姫君 (文春文庫 や 23-5)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 1490
感想 : 199
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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167558055

感想・レビュー・書評

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  • 変温動物であること。熱がさめ気付く。
    情熱の最中の意見の一致、ベッドにもぐり込む前の前戯に過ぎない。
    倦怠が忍び込む。
    この繰返し。あーあ、つまんない。

    検温が良かったかな。

    姫君も、良かった。そういう愛の形として。
    でも、卓袱台ひっくり返されるか読んでてヒヤヒヤでした。

    • 9nanokaさん
      やっぱり、好きな話が全然違いますね(^^)
      私は姫君とMENUが好きでした。
      風味絶佳はハードカバーなので、今度持っていきます。
      やっぱり、好きな話が全然違いますね(^^)
      私は姫君とMENUが好きでした。
      風味絶佳はハードカバーなので、今度持っていきます。
      2014/08/27
  • 何度読んだか分からないけど、何度読んでも泣かされる
    あまりにも特別な一冊。
    ラストで泣くのではなく、二人が愛しいというか切ないというかで
    しょっぱなから感情を揺さぶられまくるので危険です。
    干からびてしまうので要ポカリ。
    これからもきっと何度も読み返します。

  • 浮遊しているような短編集。タイトルの姫君が良かったです。

  • [恋、奉り候]自ら「姫子」という源氏名を名乗りながらホームレス生活をし、拾った男の欲望の操縦に生きがいを見いだす女性の恋模様を描いた表題の「姫君」。欲望の視点から主人の女性を観察した「フィエスタ」を含む全5編の短編を収録した作品。理性とはとっくの昔に袂を分かった女性の内なる心情が描かれています。著者は、直木賞受賞作家でもある山田詠美。


    「姫君」の鮮烈さが特に印象に残りました。一般の読者からすれば180°倒錯した恋の物語でありながら、それを読み進めるうちに次第に360°一回転して純情すぎるほど純情な恋の物語になってしまうところがなんとも不思議。その終わり方を気に入るかどうかは読者それぞれに依るところと思うのですが、諧謔性も含まれた恋に焦がれさせてくれる短編として非常に秀逸だと思います。


    山田詠美さんの作品を始めて手に取ったのですが、用いられる表現が時として強烈というところにも興味が持てました。普通に考えていたらこんな言葉出てこないだろうし、逆に出てきたら変な感じになっちゃうだろと思いながら、その強烈な言葉のイメージに絡めとられてみるのも一興かもしれません。

    〜春は、唇が、溶けやすい。〜

    ホワイトデーですか、そうですか☆5つ

  • 面白かった。
    女性らしい作品なのに、どこかきちんと引いた目がある。
    自己愛に埋もれ切ったナルシスティクな女性作家が多いなかで彼女の客観的なフェミニンさは貴重。

  • 短編集。
    癖のある登場人物が光っていた。私にはMENUの聖子、検温のおばあさんがとても魅力的でした。

  • トキ兄がフミヤにしか見えない、わたしは姫子。メルシーを思い出した

  • 短編5編を収録しています。

    冒頭の「MENU」は、5歳で両親を亡くし、矢野家に引き取られた20歳の時紀(ときのり)の物語です。友人の麻子が、彼の義兄である聖一と交際を開始し、すこしずつ時紀の知っていた彼女から変わっていくのを見ることになります。その一方で、「自分が一番好き」という彼の考えに共感する義妹の聖子と濃密な関係がえがかれています。

    表題作の「姫君」は、山本摩周というアーティスト志望の青年のもとに身を寄せることになった、姫子という誇り高い女性の物語。コミカルなテイストではじまりますが、しだいに摩周がカッコよく感じるようになっていきます。

    テイストの異なる作品がたのしめる短編集ですが、やはり著者らしい雰囲気の話が印象にのこっているように思います。

  • 後味の悪い話も、こういう後味の悪さは好きだ
    面白かった

  • menu

    昼間に読んでよかったかもしれない。
    ずっしり重かった。

    麻子のトキを大切に想う故に聖一と結婚を選ぶのか。。
    トキは麻子を憎いって気持ちは愛情の裏返し。

    トキの心情を変化に苦しくなる作品。

    聖子との異様な関係がトキの拠り所なのかな。

    麻子を一番傷つける存在になれない事を知った

    こういう感情よく文書にして表現できるよね、すごい。。

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著者プロフィール

1959年東京生まれ。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。87年『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞、89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16年「生鮮てるてる坊主」で川端康成文学賞を受賞。他の著書『ぼくは勉強ができない』『姫君』『学問』『つみびと』『ファースト クラッシュ』『血も涙もある』他多数。



「2022年 『私のことだま漂流記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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