風味絶佳 (文春文庫 や 23-6)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 352
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167558062

感想・レビュー・書評

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  • 恋愛短編集。
    共感できるものばかりではないけれど、面白かった。言葉の使い方とか流石だなぁと嬉しく思うし。
    表紙は表題作のグランマが好きなキャラメル。
    あんな小気味の良いグランマいいなぁ。

    他の作品はほろ苦いなんて言葉では言い表せれないものもあったりするけど、それぞれの形があっていいなって思った。
    とは言え私は恋愛お子ちゃまなので、キャラメル頬張ってるぐらいが丁度いい。

  • 甘くほろ苦い、恋と人生にまつわる6編の小説。
    DV男を感じさせる、それでも愛おしいだめ男が主人公の「間食」
    ご飯が作りたくなる。いつだって、舌は過去に掌握されている。 舌の上で再会する為にひたすら美味しいご飯を作り続ける「夕餉」
    ミルクキャラメルが好きなステキなグランマと苦い恋を味わう孫の「風味絶佳」
    幼馴染との恋を純真にいやらしくやり直す母と作並くんを見る「海の庭」
    彼女を守ることに快感を感じていたのに…「アトリエ」
    想いを寄せる同級生の結婚相手は父親でした。ぬくぬく過ごす彼女と父を見てられずに… 「春眠」

  • 最後に収録されている「春眠」という短編が一番好きだった。
    人生って本当にままならないものだねえ。

  • 気持ち悪い。
    表現や設定がグロテスク。

    感情とか愛がどうこうと言うより、主人公たちの奇妙さや、設定の陳腐さが際立ってしまっている。

  • 「一日に一度は寂しいと思うことって、人を愛するこつだろう?」
    (p.117)

  • 「アトリエ」がいい。『姫君』の頃は鋭利なナイフのような言葉に刺される快楽があったが、「アトリエ」は想いが何かを書かないことで、逆にそこにある想いの塊を摘出する。

  • 詠美節には飽きたの。短編ならタイニーストーリーズの方が良かったな。うまいけど、飽きたの。

  • 花柄の日々ではないけどそれこそが恋愛で人生なんだろうなと思う。

  • 【本の内容】
    「甘くとろけるもんは女の子だけじゃないんだから」。

    恋の妙味を描く珠玉の6篇。

    20年目のマイルストーン的作品集。

    谷崎賞受賞。

    70歳の今も真っ赤なカマロを走らせるグランマは、ガスステイションで働く孫の志郎の、ままならない恋の行方を静かに見つめる。

    ときに甘く、ときにほろ苦い、恋と人生の妙味が詰まった小説6粒。

    恋愛小説の名手がデビュー20年目におくる風味絶佳な文章を、1粒ずつじっくり味わってください。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    いいよ、いいよーコレ。

    世間の評価で一番なのは、グランマ篇だけど、ナニゲに料理を作る篇がすごい良いのヨー。

    アトリエも良いし、なにより、『好き』が端から端からこぼれ落ちている。

    恋愛小説だからと、セカチューやイマアイ電車と同系列でしょと一括りは良くない。

    文章上手いなとやっぱり感心する。

    ここ最近の恋愛小説もんって、イマイチだったのよ。だからすごいぐっと来た。

    装丁は、ぜひカバーと帯まで含んだ状態で見て欲しい。

    すごい良い装丁だよ。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 2014.07読了 3時間ぐらい?

    映画を見たことあったので、気になって購入。シュガー&スパイスってこの中の短編の一つだったのね。
    普段読まない恋愛小説を読んだけど、久々に美しい小説の世界に触れたって感じがした。まあ、恋愛経験ほとんどないですから、よく分かんないところが多かったけど。

    昔マツコデラックスが「最近、歌詞に好きだの愛だの会いたいだの詰め込んだ歌ばっかりじゃないの!その言葉を使わずに、愛だの恋だのを表現するのが歌手なんじゃないの?」と言っていたけど、まさにこの小説は愛だの恋だの使わない恋愛ソングに近い気がする。そこに漂う空気感にただただ酔いしれるけれど、どこか胸も痛む、そんな美しい小説だった。

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著者プロフィール

1959年東京生まれ。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。87年『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞、89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16年「生鮮てるてる坊主」で川端康成文学賞を受賞。他の著書『ぼくは勉強ができない』『姫君』『学問』『つみびと』『ファースト クラッシュ』『血も涙もある』他多数。



「2022年 『私のことだま漂流記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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