妊娠カレンダー (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 408
  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167557010

感想・レビュー・書評

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  • 作者の描く人物は人間として何処か欠落していて何処か切ないが。表題作に関しては、他の作品が欠落しまくりの人物だらけな感じなので物凄くフラットな神経の一般人にしか見えない(笑)

  • 「わたし自身じゃないのよ。わたしの中の『妊娠』が求めてるの。」って言葉が印象的。
    生命の営みとか身体器官の動きに対する、
    小川洋子の視点が好きだ。

  • 久しぶりの小川洋子。
    小川洋子の作品を読むと
    感受性が鈍っているかがわかる、気がする。

    芥川賞受賞作の「妊娠カレンダー」。
    鬱ぎみの姉が妊娠した様を、
    妹目線で客観的に描写。
    毒入りグレープフルーツで毎日ジャムを作り、
    姉はそれをむさぼる。

    「ドミトリイ」は手足が3つない先生が経営する学生寮のお話。
    行方不明の学生が出て、寮には住民が1人だけ。


    「夕暮れの給食室と雨のプール」は
    小学校の給食室に美しさを見出す男性の告白を描く。

    3作とも話の説明が難しいのだけど、
    どれも描写が清潔で精密、病的で上品、美しく客観的。
    そして、静かで恐い。



    今、私の感受性は鈍いなと感じた。
    急いでしまう。
    小川作品はかみしめ味わい、ゆっくり読むものだから
    (私にとって、です。)
    先を急ぐと描写が体全体にしみ込まなくて
    読んでもあんまり意味がないなって思った。

    たぶん、いろんな本を読みたくて
    気が焦っているのだろう。


    茨木のり子の詩を音読しなきゃ。

  • 妊娠カレンダー
    妊娠だからといって、ハッピー全開ではない話。姉の妊娠を冷静に観察する妹。ピリリと毒もあった。

    ドミトリイ
    ある学生寮の不思議で不気味な話。ぞくぞくした。

    科学室とか理科室とか、医療系のような、ビーカーやホルマリン漬けの生物とか…そんな風景描写が好きなよう。

  • なんの起伏も無いけど内側から滲み出る狂気がなんとも言えません。
    淡々としてるが故に不気味に感じるのかな。でも、そういうところが好きです。
    芥川賞って純文学が中心なので、私の今の読解力じゃあまり読み取れませんがこういう雰囲気がたまらない。
    にしてもマカロニやシチューが食べれないような描写が独特ですね。普通ああいう風にものを見たりしませんよ(笑)
    いや、でもそういうちょっと違う角度から見た小川さんの発想はとても好きです。

  • 初めての小川洋子作品。独特の世界観は嫌いではありませんでした。むしろ好きかも。登場人物の気持ちに共感できる部分はあまりなかったのですが、不思議と魅力的で惹かれるものがありました。
    短編だったので物足りない感があり、長編の作品を読んでみたいと思いました。

  • 私のささやかな破壊は続く。
    歪んだ姉との完成された関係を守るため。
    完成された世界に誰か介入する場合は
    破壊されたものである必要がある。
    そうしないと関係性は崩れてしまう。

  • ずいぶん昔に読んだものの再読。
    結婚して出産を経た今だと、このどろどろぐちゃぐちゃしたものに彩られた毎日の表現、姉の気持ちも妹の気持ちも非常になじむ。
    私も妊娠中、自分がホルモンに支配された動物だということをよく考えていたし、毎週毎日胎児の成長を調べて記録していたし、それでも最後まで自分の赤ん坊というものをうまく理解できなかった。
    最後は生まれた赤ん坊がどんな風か言及されないまま終わるけれど、どっちだっていいから書かれないのだと思う。妹は、結局姉にも義兄にも赤ん坊にも興味はない。ただ認識するだけという気がする。
    私は、変わったところもない普通の赤ん坊が生まれていると思っているけど。
    「ドミトリィ」「夕暮れの給食室と雨のプール」は、あんまり印象に残らなかったかも。
    時間を塗りつぶすために手芸をするのは、共感する。

  • 人質の朗読会はあわなかったけど、こちらはいい感じに不穏だった。

  • 中編3編。
    3編とも、静かな文章。
    淡々と描かれる文章の中で、食べ物に関する描写は、なまめましくてグロテスク。ある意味、ホラー。

    私は影響されやすい性質で、他人が嫌いな食べ物についておぞましく語っているのを聞くと食べられなくなってしまうタイプなので、「それ以上言わないで~」と思いながら、食べ物の描写を読んでました。

著者プロフィール

小川 洋子(おがわ ようこ)
1962年、岡山県生まれ。高校時代に文芸を志し、早稲田大学第一文学部文芸専修入学。在学中から文芸賞に応募。卒業後一般企業に就職したが、1986年の結婚を機に退職、小説家の道に進む。
1991年『妊娠カレンダー』で芥川賞、2004年『博士の愛した数式』読売文学賞、本屋大賞、2006年『ミーナの行進』谷崎潤一郎賞、2012年『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞、2013年早稲田大学坪内逍遙大賞をそれぞれ受賞。芥川賞、太宰治賞、読売文学賞、河合隼雄物語賞などの選考委員を務める。
『博士の愛した数式』は映画化され、大ヒットとなった。受賞作以外の代表作として、『薬指の標本』『人質の朗読会』『猫を抱いて象と泳ぐ』。

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