誰か―Somebody (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 6485
レビュー : 588
  • Amazon.co.jp ・本 (469ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167549060

作品紹介・あらすじ

今多コンツェルン広報室の杉村三郎は、事故死した同社の運転手・梶田信夫の娘たちの相談を受ける。亡き父について本を書きたいという彼女らの思いにほだされ、一見普通な梶田の人生をたどり始めた三郎の前に、意外な情景が広がり始める-。稀代のストーリーテラーが丁寧に紡ぎだした、心揺るがすミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 数年振りに再読。ペテロの葬列(ドラマ版)を観終えたところなので、この頃の杉村氏と奈穂子の仲睦まじさが切ない。奈穂子との馴れ初めも語られる。

    今多コンチェルン会長の運転手を勤めた梶田氏が自転車で轢き逃げされ、亡くなった。父親についての本を書きたいという、10歳違いの美人姉妹(聡美、梨子)の想いにほだされて彼の人生を辿り始めた杉村。

    逆玉と言われ、実家の両親にすら奈穂子との結婚を祝福されなかった彼に純粋な祝いの言葉をくれた数少ない人として記憶に残る梶田氏。だが彼もまた、ある秘密を抱えていたのだ…

    轢き逃げの犯人を追ううちに杉村が知ってしまった二つの秘密。その一つは結婚を間近に控えた聡美を傷つけるものだった。






    姉妹丼とは浜田氏、最低だ…。梨子許せん。

  • ドラマが面白かったので読んでみた。
    続編「名もなき毒」よりまとまっていて面白かった。
    しかし、宮部さんは人間を書くのが上手いなあ。
    (図書館)

  • 警察でも探偵でもないし、犯罪に関わったこともないし、人には言えない過去があるわけでもない。ごく普通の暮らしで、善良な性格で、どこにでもいそうなサラリーマン杉村三郎を主人公とするミステリーシリーズの第1作。

    物語のきっかけは杉村が勤める会社のオーナーで、杉村の義理の父、今田会長の個人運転手がひき逃げで亡くなったこと。今田会長は遺された2人の娘の頼み事を杉村へ依頼する。

    ひき逃げ犯を探し出す推理ミステリー小説かと思いきや、物語は意外な方向で終結。味方だと思っていたら実は、って意表を突く展開と散りばめられた伏線の回収に無理がない。

    世の中には常識的な善悪が通じない人が結構いる。そんな人間を前にすると、常識のある普通の人間は余計な苦労をしてしまう。そんなことを実感させられる作品。まだまだ活躍の余地がある登場人物たちの今後も気になるので、シリーズの次回作も読みたくなった。

  • 読み始めたらどんどん引き込まれた。ものすごく派手な展開があるわけではないけど、とてもおもしろかった。人の心の隠れた暗いところを描くのが本当にうまいなと思った。

  • 謎が謎を呼ぶ…?
    主人公の奥さんの父親である企業会長の専属運転手が自転車のひき逃げに遭い、その犯人を探すために本を出したいと言う遺族の娘たち。本を書くために亡くなった運転手の過去をたどる妹と、頑なに過去の詮索をやめさせようとする姉。ただのひき逃げ事故のはずが、話がどんどん広がって行き…。
    ページをめくる手が止まらない!

  • 杉村三郎シリーズ1作目。
    事故死した運転手・梶田信夫の人生をたどることになった杉村だが、そこには意外な事実が・・・

    今回再読なんだけど後味が・・・
    人間というか人間関係、現実の辛いところが書かれていてるけど、なぜか目が離せなかった。
    癒しと思えるのは、杉村と妻の菜穂子、お義父さんの今多嘉親の存在かな。
    それがあるから読了できたと言えそう。

  • 「名もなき毒」から戻って読了。
    ドラマである程度ストーリーは知っていたつもりだけれど、展開はとても意外だった。「誰か」というタイトルの意味も読んでみて初めてわかる。
    いろいろな事件が絡み合って出てくるのだけれど、最後は少し失速してしまうかな・・・という印象。
    でも、杉村三郎の気遣いや優しさが随所に表れていて、ミステリーの探偵役なのにとても好感が持てる。小泉孝太郎さんはまさにはまり役だったとあらためて感じた。

  • 先に「名もなき毒」を読んでいて、なかなか面白かったのでシリーズと逆行する形になってしまったが読了。
    期待値が高かっただけに、少々、残念な一冊。

    さすがに宮部みゆきだけあって、人間を描くのは上手いし途中で投げ出したくなる事もなかったけど、淡々と進むストーリーに、いささか疲労感を覚えてしまった。
    大きな事件が起こる訳でもないが、宮部みゆきは「嫌〜な感じの人物」を描くと本当に上手い。読んでて、こちらまで気分が滅入ってしまいそうになる人物とか、なかなかお目にかかれない。

    「名もなき毒」と読む順番を変えてたら、もう少し評価も変わったかも…。
    ☆3個。

  • 今多コンツェルン広報室の杉村が、義父である今多会長からの依頼で元運転手梶田の死に関わることに。梶田の2人の性格が正反対の娘たち、梶田の過去、杉村の家庭環境が次第に明らかになっていく。
    伏線が等分の重みをもって張り巡らされ、一気読みしてしまう。自転車事故、恋愛のもつれ、青少年の犯罪に対する対応、姉妹関係、と、身近な、いつでもそばで起きそうな話題でスリルも感じさせる。

  • 「彼女はわかっていたのだ。言われるまでもなく、心では知っていた。それでも、誰かの口からそう言ってほしかったのだ。わたしたちはみんなそうじゃないか?自分で知っているだけでは足りない。だから、人は一人では生きていけない。どうしようもないほどに、自分以外の誰かが必要なのだ。」杉村シリーズの第一作。ベージターナーの代表たる著者が本作で問いかけるのは、他者の存在。ひりひりとするし、謎は解決しきらないし、救いがあまりない。でも、やっぱり面白いのは、誰もが知らず知らずに感じ、願うことをきっちりと丁寧に優しく言葉にしてくれているから。

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著者プロフィール

宮部 みゆき(みやべ みゆき)
1960年、東京都生まれ。1987年に「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。1992年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、1999年には『理由』で直木賞、2002年『模倣犯』で司馬遼太郎賞、2007年『名もなき毒』で吉川英治文学賞など、数々の文学賞を受賞。大沢オフィス所属。日本推理作家協会会員。日本SF作家クラブ会員。直木賞、日本SF大賞、小説すばる新人賞、河合隼雄物語賞など多くの文学賞で選考委員を務める。『模倣犯』や『ブレイブ・ストーリー』など、多くの作品がドラマ化や映画化などメディア・ミックスされており、日本を代表するエンターテインメント作家として人気を博している。2019年7月10日『さよならの儀式』を刊行。

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