大地の子 四 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (1994年2月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784167556044

みんなの感想まとめ

戦争の影響を受けた孤児たちの過酷な運命を描くこの作品は、主人公の陸一心が歴史や政治に翻弄されながらも尊厳を失わずに生き抜く姿を通じて、深い感動を呼び起こします。全四巻を通じて、戦争がもたらす悲劇や、一...

感想・レビュー・書評

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  • 最後の「大地の子です」
    泣ける。
    長幸が憎すぎる、ネチネチマンが。
    参考文献をみると、そうとうな文献数だし、中身を読むとそうとうな取材をしてきたんだろうなと思ったら、大地の子は本当に素晴らしい本だなと感じる。仕事についての話は難しかったがなんとか読めた。
    あつこについては嫌な予感がしたけど、そうだった。早急にドラマをみたい。
    不毛地帯と二つの祖国も早く読みたい、分身ほしい………

  • もっと手こずるかと思って読み始めたのだが、あっという間の全四巻だった。


    「私は、この大地の子です」

    最終的には養父母のいる中国を選ぶだろうとは思っていたけれど。
    家族や政治、仕事のためではなく、雄大な中国の大自然、母なる長江に魂を呼ばれて中国を選ぶという、なんとも爽やかで雄々しい選択にガーンときた。
    故郷の景色にしか、魂を呼ばれはしない。

    血なまぐさかった一巻からは、想像もつかない清々しく簡潔なラスト。
    よかった。

  • 本来巻き込まれるべきではない国民が戦争により「大地の子」になってしまった。
    全四巻を通して、戦争というのは本当に誰を幸せにするのかということを感じさせられるし、真の犠牲者は兵隊だけでなく国のためを考えて行動した一般市民ではないかと思う。
    中国に残された孤児たちの凄惨な歴史、人生。日本がしてきたこと、中国がしてきたこと、それぞれについて考えるきっかけを与えてくれた小説であった。

  • この作品は、山崎豊子さんが約8年かけて取材・執筆し、300人もの中国残留孤児への聞き取りを重ねて生まれた小説です。

    戦前戦後の混乱の中で中国に取り残された残留孤児の過酷な運命を背景に、主人公の陸一心が歴史や政治に翻弄されながらも尊厳を失わずに生き抜く姿が描かれ、強く心に残りました。

    入院中に読み、退院後に時間が空いても即物語に入り込めるほど引き込まれ、私の人生で「過去イチの作品」になりました。主人公の苦難に満ちた人生を知り、人生への向き合い方に深く感化されました。

    舞台化もされていますが、まずはNHKのドラマを観て、感動をもう一度味わいたいです。取材の軌跡を記した本も読んでみたいと思います。

  • 今まさに中国様の虐めにあっている日本君ですが、とりえあずはこれでオーバーツーリズムが多少なりとも改善されるようなら心置きなく京都に遊びにいけるのでいい事ばかりじゃないですか。それとは別に先日底だと思って買った資生堂株が、ど真ん中の中国銘柄の為に更に底を掘り続け、地球の裏側まで突き抜けそうな勢いで、おい、今度は俺を虐める気かと今泣きながらキーボードを連打しております。涙で画面が良く見えねえなー、ああ、そうです、老眼ですよ。はい、皆様いかがお過ごしでしょうか。

    文化大革命から始まり、鄧小平の時代が舞台ですが、かの国の根本的な考え方は今でも何も変わってないと実感しますね。中国は戦後賠償を小日本鬼子から受け取らなかったから小日本鬼子には何をしてもいいだと、小日本鬼子偉そうにするんじゃねーと、今回のアレもそんな感じでしょう。申し訳ございません。

    いやー、泣きましたよ、これ。戦争孤児として生き抜いた兄妹の再会、その妹の過酷な人生、娘2人のパパとしては現実にこれに近い事があったとだと思うと読んでいて辛いってもんじゃないですわ。兄は兄で小日本鬼子の血を引くものとして文化大革命で冤罪を着せれられ、それが終わるとまた別件で貶められ・・・・涙腺が緩すぎる私にとってはバスタオル必須案件でした。くそ、あいつらめ。

    筆者曰く『日本の現在の繁栄は戦争孤児の上に成り立っているものである事を知ってほしい。』と。まさにこれを読んで痛感しました。
    今でこそ読むべき名作。

  • 壮大な物語だった。

    ドラマ化された?らしいが全くの知識無しに会社の方からお借りし読み始めた。


    騙され、裏切られ、
    もうこの苦しみから何としてでも逃れたい。
    その一心で読み終えた。

    物語のスケールが大きく、それとともに心への響きも大きい。

    読み切り、しばし放心状態。。。

  • 全4巻ついに読了!
    いわゆる超大作系は、「坂の上の雲」「1Q84」などことごとく途中で挫折してきた。初めての完走が何より嬉しい笑

    巻末の解説にも書かれていたが、戦争、家庭、政治、恋愛etc…あらゆる面から日中の関わりを見ることができる。それ故、4巻という長編にも関わらず非常に読みやすい。そして、取材力には圧巻としか言えない。

    中国のスケールの大きさがこの物語を通して感じられた。中国史をもっと知りたい、そして中国にも行ってみたいなと感じた。
    ラストシーンは重みがあって良い

  • 最後は結局、中国人であると自分のことを思うんだと言う感想。日本人であっても、その地で様々な試練を乗り越え、様々な人に出会い形成した人生は、そう簡単には覆らないんだと強く感じた。昼顔すと、そのような状況に陥る一心のような人を生み出した。戦争の残酷さも身に染みて感じた。血の繋がった本当の父親、自分の命にも変えて育ててくれた。中国の父親のどちらを選ぶかと言う選択を迫られる一心の辛さが、身に染みて感じた。

    コールを立てる工程の描写については、自分の今の仕事上も、のような思いで建てられた頃なのかと思うと、鉄鋼業に対する見方がかなり変わったように思える。一方で、このようにして、日本が技術供与した中国の製鉄技術が、世界中を不況に陥らせている事はなかなか興味深いと思った。また、中国の社会の汚いところや、素敵なところ、中国人と言う国民の人柄についても、話の中に入り込むことで、より理解を深めることができた。

  • 国家間の争いに巻き込まれ、大地の子となり人生を変えられた主人公陸一心の生涯に胸を引き裂かれる思いになった。なぜ戦争はなくならず、誰が誰のために戦争をするのか考えさせられた。見えずらいかもしれないが、戦争での被害者は本来何も知らずに生涯を送れるはずだった陸一心のような普通の人物なのだと思う。
    このような歴史を小説から学べることに著者に感謝したい。

  • やっと再開できた妹あつ子(玉花)の命が途絶える場面は涙なしでは読めなかった。いつか日本に行ってみたいと願って叶わず40年の短い生涯を終えたあつ子が可哀想。そして、松本耕二と陸一心が親子だとわかってからの二人の心の葛藤も想像し難いほどのものだが山崎豊子の豊かな文章で表現されていて心を打った。
    現地取材に3年、連載期間5年、取材から完結まで8年がかりだそうだが、まさに大作だし、徹底した取材に裏付けられた山崎豊子の作品は小説だけどルポルタージュのような錯覚を覚える。
    読み応えがあり、大大大満足です。

  • 戦後の満州で残留孤児となった子どもたちが受けた壮絶な差別。その現実に「あり得ない」と言葉を失いながら、先を知りたい一心で四巻を一気に読み進めた。
    「これは本当にあったことなのか」と何度も自問し、そのたびに信じられない思いに胸が揺さぶられた。

    物語の中で描かれるのは、育ての中国人の親との深い絆と、日本人の実の親が抱き続けた愛情。
    その狭間に立たされたとき、私ならどのような選択をするのか――読み進めるほどに、何度も問いかけられた。

    理不尽な運命、そして戦争がもたらした深い傷。読了後も胸の奥に重く残り続けた。
    だからこそ、歴史から目を背けてはならないのだと強く感じた。過去の出来事を自分ごととして受け止め、いまある平和に感謝する――その大切さを静かに、確かに教えられた小説だった。

  • 木が少なく草もまばらな大地と乾燥した風の匂いを感じさせる文章でした。幼少期も青年期も強制労働期も、昔の恋人視点のパートも、すべて生き生きとした当時の中国を想像させる筆致で「ちょっとここ長いなー」と思わせるところが一切ない。上質な読書体験をつくる文章が詰まり過ぎている!

    主人公の境遇からすれば、自暴自棄になったり、他の人を恨んだり、先に経済成長した日本に対して引け目ややっかみを感じてもおかしくない。足を引っ張られながら辛い目にあいながらも、それでも、芯のある「中国人」として自らを肯定して成長していく姿に感銘を受けました。

    山崎豊子さんの創作活動の裏にはどれだけ膨大な調査と洞察があるんでしょうか。底知れないです。数年前に「沈まぬ太陽」を読んだきりでしたが、ほかも読むべきですね。

  • 今の時代、ほとんど聞かなくなったが、自分が子供の頃によく耳にした「中国残留孤児」の一面をこの小説を通して知ることができたのは自分にとって大きなものでした。
    どんな苦難や逆行にも負けずに貫き通した生き様は、中国人として生きることを選択しながら、古き良き日本人的な考え方だと感じた。
    妹あつ子の生涯を思うと本当に胸が張り裂けそう。
    そしてラスト近くかつての恋人、趙丹青が活躍してくれた!なんとスカッとした顛末か!

  • 後書きと解説がまた面白かった。大地の子を書くにあたって大変な取材を重ねたことも、タイミングが違えば書けなかったことも確かに言われてみればそうだなと。こういう現代中国史を書いた本は珍しいなと思う理由に今更思い至って、背景を知れてより凄い作品だったなと思う。

  • 中国での取材は大変だったようです。

  • 久々に長編を読んだが、次々とページを進めたくなる展開だった。しかしながら、手を止め難いハラハラとしたこの内容が、事実に基づいたものだという事は、複雑な気持ちになる。
    日本の戦後も知らない私には、日本の開拓団の政策、それを国が棄てた、という事も相当衝撃だが、中国という国の恐ろしさもまざまざと感じた。
    完全な私見だが、コロナ禍の現在、コロナ発生初期の報道などから、現代においても、中国の体質はどこか、この作品の中の時代を引きずっているように感じてしまった。

    陸一心の乗り越えてきた数々の苦難、一心と別々になってしまった妹の生涯については、現実に中国残留孤児(※)と言われる人々に降りかかった事ばかりなのだろうと思うと、読むのも辛い。よく一心のは乗り越えてくれたと思う。そしてそんな恐ろしく辛い一心の半生でありながら、最後に中国を選んだという結果は、日本が開拓団を棄てた、戦争の罪の深さを感じさせる。

    読んでいて楽しいものでは無いが、読んでよかった本だと思う。作者 山崎豊子氏の訴えの強さも感じられた。
    (※)作者は「残留孤児」という「残留」という言葉には意思がある。残留したいという意思はないのだから、この言葉を付けた日本政府のずるさがある、本来「戦争犠牲孤児」が正しい、という見解を出している。

  • 運命の悪戯か、生き別れの妹の死が実父との再会のきっかけとなる。そして、再び陸一心に過酷な運命が… 養父を選ぶのか、実父を選ぶのか… 安穏とした時代を生きる我々には計り知れない過酷な陸一心の運命に涙…

  • ・血は日本人、育ちは中国人であり、血のつながりのある日本の父と、養育してくれた中国の父を持つ陸一心。大東亜戦争、そして文化大革命という災難の時代のなかで、日本人のルーツをもつがゆえに、想像を絶する生活を強いられてきた。義父の無償の愛、妻月梅の利他的な愛をうけ、実子燕々への愛情と生き別れた妹との再会の期待をもち、不屈の精神で生き抜いていく。
    最後は、日本と中国の間で揺れる心をもちながら、長江の雄大な景色をまえに、「大地の子」として生きていく宣言を実父におこなう。
    中国に対する見方がかわる読書体験だった。

  • 不毛地帯に続き、大地の子。流石の山崎豊子先生。
    どれもこれも苦し過ぎて、読むのが辛いが、読んで良かったと思える一冊。

  • 久しぶりにこの本を再読した。主人公陸一心の過酷な運命、それに負けず、努力して生き残っていった。またそれを支え続けた奥さんと中国人父母の人間愛に感動した。

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著者プロフィール

山崎 豊子(やまさき とよこ)
1924年1月2日 - 2013年9月29日
大阪府生まれの小説家。本名、杉本豊子(すぎもと とよこ)。 旧制女専を卒業後、毎日新聞社入社、学芸部で井上靖の薫陶を受けた。入社後に小説も書き、『暖簾』を刊行し作家デビュー。映画・ドラマ化され、大人気に。そして『花のれん』で第39回直木賞受賞し、新聞社を退職し専業作家となる。代表作に『白い巨塔』『華麗なる一族』『沈まぬ太陽』など。多くの作品が映画化・ドラマ化されており、2019年5月にも『白い巨塔』が岡田准一主演で連続TVドラマ化が決まった。

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