運命の人(二) (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2010年12月3日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784167556075

みんなの感想まとめ

テーマは、ジャーナリズムと国家権力の対立を描いた法廷ドラマであり、知る権利を巡る熾烈な戦いが展開されます。主人公は逮捕され、ペンを折られることで物語が始まり、国家公務員法違反の問題を通して、権利の主張...

感想・レビュー・書評

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  • ペンと紙を武器とする新聞記者の主人公が逮捕されペンを折られたところから2巻は始まります。

    知る権利を掲げて戦うジャーナリズムと国家公務員法の守秘義務を破ったことで起訴した国家権力との熾烈な法廷での争いが描かれています。少しばかり難しい部分もありますが、昔も今も変わらない「○○の権利」について勉強にっています。何でも権利を主張すればよいとも限らない部分も見えてきます。

    沖縄返還は歴史の教科書等で目にすることではあるかと思いますが、基本的に綺麗に描かれていると感じます。実際はこんなにドロドロとして、いろんな人がいろんな問題と戦って今の「沖縄県」があるのかと思うと、平和とも綺麗ともいいがたい出来事だったのではないかと思いました。

  • あまりにも悪役が悪いと異論が差し挟みづらくなる。冷静な意見を言おうとすると、「そんなのは敵を利する行為だ」と。知る権利キャンペーンが張られるなか、その雰囲気に違和感を覚える記者、そこで語られるクリーンハンドの原則、その後出てくるのが両被告の密通だった。

    今ロシアがウクライナに攻め込んでいる。力に物を言わせ、一方的に現状を変更しようとする行為は到底許されるものではないが、徹底抗戦一辺倒で異論が許されない感じに何となく違和感があって、身につまされた。

  • 国家公務員法違反で逮捕された、弓成亮太と三木昭子。

    国家権力と『知る権利』を全面に推し出すジャーナリズムとの対決。

    そして、弓成と三木昭子とのスキャンダルが明らかになる…

    世論は一転し、弓成は窮地に…
    弓成の妻・由里子はスキャンダル記事に惑わされる…

    弓成と昭子の関係が明らかになる…
    が、若干の違和感が残る…
    昭子が嘘をついているのか…
    検察が操作しているのか…

    初公判が始まる。

    弓成は巨大な国家権力に葬りさられようとしているのか…



  • <得>
    第1巻を読み終えた後 この第2巻をすぐに読もうと思いブックカバーを掛けたところまでは覚えていた。ところがその後行方不明になってしまったのだ。

    僕は普段からいくつかのバックを使い分けている。会社へ持っていくブリーフケース。数泊の旅行に使うadidas のダッフルバック。一泊二日のライブ観覧旅とかに使う小型のリュックサック。

    1年程前の京都へのライブ観覧旅行で,その小型のリュックサックの小ポケットに入れた事をすっかり忘れていたのだ。先日2023年,京都祇園祭 後まつり山鉾巡業見物に行くときに同じリュックサックにて出かける準備を始めた時に,この「運命の人 2」を見つけた。絶対にどこかにある!とは思ってはいたものの じゃあどこだ?が 全く思い付かなくてかれこれ1年以上,どこいったのかなぁ,3/4巻は有るんだから2巻を再度買っちゃおうかなぁ,などとかなり思い悩んでいたのだ。やれやれ。

    さて第一巻はかなり面白かった。山崎豊子独特の小説体とストーリーテリングで読ませた。ところが,ところがだ,この2巻は件の裁判にまつわる描写が大半を占めるようになって,なんだか これは山崎の得意分野ではないなぁ感 がそこはかと漂う。やにわに面白い筈の山崎文体はその神通力を失って只のつまらない裁判記録の描写とそれに関わった人達のつまらない心情描写に終始する。

    後半の裁判に直接関係ない部分の描写で少し取り戻した感はあるものの,3巻以降が面白いかどうか ちょっと心配なのだ。

  • TBSで1月から連続ドラマ化されるそうだ。日曜夜九時、「南極大陸」の後続、いわばTBSの看板番組の扱いである。主演は沖縄機密漏えい事件で逮捕される弓成に本木雅弘、その妻で夫の不倫にショックを隠せない役、松たか子、弓成と共に逮捕されやがて「衝撃の手記」を出す不倫相手に真木よう子。当然、沖縄返還をめぐるありとあらゆる矛盾と問題が浮かび上がらなくてはならないが、はたしてどこまで描くのか。ちょっと注目である。

    これは毎日新聞記者の西山氏をモデルにした小説。事の発端は沖縄返還時の機密漏えい事件である。米軍用地の復原補償費を日本が肩代わりするという密約を記者が外務省の女性事務官からコピーまで入手し、それが社会党代議士の下に漏れてしまったという事件である。政府は、それを記者が愛人関係にあった事務官に強制させたということで起訴をした。そうなると、国民の知る権利対、国家公務員法違反という問題のすり替えという対決になった。

    しかし、ことの本質は、そもそも米国が出すべき費用を最後まで日本が肩代わりする、ということだったはずだ。その後の「思いやり予算」を始めとした対米従属化関係の是非を問う、ということだったはずだ。

    実はこれと同じことが、今回沖縄普天間基地問題でもまたもや起こっている。今回は、裁判闘争にはならない。なぜならば、機密をばらしたのが、ウィキリークスだからである。

    税金約5000億円以上を投入して、米領グァムに新たな海兵隊基地を作る計画は、沖縄の海兵隊8000人とその家族9000人をグァムに移転して、「沖縄の負担を軽減する」というのが建前だった。しかし、ウィキリークスはその数字が「日本の政治的効果を最大限利用するために故意に多く見積もられた」「実数からかけ離れた」数字であることを告発したのである。これは2008年12月19日付の駐日米大使館発公電にはっきり述べられているという。

    このジュゴンのすむ辺野古の環境を壊し、嘘で固めた海外の米軍基地を建設し、米軍を強化するために使われる米軍再編強化に日本は総額1.3兆円を使うという。大震災でどのようにカネを作り出すか、日本全国民が喘いでいるときに、許すこのできない「従属」の構図がある。

    そのことの「本質」を果たしてこの小説は描くことができるのか、3巻4巻を注目したい。

  • 2巻では、いよいよ裁判へ。

    政府の徹底した秘密主義ととぼけっぷりは、現代と変わらない印象です。
    一方で、主人公・弓成の家庭の状況にも触れており、
    特に妻の心理描写についてはさすが同じ女性、リアルで共感できる内容でした。

    1巻では読者にも伏せられていた事実が明らかになったり、2巻の最後に初登場の人物が現れたりと作者の凄さに感嘆します。

    ますます続きが楽しみです。

  • (一巻から四巻まで合わせたレビューです。)

    大好きな山崎さんの(もしかすると最後になるかもしれない)長編小説。

    沖縄返還時の機密文書漏洩事件(西山事件)をテーマに、
    相変わらずの取材力&構成力で読者をぐいぐい引っ張っていきます。

    この分野は完全に無知でしたが、小説を通じて、
    昔の自民党の政治のやり方を目にすることができました。
    主人公の機密文書を入手した手段は、
    倫理的によい方法だとは言えませんが、
    それ以上に、臭いものに蓋をする昔の自民党の政治家や官僚にも、
    沖縄の人たちだけでなく、日本人全員が
    もっと憤りを感じるべきなんでしょう。
    現在も普天間基地移設問題で民主党が揺れていますが、
    少しばかり当事者意識を持って
    この問題を受け止めれるようになった気がします。

    山崎さん、もう一冊書いて欲しいなぁ。。

  • 毎朝(毎日)新聞社の弓成亮太(西山太吉記者)が、外務省職員の三木昭子(蓮見喜久子事務官)から入手した極秘電信文を、社進党(社会党)議員によって政府追及の手立てに用いられてしまう。国民の知る権利を主張するジャ-ナリズムと守秘義務違反で起訴に踏み切った国家権力との熾烈な法廷論争が展開される。情報の入手が不倫スキャンダルと絡むにおよび、被疑者の家族をも巻き込む一大事件と発展していく。国家公務員の守秘義務とジャ-ナリズムの功罪について思いを馳せる。

  • 沖縄返還のさいにアメリカと結ばれた密約の内容とは、1971年当時、ベトナム戦争で火の車だったアメリカに対して本来アメリカが負担するべき沖縄の原状回復費用6億8500ドルを日本が肩代わりするというもの。これがいわゆる今もアメリカに支払われ続けている「おもいやり予算」のはじまりだとされる。この、まったく対等ではないとおもわれる密約を敏腕新聞記者、弓成亮太が外務省の女性事務官、三木昭子から入手する。ニュースソースを守るためそれをはっきりと記事にできない彼は、正義感から野党議員に機密文書を渡して国会で追及させようとするのだけれど、そこから逆にニュースソースが割れてしまい、弓成記者と三木昭子は逮捕される。ここまでが第一巻。
    第二巻は、警察での尋問と裁判。「知る権利」の問題が、男女のスキャンダル問題へとすりかえられていく。司法がいまひとつ独立した力を発揮しなかったり外務省官僚があざとい証言をしていったり、やきもきさせて第三巻へ続く。ちょっとむずかしくて時間かかってます。
    ただ、国民に対して「アメリカに強気に臨んで沖縄を返還させる」と、たとえポーズでも世論を気にしてアピールするだけ今よりましなんじゃないかと、錯覚してしまいそうになるほど沖縄の現状は厳しいとわたしには思える。当時の日本政府がしっかりと「ほんとうの返還」を要求しなかったからなんだけれど。

  • 特定秘密保護法案は国民にとって良いのか、悪いのか。この本を読めば分からなくなる。

  • 沖縄返還に伴なう密約を暴く取材行為を、己の保身、名誉欲のため、男女関係の問題に矮小化し、すり替えようとする時の総理=権力のあざとさ。

    弁護団と、検察側との丁々発止、佳境に入り、ますます目が離せない第2巻。

    当時から世論を沸かせたこの問題に、渾身を込めて本書を著した著者なら、今問題にされている、特定秘密保護法にどう対応するだろうか。

  • 強大な国家権力とジャーナリズムの全面戦争に沸騰する世論。その時「起訴状」という名の爆弾が炸裂した。「弓成亮太、逮捕する!」。ペンを折られ、苦悩する弓成。スキャンダル記事に心を乱す妻・由里子。弁護団の真摯な励ましが家族を支える。そしてついに、運命の初公判が訪れたー。毎日出版文化賞特別賞受賞の傑作全4巻。

  • 第一巻では新聞記者が沖縄返還に関する外交上の機密情報を漏洩した罪で逮捕され、この第二巻では、この裁判が行われる。
    どうやって機密情報を入手したかがミソ。
    やっぱり、この主人公は好きになれない。
    感情移入できないです。

    けど、実際にあった事件を、ここまでドラマチックに書く山崎豊子は流石。
    三巻、四巻、まだ入手してないんだよなぁ。
    ってか、もう発売されたんだろうか?
    買って来なきゃ。

  • 裁判の話が中心で、少し間延びしてしまった感じを受けました。。

  • 申し訳ないが不貞行為があるのとないのとでは、印象が全く変わる
    三木昭子のミニスカに警戒感は抱きつつ、でも肉体関係まではないだろうと思っていたのに!

    弓成と三木昭子のやりとりを小出しで暴露していく構成が、彼の印象をさらに悪くする
    もう好転しないんじゃないかってくらい

    そもそも三木昭子のリークの動機に、なんの信念も無いのが残念

    もはや弓成のそそのかし罪なんて争点が陳腐すぎてどうでもいい
    政府を攻めるとこだけ読みたい

    検事が、外交官の守秘義務を庇いだてる尋問がやりきれない
    こんな腑抜けた検事をみたくない

    事実を隠すのは致し方ないが
    事実をねじ曲げることは許しがたい

    著者の気持ちが反政府側なのがありありと伝わり、それが過ぎるのが多少引っ掛かる

  • 難しい話と展開の先が読めず。完全に忘れていた、この先どうなるのか。

  • 公判開始。

    主人公「弓成=西山」が外務省女性事務官「三木」と男女の関係にあったことから、公判の争点が検察側と弁護側でずれていく経由を描写。くどい説明をせずに登場人物の台詞で状況を進めていく著者の筆力はさすが。

    政府は自らの施政に都合の悪いことは虚偽の説明をしてでも隠したい。しかしそのことを新聞記者が公務員から知り得た場合、それは犯罪なのか。入手方法によって扱いは変わるのか。

    2013年末に特定秘密保護法案が成立し、同法の施行を待つ現在だからこそ考えさせられた。

  • 図書館
    運命の人、国家公務員法での裁判

  • 「白い巨塔」を思わせる裁判シーン。がんがんページがすすみます。

  • 4巻に記載

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著者プロフィール

山崎 豊子(やまさき とよこ)
1924年1月2日 - 2013年9月29日
大阪府生まれの小説家。本名、杉本豊子(すぎもと とよこ)。 旧制女専を卒業後、毎日新聞社入社、学芸部で井上靖の薫陶を受けた。入社後に小説も書き、『暖簾』を刊行し作家デビュー。映画・ドラマ化され、大人気に。そして『花のれん』で第39回直木賞受賞し、新聞社を退職し専業作家となる。代表作に『白い巨塔』『華麗なる一族』『沈まぬ太陽』など。多くの作品が映画化・ドラマ化されており、2019年5月にも『白い巨塔』が岡田准一主演で連続TVドラマ化が決まった。

山崎豊子の作品

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