大地の子 二 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (1994年1月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784167556020

みんなの感想まとめ

戦前戦後の混乱の中で中国に取り残された孤児たちの過酷な運命を描いたこの作品は、主人公の陸一心が歴史や政治に翻弄されながらも尊厳を失わずに生き抜く姿を通じて、深い感動を与えます。著者が8年の歳月をかけて...

感想・レビュー・書評

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  • この作品は、山崎豊子さんが約8年かけて取材・執筆し、300人もの中国残留孤児への聞き取りを重ねて生まれた小説です。

    戦前戦後の混乱の中で中国に取り残された残留孤児の過酷な運命を背景に、主人公の陸一心が歴史や政治に翻弄されながらも尊厳を失わずに生き抜く姿が描かれ、強く心に残りました。

    入院中に読み、退院後に時間が空いても即物語に入り込めるほど引き込まれ、私の人生で「過去イチの作品」になりました。主人公の苦難に満ちた人生を知り、人生への向き合い方に深く感化されました。

    舞台化もされていますが、まずはNHKのドラマを観て、感動をもう一度味わいたいです。取材の軌跡を記した本も読んでみたいと思います。

  • 親子の愛を感じた。ここまで生き延びれたのも育ててくれた両親に会いたいという強い思いがあったから。次巻以降も楽しみな2巻だった。

  • 懲役からの解放、養父との再会、実父の登場、中国戦争孤児の帰国、日中共同製鉄所の建設と、盛りだくさんの第二巻。

    イーシンと松本父は、どのような親子対面を果たすのか。
    (すでにそれと知らずに出会ってはいるが)
    神のような養父との感動的な再会とは正反対のものになるかと思うと、胸が痛いやら、不謹慎ながら楽しみやら。
    お互いにとてつもない葛藤や確執が起こるのが目に見えており、どう決着をつけるのかいろいろ想像が膨らむ。
    イーシンがほとんど反日といってもいい人格になってしまったのが辛い。
    生き別れの妹がくさびになってくれるのだろうか。


    文化大革命の終結と天安門事件が回想のかたちで作中で触れられましたが、天安門のほうは偶然にも35年前の今日、6月4日に起きたことだったのですね。
    追悼できるような立場ではないので、代わりに、数々の苦難を乗り越えてきたイーシンと、慈愛あふれる養父母の前途を祈りたいと思います。

  • 正直思わぬ展開だった。ただひたすらに打ちひしがれる物語なのかと思い込んでいたから。
    ここまででも相当な苦難、よくぞ生き延びたと。差し出された、差し伸べられた手を、衒いなく自らも手を伸ばし、応える。過酷な状況下、ここまで素直に…いや、だからこそ、なのかもしれない。
    信じることを諦めなかった一心の、人としての在り方を見た。

  • 1巻が苦し過ぎたから、2巻の始めで号泣してしまった。
    涙が溢れて止まらなかった。

    1巻のことがあるから、未だに誰も信じることができない私が居る。
    怪しい登場人物が出てくると、また虐められやしないかとヒヤヒヤしてしまう(-_-;)

    2巻は政治的な話が多い為、私のような知識の無いお馬鹿な女にはなかなか読み進めるのが苦痛だった。

    しかし文章はとても好みで、一文、一文にいちいち感動していまう。
    美しい文章を書く作家さんだなぁと、、、

    これからどうなるのか、期待と心配が入り乱れている。。。

    幸せになって!!

  • 第1巻に続き第2巻を読了した。 第1巻で描かれた、魂を削るような凄惨な労改(労働改造所)生活をようやく生き抜き、釈放された主人公・陸一心。その歩みはあまりに過酷だが、第2巻ではそこに「肉親」という、より複雑で濃密な葛藤が重なり合ってくる。
    釈放後、父・徳勝と再会する場面は、本作屈指の感動的なシーンであるはずだった。しかし、私の心に深く刺さったのは、絶望的とも言える「距離感」の描写である。
    長年、中国の家族と離れ、労改で孤独に耐え抜いた一心。彼はその極限状態の中で、失われていたはずの母国語、すなわち日本語を話す力を取り戻していた。しかし、流暢な日本語を操る息子を目の当たりにした時、養父・徳志が感じた虚脱感はどうだろうか。
    必死に守り育ててきた息子が、自分のあずかり知らぬ「日本」という異世界へ、言葉の壁を越えて足を踏み入れてしまった。その寂しさと喪失感はいかほどだったか。愛し抜いたからこそ生じるこの不穏な断絶に、胸が締め付けられる思いがした。
    今作を読んでいて最も不思議に、かつ驚異的に感じるのは、一心の精神構造である。 あれほど凄惨な仕打ちを国家(中国共産党)から受けながら、彼は党を恨むどころか、なお党のために働き、入党を強く希望する。その献身的なまでの忠義の厚さは、理解しがたいものに映る。
    しかし、それは単なる盲信ではないのだろう。 「日本人」という原罪を背負わされた彼にとって、入党こそが「人間として認められる」ための唯一の道であり、自分を育ててくれた養父の潔白を証明するための生存戦略でもあったのではないか。
    物語の後半、実の父である松本耕次が登場し、日中合作の巨大プロジェクトの中で父子の運命が交錯し始める。恩義の父・徳志と血縁の父・耕次。 一人の男の魂の中に、日本と中国という二つのが共存し、激しく衝突を始める予感に満ちている。

  • 残留孤児の立場から国家重要プロジェクトに関わっていく陸一心とその親子の絆のようなものを感じられた。日本人であるがゆえの苦悩や苦難が報われつつあると思いながら、殆どの人には記憶にも体感も残らなくなっている中国現代史に通づる歴史を小説から学べることは感謝すべき事なのかもしれない。

  • 不毛地帯に続き、大地の子。流石の山崎豊子先生。
    どれもこれも苦し過ぎて、読むのが辛いが、読んで良かったと思える一冊。

  • 日本人戦争孤児の陸一心が釈放され、元の製鉄所に復帰。日中国交回復により、日本人であるビハインドも無くなり、春を迎える。そして、運命の糸が… 国家とは何か、その出自ゆえの国家の不条理、この先、陸一心はどうなるのか。非常に面白い。

    物語がハッピーエンドで終わることを祈る。

  • 第一巻の一心の辛い過去を読んでいて本当に良かったです。日本人の血筋ゆえに辛い思いをしてきた一心が、ここからどのように運命を逆転させていくのか楽しみです。また、松本との実の親子関係がどのように深まっていくのかも気になり、続きがますます楽しみになりました

  • 陸一心は労改から解放され、家庭を持ち、日中共同プロジェクトの製鉄所建設に加わる。
    プロジェクトの中で実の父松本耕次と出会う。

  • ちょっと安定してきました。

  • 日本人の戦争孤児・松本勝男こと陸一心。
    その出自故に、冤罪により、労働改造所に囚われ、想像を絶する過酷な日々を送っていた。

    養父・陸徳志や親友・袁力本の支援により、冤罪が認められ、ようやく釈放される。

    釈放後も日本人が故の差別を受けながらも、日中共同プロジェクト『宝華製鉄』建設チームメンバーに選ばれた。また、同時に共産党員への推薦も受けることになった。

    一方、かつて満洲開拓団として、満洲に渡った松本耕次は、敗戦により家族と生き別れになっていた。

    開拓団として、多くの犠牲者を出したことに贖罪の日々を送っていた松本耕次。
    『宝華製鉄』建設プロジェクトの上海事務所長の辞令が下りる。

    同じ頃、松本耕次は、信濃開拓団の大沢咲子が残留孤児として、生き残っていたことを知り、勝男とあつ子が生きているかもしれないと…

    生き別れた父と子が中国で遭遇する…
    幼少期の記憶がほとんどない陸一心…
    陸一心が我が子とは気づかない松本耕次…
    もどかしい…

    日本の技術を欲しがる中国。
    納期短縮、値下げ要求をする中国。
    40年以上前からその姿勢は変わらないのか…

    それに合わせてしまう日本…

  • あらすじ
    太平洋戦争の敗戦によって、満州で残留孤児となった主人公・陸一心(中国名)が、中国人養父母への愛情と日本の実父との愛憎に揺れながらも、文化大革命の荒波を越え、日中共同の製鉄プラント事業を完成させるまでの物語。
    感想
    これが山崎豊子かって感じがした。

  • 再読。
    毛沢東の文化大革命が終わり時代が一気に進んだ。
    生活も質素ながら苦しい時代を終え、日本と中国の新しいプロジェクトが始まる。
    なんでもかんでも日本製を欲しがる中国はプライドが高くて、商談は難航するし、中国式に合わせてあげないといけないし、日本頑張って!って応援しながら読んでいます。

  • 山崎豊子さんで一番好きな作品。
    ラストがとても感動的。

  • 日本人であるが故、労働改造所に入れられ、厳しく辛い日々を送っていた一心だったが、あるかとから養父にそのことが伝わり、養父の命懸けの努力により、解放された。
    その後、元の職場に戻るが、以前のような仕事は与えられずの日々が続く。
    しかし、能力を買われ、日中合同の製鉄所建設の大プロジェクトに参加できるまでになる。
    ただ、日本人であるが故に苦しんできた一心にとっては複雑な思いだった。
    また、一心の知らないところで、様々なことが重なり始める。

    一心と養父の親子以上の愛情と信頼の深さが胸を打った。

    2019.4.13

  • 陸一心の本名は松本勝男。日本人戦争孤児である。日本人ゆえの苦難の日々を経て、彼はようやく日中共同の大プロジェクト「宝華製鉄」建設チームに加えられた。一方、中国に協力を要請された日本の東洋製鉄では、松本耕次を上海事務所長に派遣する。松本はかつて開拓団の一員として満洲に渡り、妻子と生き別れになっていた…。

  • 名誉回復となった陸一心は日中合同の製鉄所建設プロジェクトに参加。

  • 国、会社と異なれど、尽くす想いは同じ。
    報いても報いても、政治の渦にのまれるのも同じ。

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著者プロフィール

山崎 豊子(やまさき とよこ)
1924年1月2日 - 2013年9月29日
大阪府生まれの小説家。本名、杉本豊子(すぎもと とよこ)。 旧制女専を卒業後、毎日新聞社入社、学芸部で井上靖の薫陶を受けた。入社後に小説も書き、『暖簾』を刊行し作家デビュー。映画・ドラマ化され、大人気に。そして『花のれん』で第39回直木賞受賞し、新聞社を退職し専業作家となる。代表作に『白い巨塔』『華麗なる一族』『沈まぬ太陽』など。多くの作品が映画化・ドラマ化されており、2019年5月にも『白い巨塔』が岡田准一主演で連続TVドラマ化が決まった。

山崎豊子の作品

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