快楽の動詞 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (1997年4月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784167558031

作品紹介・あらすじ

なぜ女は「いく」「死ぬ」なんて口走るのか? 奔放きわまる文章と、繊細緻密な思考で日本語と日本ブンガクの現状を笑いのめす深淵かつ軽妙なるクリティーク小説集。(奥泉光)

感想・レビュー・書評

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  • 文章を読むことを楽しませてくれた作品。
    小説か、批評文か。どちらとも取れる山田詠美氏らしさが爆発した一冊。

    言葉、文章、表現…に対するとても批評的な目線は痺れた。読んでいて刺激的であり、時にはその痛烈さに笑ってしまったほど。
    捻くれている、と言って仕舞えばそこまでだがここまで直球で清々しく、だけどなんとも洒落た文章に心が踊った。

  • 〝性〟にまつわるパンクな批判的小説。

    山田詠美さん作品は多分初めてだけど
    他の作品も読んでみたくなった。

  • 小説…、なのか?解説の「文章」であり、「小説」って感じがまあしっくり。
    どう楽しめばいいか最初は戸惑ったけど、まあまあおもしろく読めた。
    『ベッドの創作』が一番そうそう、って楽しく読んだ。

  • 手にとった時の薄さを裏切る、内容の濃さ。
    久々に「これは面白い」と感じながら読み進めました。

    個人的なお気に入りは、文体たちの話。
    文体の擬人化という発想はもちろん、軽快に進む擬人化達の会話に、ふふっと笑いながら読みました。

  • 久しぶりに好き!と思える本と出会った。下調べもせず小説だと思って買ったから、予想外でさらに面白く感じたかも。

    がまんさんとふらちさんの対談が一番印象的。純文学も、突き詰めたら快楽。つまり娯楽文学とそう変わらないから、偉そうにしたり娯楽を批判するのは違うと。確かに、本当に社会問題とか人の不幸とか死について突き詰めたら宗教と政治しか残らない。文学とある時点で快楽が必ず含まれている。素人の戯言だけど、エロスのない芸術は存在する意味があるのか?とも思う。

    へらず口くんとふえず口くんの章は、リア充に文学はいらないと言う言葉を思い出した。

    擬人化がとっても上手くてとにかく楽しかった。

    ところで、この本を読んだ人はAのつもりで買ったのかBのつもりで買ったのか。どっちにしても裏切られたと思うけど。

  • セックスの最中に「死ぬ」とか口走るかなぁ?というのが正直な感想。なんとなく嘘くさい気がする。

    最初はエッセイ?で、後半は短編集な感じなんですが、あまり面白くはなかったです。

    駄洒落なんて、正直私にはどうでもいい。
    駄洒落ばっか言ってる人がそばにいたらうざいけど。

  • 肉体の快楽…。
    恋愛…。

    • 9nanokaさん
      なんかもう、帯からして凄そうですね笑。
      komoroさんの感想が何かを含んでいる気がします(^^)
      なんかもう、帯からして凄そうですね笑。
      komoroさんの感想が何かを含んでいる気がします(^^)
      2015/04/23
  • 主人公たちへの好悪は別として、細やかな心の揺らぎやためらいの描写は素晴らしいと思う。

  • ベッドの上の描写について、真面目に、メタ的に、エッセイ風に、しかも的確に論じていて結構面白かった。
    普通に山田さんの小説を読みたい人には合わないかも。

  • 性と文学が知りたければこの本を読むしかない

    特に快楽の動詞,ベッドの創作は考え深い。
    そっち知識がついてくると普段使っている会話や言葉の中にもなんとまあ卑猥な別の意味があるのだろうと思うがそれをエッセイとして考察した本なんて他にあるだろうか。

    私は前から官能小説と官能的なシーンが多く書かれている純文学の具体的な違いは何なのだろうと思っていたけれどこの本を読んですこし謎が解けたような気がする

  • 「私はいく」=「私は恋人と寝床に入り幸福のきわみにまでのぼりつめ涙する」


    「いく」という言葉が、快楽の絶頂を表す言葉なのは、この年になればわかるけど、これって不思議だよね。



    同じように「死ぬ」という言葉も


    ポルノ小説になんかよく使われたりするし、実際使う場合もあるんだろうけど。


    日本語の絶頂感は、点であり、刹那的であり、快楽用語に死というイメージを使うのはいかにもであると山田さんは書いています。

    日本語は、賢いぞ!


    そのほかにも知性とセックスは両立するのか?
    ブンタイって一体何なんだろう?
    否定形の肯定?

    作者独自のものの見方によって、日本語と日本ブンガクの現状について書いたクリティーク小説集。

  • 特に感想なし

    実際の人との関わりの方が読書よりずっとおもしろい。

  • 基本的に小説がすきなので、こういうのはあまり読まないのですが、軽い感じで読めてよかったです。

    山田詠美は日本語のおもしろさを知っているなぁとつくづく思いました。
    同じ状態を表現しようとするにも、
    どんな言葉を選ぶか、
    どんな文体にするのか、
    どんな装飾をするのか、
    それでまったく別のものになる。
    それを知っていていろいろやろうとするから山田詠美が読みたいのかなー。


    でもいちばん印象に残ったのは、あとがきの言葉。

    私の仲がいい子たちは、男の子や服や映画の趣味はぜんぜん合わないけど、言葉のセンスが似ている。

    趣味が合う子なんてひとりもいないけど、
    会話の雰囲気が合わない子はいないもんね。

  • あんまり面白くなかった。普通に小説で表現できることだと思う。

  • 文章が堅く、少々慣れていないと読み辛い感じはしましたが、けっこう面白かったです。

    言葉の与える印象、
    文体、文学が主体となったお話など。

    文学について学んでいる方には、
    よいテーマなのではないかと思いました。(私は教育系だったので、あまり詳しくはありませんので、あくまでも主観です)

    同じ状況を表現するにも、
    擬音を入れると入れないでは、
    全然違う印象に。

    濡れている文章、
    乾いた文章、
    それぞれにそれぞれの良さがあり、
    文章を書く際の参考になりそうです。

  • いくとしぬ、ロマンとエロスを殺すのは機知だ、etc.切り口は斬新だが内容は難解。

  • 快楽中相反した状態。
    ちょっとにやっとさせる文章

  • 電車の中で読むのはちょっと恥ずかしい。。でも山田詠美さんのものの捉え方が好き。

  • 私は、行く。イク。ゆく。

    表現の仕方って面白いなぁとおもえますよね?
    でも動詞の表現より、「私は、」で区切ること自体がなんか珍しい気もする。

  • 面白い。全ての話がそもそもの小説の立ち位置をずらして書いてるように思える。


    ともすれば、エッセイのような書き方もあったり、いきなり◯◯派と◯◯派の座談会から始まる話があったり、文通の手紙で書かれているものがあったり、変幻自在とはこのことかと思う。


    短編集ではあるけど、すべての話を通して一貫されているのは、小説を書く時にぶち当たる壁、悩み、問いであって、言葉と文章を生業にしてる人だからこそ書けるものだと思う。


    書かれている内容、主張はいたって真面目なのに、そもそもの設定とか文章の書き方をずらしてるから、そのギャップが当たり前に面白い。


    政治家がピエロみたいな格好して国会で討論してたら、滑稽にみえて仕方ないと思う。例えるならそんな感じ。


    話が始まる前から、そういう、おかしくしてやろう、今度はどういうやり方で滑稽にしてやろうかっていうのが透けてみえるから、読んでいて楽しかった。

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著者プロフィール

1959年東京都生まれ。85年「ベッドタイムアイズ」で文藝賞を受賞、作家デビュー。87年『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞、91年『トラッシュ』で女流文学賞、2001年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16年「生鮮てるてる坊主」で川端康成文学賞を受賞。『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』『賢者の愛』『珠玉の短編』ほか著書多数。

「2025年 『Amy's Kitchen 山田詠美文学のレシピ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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