- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167556044
作品紹介・あらすじ
「宝華、万歳!」「初出銑、万歳!」万雷の拍手と大歓声が湧き起った。七年がかりで完成した日中共同の大プロジェクト「宝華製鉄」の高炉に火が入ったのだ。この瞬間、日中双方にわだかまっていた不信感と憎悪が消え去った。陸一心の胸には、養父・陸徳志の、「お前、いっそのこと日本へ-」という言葉が去来する。
感想・レビュー・書評
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全4巻ついに読了!
いわゆる超大作系は、「坂の上の雲」「1Q84」などことごとく途中で挫折してきた。初めての完走が何より嬉しい笑
巻末の解説にも書かれていたが、戦争、家庭、政治、恋愛etc…あらゆる面から日中の関わりを見ることができる。それ故、4巻という長編にも関わらず非常に読みやすい。そして、取材力には圧巻としか言えない。
中国のスケールの大きさがこの物語を通して感じられた。中国史をもっと知りたい、そして中国にも行ってみたいなと感じた。
ラストシーンは重みがあって良い詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
壮大な物語だった。
ドラマ化された?らしいが全くの知識無しに会社の方からお借りし読み始めた。
騙され、裏切られ、
もうこの苦しみから何としてでも逃れたい。
その一心で読み終えた。
物語のスケールが大きく、それとともに心への響きも大きい。
読み切り、しばし放心状態。。。 -
中国での取材は大変だったようです。
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運命の悪戯か、生き別れの妹の死が実父との再会のきっかけとなる。そして、再び陸一心に過酷な運命が… 養父を選ぶのか、実父を選ぶのか… 安穏とした時代を生きる我々には計り知れない過酷な陸一心の運命に涙…
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長編の最終巻。納得の結末。
山崎豊子さん作品の中でも3本指に入るほど個人的に好きな作品でした。 -
中国残留孤児の主人公が日中共同製鉄所建設プロジェクトに奔走する話。中国という国の融通がきかないお国柄に呆れるシーンは多々あるものの、そのような困難に何度も立ち向かっていくシーンは非常に勇気づけられる。養父母との関係や実父、妹との再開が主人公への感情移入を促進させられる。最終的にどちらを選ぶのか気になるところだったが、タイトル回収にて締めくくる様は納得の一言である。
中国特有の難解な表現は多いものの、ストーリーは圧巻で目を見張る作品です。このような作品は個人的に避けていた節がありますが、また読んでみたい作品の1つです。 -
全4巻の最終巻。
宝華製鉄の火入れと陸一心の置かれた厳しい運命を描く。火入れの瞬間はまさにクライマックス。そこに至るまでの流れも様々なトラブルがあり、なかなか一筋縄ではいかない事態ばかり。それでもやはり大事業を成し遂げるというのは感無量の一言に尽きる。
そして、陸一心にも決断の時が訪れる。このまま中国で中国人として生きるか、日本へ戻って日本人として生きるか。
中国残留孤児として生きてきた運命に翻弄されながらも、屈することなく生きてきた陸一心の生き様に胸打たれる。 -
戦争孤児となった日本人・松本勝男こと陸一心。
ようやく生き別れた妹・あつ子にめぐり会うことができたが…
松本耕次も中国で孤児となったあつ子の元に辿り着くが…
松本耕次は、陸一心が我が子・松本勝男であることを、陸一心は松本耕次が父であることを知ることに。
『仏壇に線香を1本、手向けてやってほしい』と松本耕次に言われたことが、陸一心を惑わす…
そして、松本耕次の家を訪れ、亡き祖父、母、妹たちに線香を手向けたことで、再び、陸一心は窮地に…
やはり、日本人という出自は、一生、陸一心を苦しめるのか…
日本人だからと差別され続けるのか…
この許し難い理不尽さはなんなのか…
これだけ中国のために尽くしているのに…
中国人以上に中国のために働いているのに…
陸徳志は…
松本耕次は…
2人の父の陸一心への思いに違いはない。
陸一心の中国への思いは…
やはり40年間育まれた思いは強い。
陸一心は『大地の子』だ。
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あらすじ
太平洋戦争の敗戦によって、満州で残留孤児となった主人公・陸一心(中国名)が、中国人養父母への愛情と日本の実父との愛憎に揺れながらも、文化大革命の荒波を越え、日中共同の製鉄プラント事業を完成させるまでの物語。
感想
これが山崎豊子かって感じがした。