浮かされたような時間もやがて過ぎ去る。
その後にはいったい何が残るというのだろう。
後悔、喪失感、寂寥感……
残されたなかに幸せの種は見つかるのだろうか。
今多コンツェルン広報室の杉村三郎は、事故死した同社の運転手・梶田信夫の娘たちの相談を受ける。梶田信夫は、同社会長であり杉村の妻・菜穂子の父でもある今多嘉親の個人運転手だった。
亡き父について本を書きたいという彼女たちのために、一見普通な梶田の人生をたどり始めた杉村の前に隠された秘密が浮かびあがる。さらにその秘密は別の方向へとも繋がりはじめ……
探偵でも刑事でもない杉村は、謎を解くというよりも、心に突き刺さった刺を見つけるきっかけを与えてくれたように思う。
ただし刺を抜くのも、そのままにするのも、杉村の役割ではない。それは彼が薄情なことでも、まして逃げることでもないはずだ。
なぜって結局、答えをだすのは刺を育ててきた人間でしかないのだから。
その結果、真相は藪の中だろうと、後味の悪さを残したままであろうと、それはもう仕方がない。
だって人間とはそんなに簡単に割りきれるものではないだろう?人とは所詮こういうものなのだよ。そう囁かれているようだった。この読み心地、ああそうか松本清張作品に似てるのかな。
そういえば杉村も松本清張意識してたよね。
それにしても探偵の役割をする杉村さんて、こんなにも他人の心の澱に触れて大丈夫なのかな。
探偵としては、まじめすぎじゃない?
ちょっと心配だ。 -
「名もなき毒」を読む予定で調べてみたらシリーズものということが判明。したがって1巻目のこの作品から。
中盤過ぎまではややのんびりというか、ゆっくり物語は進行していきますが、後半一気に巻き返した印象です。終盤は夢中で読んでました。
次作が楽しみです♪ -
切なさと、ちょっとみすてりさがピリッと入って、主人公のどことなくクールで情深さが絶妙。シリーズとして読み進めたくなる。
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2003年作品。宮部さんの長編ミステリーは初読み。これまで怖くて難しいイメージから近寄らなかったのですが、実際は、描写は軽快ながら、裏に険しい川が重層的に流れる世界を感じた。他作品にも挑戦したい。
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**「『誰か』: 杉村三郎と始まる心の旅路」**
『誰か』は、杉村三郎シリーズの始まりを告げる一巻完結の物語です。宮部みゆきさんが織りなすこの物語は、ある家族の深い絆を辿る旅に読者を誘います。それは、娘たちの愛する父の記憶をたどり、その人生に隠された物語を発見するプロセスを通じて、私たち自身の心にも響くものです。一見すると平凡な人生の背後に隠された真実を暴く旅は、まるで小さな宝箱を開けるようなワクワクとした感動を与えてくれます。
このシリーズは、一巻ごとに完結する物語でありながら、杉村三郎という一貫した主人公を通じて繋がっています。『ソロモンの偽証』や『模倣犯』といった、宮部みゆきさんの他の長編作品と同じく、深い人間ドラマと巧みに組み立てられた謎解きが魅力です。各巻が独立した物語でありながらも、杉村三郎シリーズ全体としての大きな流れやテーマが感じられるのです。
『誰か』を読んだ後に感じる寂しさは、物語との別れが名残惜しいからこそ。しかし、一巻ごとに完結するこのシリーズの素敵なところは、新しい巻に手を伸ばすことで、いつでも新たな物語に没頭できる点にあります。『ソロモンの偽証』や『模倣犯』にどっぷり浸かった経験がある方なら、この杉村三郎シリーズの物語も、同じように心に残る体験となるはずです。
『誰か』と共に始まる杉村三郎の物語の旅は、宮部みゆきさんの独特の世界観を堪能する貴重な機会です。毎巻新しい物語を楽しみにしながら、最終巻を閉じるその時までの寂しさを今から想像するのも、このシリーズの大きな楽しみの一つです。一巻ごとの完成度の高さと、物語全体としての深みは、宮部みゆき作品ならではの魅力を改めて実感させてくれることでしょう。 -
宮部みゆきの「杉村三郎シリーズ」の第1作。ブグログに記録はないけれども、私はこの本は読んでいる。が、今回あらためて読んでみて、内容を全く覚えていないことに驚いた。ミステリーなので、内容を覚えていないことは悪いことではないのであるが、自分の記憶力のなさに愕然とした。
ミステリーとしては面白かった。いくつかの謎が提示される。一つは、梶田信夫を事故死させたのは誰か。一つは、梶田信夫とその家族の秘密。一つは、携帯電話の着信音から導かれる謎、等々。
このシリーズの2冊目である「名もなき毒」も既に読んでいて、こちらはブグログに記録を残しているし、何となく読んだ記憶もある。次は3冊目を読んでみよう。宮部みゆきも、読み続けたい作家の1人となった。 -
杉村三郎シリーズの第1作。読んだはず…なんだ。何せ本棚から取り出したのだから。ところが、ひとかけらも記憶に残っていなかった。というわけで、またまた楽しい読書ができた。もうけた、と思おう。
本を読む楽しみは、作家さんの視点から物事を眺められること。自分では持ち得なかった角度から切り取ってくれたり、見ていたはずの物事をより深く繊細に見せてくれたり。宮部さんはどちらかと言えば、後者の作家。些細な、本当に何気ない描写の積み重ねが、物語にページ以上の厚みを与えている。主人公は杉村だが、狂言回したる彼の印象はとても薄い。その分、彼を取り巻く人々が生きている。
不慮の事故で亡くなった義父の運転手、梶田信夫。杉村は義父に命じられ、亡くなった父の自伝を作りたいという姉妹を手助けすることに。小さな謎が謎を呼ぶ。正に宮部さんの真骨頂。物語のクライマックスは決して後味のよいものではなく、杉村に投げつけられた言葉は刃のような悪意を含んだ物だった。しかし、それだけでは終わらない。稀代のストーリーテラー宮部みゆきをご堪能あれ。 -
劇的な出来事が起こって次々ページを繰りたくなる感じでは無いのだけれど、穏やかな主人公が淡々と誠実に向き合って行く様がほっこりします。 ただ、良い人優しい人ってたまに牙剥かれるよね…と切なくもなりました。めっちゃ面白い訳じゃないけど気になるのでシリーズ全部読んでみようと思ってしまうそんな杉村三郎。
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今多コンツェルン会長の娘婿である杉村三郎が主人公。元記者の経験から今多コンツェルンの広報室編集者となった杉村三郎だが、会長の運転手だった梶田が自転車の轢き逃げで死亡する。
梶田の娘姉妹聡美と梨子が事件として今多会長に無念を晴らしたいと伝え、杉村三郎に相談があった。
痛々しい殺人事件でもなく、もしかすると事件性もなく、事故なのかもしれない案件だが、杉村三郎は調査に踏み込んでいく。轢き逃げは紛れもない犯罪である。
この事故か事件が片付いたかと思いきや、別件の謎解きに杉村三郎が挑んでいく。
読み終えて、あれっ、これって宮部みゆきさんの作品だよなと表紙を見返してしまった。らしくない印象を受けたからだ。それなりに面白かった。
シリーズものは面白いからシリーズになっていると思い手に取ってしまう。シリーズの始まりとしては少しインパクトが足りなかった。 -
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昔読んだ気がする。途中まで読んで、思い出した。ペテロの葬列の本とドラマを先日見たので、杉村三郎、小泉さんを思い浮かべて、あらためて読んでいます。シリーズの1話目だったのね。お話が面白かった記憶はあるけれど、そこまでピンとはきてなかったなぁ。姉妹のあれやこれやのお話と思ってました。杉田三郎が、探偵らしきことをしていく最初の物語だったのね〜と、しみじみ。じっくりと、読み直したいと思います。
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'24年11月25日、AmazonAudibleで、聴き終えました。杉村シリーズの一作目、僕はシリーズ三作目…あまりやらない、順番を無視した読書でした。
う〜ん…さすが、宮部みゆきさん!ま、今さらですけど╮(╯_╰)╭
胸糞悪い結果ですが…杉村の人柄が、ハッピーエンドに変えてくれる、そんな読後感でした。人間の、美しさと醜さを、ガツンとぶつけてくる、宮部さんの力技。
次、どうしよう…シリーズ二作目、ドラマを観ちゃって、嫌な記憶が…ಥ‿ಥでも、読んで(聴いて)みたい! -
どんどん頁をめくらせれた!
杉村三郎シリーズ第1弾。
今多コンツェルン会長の娘と結婚し、その社内報編集部に在籍させられている三郎。
会長の私用運転手:梶田の事故死、梶田の娘姉妹からの相談事の対処を命じられたところから物語は始まる。
宮部みゆき作品は、ストーリーの面白さに加え、社会問題を絡めての堅めの語り口も魅力。
20年前に書かれた本書だが、自転車の暴走事故も軸の一つとし、今も全く古さを感じない。
心理描写より、プロフィール的な紹介を積み上げ、人物像を鮮明にするワザも凄い。
幸せな家族描写が、返って不穏な空気感だ。 -
先に「ペテロの葬列」を買ったがそれがシリーズ物と知り、シリーズなら最初からと買った一冊。
裕福なサラリーマンが事故の真相を探る話だった。
姉妹の父親が事故死してその犯人を探すから始まったが、終わりは姉妹の喧嘩だった。
あんまり話に興味がわかなかった。
亡くなった父親の本を出して犯人を見つけるってのがちょっと無理があるんじゃないか?と思ったし、そもそもそんな事しなくても、犯人は自首してたと思う。
父親の過去はわかったが、世間にさらすような内容でもないし
結局最後は姉妹のいざこざに首を突っ込んだだけみたいに感じた。
シリーズ次の「名もなき毒」も買ってあるのでそちらは興味が出てくるような小説であって欲しいと思った小説でした。 -
題名の「誰か」って何???って思ってたけど、somebody どこにでも居る人って事なのかな?
会長のお抱え運転手の事故死。どこにでも居そうな梶田の死について探偵でも刑事でもない主人公が調べ始めてみると……
未成年のおこした自転車事故や、過去の幼児誘拐事件の真相、姉妹の異常な確執とか、逆玉の輿に乗った事になってしまった主人公の葛藤などなど、とにかく盛り沢山の人間関係をまとめ上げて書き上げる宮部さんの力量はすごいなあ。
そしてそう言うどこにでも居る人達の小さな毒みたいなものが痛くて辛い。
身の周りにふとありそうな毒にちょっと背筋が寒くなる。
主人公の穏やかで冷静な心が救いだった。 -
今多コンツェルンの会長、今多嘉親79歳の婚外子娘婿である杉村三郎35歳が主人公で、今多会長の専属運転手だった梶田信夫65歳が自転車にはねられて死亡する。梶田の娘姉妹がその犯人を探す為に梶田の伝記を書こうとすることで、梶田信夫の過去の謎が明かされてくる。その出版の手助けを会長の指示で杉村三郎がすることになる。杉村はグループ社内広報誌等の編集が仕事だが、探偵の如く謎に迫っていく。姉妹の姉の幼い頃の秘密が徐々に核心に近づくにつれて新しい謎が出てきて、轢き逃げ犯の謎、妹の行動まで謎になって、最後に全ての謎が解決する。
意外な結末ではあるが、ちょっと未消化感が残る感じである。 -
巨大コンツェルンの娘婿として、何不自由なく暮らす主人公。事故死した運転手の人生を書く本の作成を依頼され、過去の隠された事件を紐解く。
話はめちゃくちゃ地味だが、人間の妬みがお人好しの主人公にダイレクトにぶつけられ、胸が痛くなる。イヤミスだなぁ。 -
Audibleで読了。話の展開が少なくちょっと物足りなかったかな、、けどストーリーに深みがあり、結局は引き込まれました。さすが宮部みゆきさん!
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途中までは家族を想う心温まるストーリーかと思いきや、だんだんキナ臭い伏線が張られて行き最終的には救いようのないドロドロ・・・。
ナチュラルに話を展開しているのがすごい。これだけ心象に大きな振り幅があるとどうしても無理な流れになりそうだが、そういうことも一切なくジワジワ嫌な感じが伝わってくるところが本を読む手をとめさせない。
梨子のような女のコ、ホントにたちが悪い。
著者プロフィール
宮部みゆきの作品
