大地の子 三 (文春文庫 や 22-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 2395
感想 : 120
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  • Amazon.co.jp ・本 (383ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167556037

作品紹介・あらすじ

「あつ子、すまなかった、探し出すのが遅過ぎた」-陸一心こと松本勝男は、三十六年ぶりにめぐりあった妹・あつ子に泣いて詫びた。妹は張玉花と名のり、寒村で過労の果てに病いの床にあった。兄妹の実父・松本耕次は、子供らの消息をつかみえぬまま、奇しくも陸一心とともに日中合作の「宝華製鉄」建設に参加していた。

感想・レビュー・書評

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  • やっと妹と会えた。。。
    次から次へと色々なドラマが巻き起こり過ぎて、ハラハラドキドキ。

    4巻へ、、、

  • 陸一心のすぐ近くに実父が居るにも関わらず、なかなか真実に辿り着かぬもどかしさ。これ程までの艱難辛苦を味わったのに陸一心、いや、松本勝男に幸せは訪れないのか。妹・あつ子も何という苦難を…中国残留日本人孤児…祖国の地を踏めずに亡くなった方々も多いことだろう。

  • 日本が犯した罪を一身に負わされる存在か。

  • 陸一心はようやく妹との再会を果たすが精神的にも身体的にもやつれ果てたあつ子の姿は読んでいてつらいものがある。日本人でありながら、中国語でしか通じ合えない兄弟。なかなか父子であることに気づかない二人。あつ子は父と巡り合うことができるのか。最終章に続く。

  • 結末が楽しみです。

  • 日本人の戦争孤児・松本勝男こと陸一心。
    日本人という出自故に、過酷な運命を辿ってきた。

    日中プロジェクト『宝華製鉄』のメンバーとして、日本の地を踏む。

    しなのふじ…
    長野…
    少しずつ記憶が…

    政争に巻き込まれ、『宝華製鉄』建設プロジェクトは中止に…

    夏国峰にババをひかせたという、鄧平化、恐るべし。その後、あっさり再開とは…

    松本耕次は、『宝華製鉄』建設プロジェクトの上海事務所長として、多忙な日々を送りながら、残留孤児となった勝男とあつ子の行方を探していた。

    巡回医療を続ける妻・江月梅から張玉花というあつ子に年齢が近い、残留孤児がいることを知り、張玉花に会いに行く陸一心…

    そこには過労で病に倒れた張玉花が…

    もう少し早ければ…

    同じように探されることもなく、日本人として、日本に戻れなかった人はどれだけいたんだろう。

    満洲開拓団とはなんだったのだろうか⁇

    何の罪もない弱い人たちを置き去りにするなんて…

    残留孤児の中には、あつ子のように極貧の生活で家族にも会えず、日本にも戻れないまま、中国で亡くなっていった人はどれだけいたのだろうか。

    しかし、なんでも金、金という中国人には言葉がない…

  • あらすじ
    太平洋戦争の敗戦によって、満州で残留孤児となった主人公・陸一心(中国名)が、中国人養父母への愛情と日本の実父との愛憎に揺れながらも、文化大革命の荒波を越え、日中共同の製鉄プラント事業を完成させるまでの物語。
    感想
    これが山崎豊子かって感じがした。

  • 再読。
    妹との再会に涙。
    生活環境によって、普通の会話すらおぼつかないなんて。

  • 3/4が終わり、いよいよクライマックスへ!

    高炉建設計画の話になると、日中の民族性の違いがかなり露わになっているなと感じた。中国駐在の日本メンバーは郷に従うの大変そう笑

    丹青の株がここに来て上がってきた。
    元夫を父の権力により左遷させるなど勝手なところもあるけれど、仕事への熱量は人一倍。最終巻、一心が仕事で壁にぶつかった時のキーマンか。その壁を丹青の夫が作りそうだが笑

    鄧平化政権指導。高炉の完成はいかに、一心の日本との関わりなどまだまだ見逃せない。

  • 陸一心の生き別れた妹が見つかった。
    貧しい農民の家に売られ、人間とは思えぬような扱いを受け、幼い頃から体がボロボロになるまで働かされており、今や病に侵されて生死の狭間にいた。
    そんな妹の姿に衝撃を受けるも、どうすることも出来ない。
    そんな中、新たな事実を突きつけられる一心。
    また、日本人であるが故に付きまとう疑惑の目。
    まだまだ一心は辛い人生から逃れられない。

    様々な事情で肉親を探す戦争孤児たち。
    しかし、それさえも出来ない貧しい者も多い中、出会えたことは奇跡ともいえる。
    そんな肉親探しの苦労も多く垣間見える。

    2019.4.19

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著者プロフィール

山崎 豊子(やまざき とよこ)
1924年1月2日 - 2013年9月29日
大阪府生まれの小説家。本名、杉本豊子(すぎもと とよこ)。 旧制女専を卒業後、毎日新聞社入社、学芸部で井上靖の薫陶を受けた。入社後に小説も書き、『暖簾』を刊行し作家デビュー。映画・ドラマ化され、大人気に。そして『花のれん』で第39回直木賞受賞し、新聞社を退職し専業作家となる。代表作に『白い巨塔』『華麗なる一族』『沈まぬ太陽』など。多くの作品が映画化・ドラマ化されており、2019年5月にも『白い巨塔』が岡田准一主演で連続TVドラマ化が決まった。

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